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『カオスノイズ:東京拠点化計画~拠点を東京に移し、自分を殺せる勇者の育成に励むことにしました~』  作者: 猫寿司
第2章:神か悪魔か!? 地獄にあらわれた最強の男

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第12話「肉の揺り籠と、緑の落とし子」

飽食と生殖の嵐


浅葱の呼びかけに応じ、品川の地へと定礎されたカオス城は、かつてないほどの昂ぶりを見せていた。


城の底面から噴き出した肉厚な触手たちが、広場で平伏していた大量の信者たちを次々と絡め取る。城は彼らを咀嚼し、ユウサクが命じた通り「再構築」を開始していた。それだけではない。ゲート内にあった最新の電子器材や核融合炉のパーツまでもが、肉の組織と混ざり合い、城の機能として吸収されていく。


「さいこう……っ! こんなのはじめてぇッ! もっと、もっと頂戴……あぐぅッ、よぉ……!」


壁面の肉孔から甘ったるい蒸気を噴き上げ、城は身もだえしながら少女のような絶頂の声を響かせる。飽食と生殖が絶え間なく繰り返される嵐のような快楽. 機械の残骸を与えられ、新たな生命を孕み続ける感覚に、城は狂喜に震えていた。


緑の訪問者


「……なんのこっちゃ。城のやつ、あんなに喜んで……」


スライム状の体内に、快楽に溺れきったシズクを包み込んだまま、ユウサクは地上を移動していた。

城が信者たちを飲み込み、新たな「資産」へと作り変えていく喧騒の中、ふと横を見ると、いつの間にか一人の女性が立っていた。


彼女の肌は透き通るような薄緑色をしており、背中には神秘的な光沢を放つ四枚の羽が生えている。妖精のような出で立ちでありながら、その瞳には過酷な生存競争を勝ち抜いた者特有の鋭い光が宿っていた。


ユウサクは一度正面を向き、数秒置いてから、驚愕して彼女を二度見した。


「……ど、どなたでしたっけ?」


「私は、カオス城という母体と、魔王様の間で生まれ、生存競争を勝ち抜いた個体です。どうか、私にお名前をお付けください……お父様」


「……はい?」


ユウサクは固まった。

「お父様」という聞き捨てならない響きに、思わず背後の浅葱を振り返る。


「ちょっと待ってください、浅葱さん! 俺、城とそういうことした覚え全然ありませんよ! どういうことですか、これ!」


生き残りの受肉


離れた場所で扇子を口元に当てていた浅葱が、くすくすと肩を揺らして笑った。


「なあに、そう慌てるなユウサク。横浜で羽虫ども――あの小さきお主たちが共食いを始めておったのを忘れたか? あれの生き残りよ。お主の細胞を核とし、同胞をすべて喰らい尽くして勝ち抜いた唯一の個体じゃ」


「あ……あの『ママ』とか言ってたミニ・ユウサクたちの……?」


ユウサクは、横浜の路上でシズクや浅葱にペチペチと叩き潰されながら、グリーンアーマーの兵士を中身ごと貪り食っていた異形たちの姿を思い出した。


緑の女性――唯一の生存者は、期待を込めてユウサクを見上げている。ユウサクは、スライムの体面をぶるりと震わせ、拒絶するように言った。


「……嫌だよ、勝手にそんな。そもそも、俺が再構築してやるのは美女だけだって決めてるんだ。そこのゲートにいたむさ苦しい男たちや、無機質な機械を飲み込むなんて御免だね。汚いし……見てるだけで胃がもたれる。そういうのは全部城にやらせればいいんだ」


ユウサクは溜息をつき、自分を見上げる緑の女性へ視線を落とした。

「……でも、まあ、お前はいいよ。……珍しいから『レア』だ。お前の名前はレア。それでいいな」


「レア……。はい、お父様。感謝いたします」


ユウサクの徹底した選り好みと、あまりに投げやりな名付けを聞いて、浅葱はただただ、お腹を抱えて愉快そうに笑い声を上げ続けていた。

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