旧式銀河戦法の終焉
今まさに銀河系の戦いが一変することが起こった。
「信管作動」電子画面で信管の作動を確認した。
突如!嵐の海で巨大な渦が巻いているような音が両軍の音響ソナーで確認できた。幾数の両軍の砲弾が航路を変えてそれが一箇所に集中した。
そして大爆発を引き起こした。両方のミサイルの破壊力が暗黒の空間で混ざり合った。このフォチャースト側の砲弾は向かっている方向にエネルギーを集中させながら周りのエネルギーも集中させて向かわせる性能を持っている。
つまり…フォチャースト軍のミサイルの破壊力だけでなく惑星破壊砲弾の威力までもがフォチャースト側の宇宙艦隊に向けられた。衝撃波がフェバンダー艦隊に襲い掛かる。この程度の物理的衝撃波を防げないのは宇宙軍艦としてふさわしくない。そのためもちろん防げた。
しかし…次のコンマの違いできた衝撃は防ぐことが出来なかった。閃光が煌き衝撃波がフェバンダーの宇宙艦隊をゆらしてきしんだ。不気味な金属がこすれあうような音が断続的に鳴り響いて、耳を傷めるような悲鳴が鳴り響きそれがいたるところで空回りして宇宙艦隊を襲い、音に関するソナーやレーダーが破損した。
一方のトライセンにいたフォチャースト側の陣地も衝撃波に揺れていた。距離的にはフェバンダー艦隊に比べ3倍ほど離れた距離だが惑星を破壊できるのだ。その威力は生半可なものではない。
発令所にいたグエツアはよろけて壁に倒れ掛かり、係りのものは椅子から転げ落ちたりした。そして音が鳴り響いてきた。衝撃が音を超えてきたのだ。
「被害を調べよ!怪我人は?貴様!大丈夫か?衛生兵!!」グエツアは怒鳴りつけながら命令を下した。同時に天井に亀裂が入って破片がパラパラと床に落ちてきた。
「おい…見方の損害はどうなった。被害状況は」フェバンダーの宇宙戦闘艦はかろうじで攻撃を防いでいた。しかし1隻は艦首がもぎ取られて、もう片方は中央の電子機器をやられ統制が不可能となった。なんとか予備の電子機器で通信と通常砲撃戦闘は可能となったが対亜音速の砲弾等のレーダーが破損した。
1式惑星破壊宇宙砲艦は防御力をやや犠牲にしている部分がある。そしてそれが仇となった。いたるところに穴が開き中の空気が宇宙の真空空間に吸い込まれていく。非常用の酸素発生装置を装着した宇宙戦闘兵の軍服らしきものがあったため何とか無事だったが、衝撃で破損がひどいものはそのまま死んでいった。
いまさらだが宇宙でありながら砲弾の火薬などが作動するのは宇宙用の火薬を使用しているため周りが真空などということは関係ない。ただし砲弾に空気を入れていく必要がある。
その1式惑星破壊宇宙砲艦は30隻が一度に破壊され、撃破されたのに至っては50隻にも及ぶ。宇宙戦闘艦もこの有様ではまともな統制も取れないということで退却していった。
そしてこの日を境に両軍の兵器能力というのがいままでの比ではなくなってくるのであった。
ふう。明日から課外ではないか。はよ寝なくては。