五話 嵐神 天候を司る者
今日は朝からやることが多い。
まずは住民からのこの町の技術を教えてもらわないとな。
技神の土産に持って行かないとな。
こういうのも話の弾みとして使えるはずだ。
技神のことだからどこの技術もしってそうだがな。
酒もかわないとだな。
ここに売ってるなんだっけか、桜花酒ってのも買ってかないとな。
こういう時のために、亜空間バックを持ってきといてよかった。
これも技神開発のものだ。
これは技神と天神が共同開発したものらしい。
どうやら天神はこの技術を使って宇宙開拓を進めようと奮闘しているんだとか。
天神にも会ってみたいな。
宇宙って人類のロマンだしな。
聴けたらいいな。
そういえば、なぜ神はこんな長寿なんだろうか。
それも今日聞いてみるか。
「すいません!」
「なんだ?」
「よければ桜花酒の売ってる店を教えてくださいませんか?」
「ちょっとまっとれ。」
なんだ、、?なんか怖いな、、、
なんかでかい人連れてきた、、、
「おい小僧、先に聴いておく。この国の者か?」
「いえ、違いますが、なん」
なんだこいつ!クッソ!やっぱり危ない国だなここ
いきなり刀を振るってきやがった。
さすがは力神のルールがある国だ。
「どういうことですか!俺は酒の売り場を聴いただけなんですが!」
「そんなことはわかってる。この国に住まない部外者がなんでうちの酒を買ってこうってんだ。」
「今後技神に接触をしようと思いまして、」
「技神?なぜやつなんじゃ。やつはただの放浪人に過ぎぬぞ。」
「放浪人?神じゃないんですか?そんな勝手な人なんですか?」
「ああ、この町にもよく来よる。わしの店の酒を買っていくわい。」
「え?ってかこの国はほかの神との交流を断っているんじゃないんですか?」
「別にこの町に来るのは構わねぇ。ただ、嵐神様に合うのが禁止されいるだけだ。」
「なるほど、ってかなんで嵐神様は他の神との交流を断っているんですか。」
「嵐神様はこの世で最も崇高なる神だ。知恵と力を万物を持っているお方だ。この世界のどこかに潜んでいる”邪神”を討伐するべく、今は動いている。そのため信用に置ける神としか交流をしていない。」
「邪神?ですか?よければ詳しく教えていただきたいです。」
「腑抜けたことを抜かすな。わしとてこの国の民だ。外界から来たお前に誰がそこまでの情報を与える。」
「それはそうですね。出過ぎた質問でした。」
「わかればよい。それでいて、お前はわしの酒を買いに来たのだな。」
「そうです。よろしいですか?」
「こっちだ。今度はちゃんとしたわしの店に教えてやる。」
「はい、、、」
信用はできないけど、今はついていくしかないな。
そのあとおじさんはしっかりと店に連れて行ってもらった。
おじさんとは店で、技神に持っていくのにおすすめのお酒を教えてもらった。
持っていこうと思っていた。桜花酒ってのはこの店自慢の味でぜひ飲んでほしいと言われたが、
未成年だからと、お酒は遠慮した。
そうしてお酒を買った後は、約束していた場所に向かっていた。
そこにつくと昨日勝負した、あの兵士が立っていた。
「すいません!少し遅れたでしょうか?」
「問題ない。それではまず手荷物を預からせてもらう。安全のためだ。」
「わかりました。注意するべきこととかありますか?」
「無礼のないように、それだけだ。」
「わかりました。今回は相応の理由もないのにありがとうございます」
「よい、嵐神様もよきごくつぶしになるだろう。」
そこは天高く続く天守閣。
城というにはあまりにも高く美しい。
そこを入ると、壮観であった。
高く続く天井を目指して、歩いた。
長い螺旋階段を上ってすぐの前。
4mにもなる高い扉を門番がしっかりと守っている。
「わ、わぁ、すごいな。」
「そこの者よ。嵐神様への謁見者か。」
「そうです。」
「ここを通れ。嵐神様がお待ちだ。」
「わかりました。それでは失礼します。」
「貴様は我に会いたいと申す人間か。」
「お初にお目にかかります、わたくし何也 現人といいます。」
「我は三大賢者の一人 嵐神ミコトノガミだ。それでいて何を我に申したいのだ。」
「失礼ながら、力統のことについて全くと言っていいほど知りません。そこから教えていただきたいです。」
「よい。そもそも私たち12柱の神。それぞれ知神に6人、力神6人は神に存する権能を持っている。
我の権能は天候を司る権能だ。世間では我は嵐神と呼ばれているが、正しくは天候の神だ。しかし、天を司る神はすでにいた。空の上宇宙を司る神 ヴァルキュリオス がいる。正確には宇宙を研究しているだけで、全土を支配しているわけではない。その神が持つ権能の中にも知恵に特化した権能と力に特化した権能を持つ神に分かれたのだ。そこから今で言われる知力之運命といわれる戦争に発展したのだ。それ以来、知恵の権能を持つ神と力の権能を持つ神とで話し合い、今の世界を統治することになったわけだ。」
「ありがとうございます、二つ目の質問です。なぜ近海はあそこまで荒れているのでしょうか?」
「うむ、それは我が近海の天候を支配しているからであるな。そもそも我が国に立ち入ろうとするものたちは半端な人間も多い。故に交流禁令などをなしにしても近海さえ越えれぬものはこの国に立ち入るに足らない。故に近海は正しき心と純粋な熱意を持った人間がこの国にたどり着く。お前のようにな。」
「ありがとうございます。失礼ながら武神との関係性を教えていただきたいです。」
「うむ、我はかつての戦争で深い傷を負った。それから知恵に特化した我と力に特化したスサノオとして別れたのだ。要するに分身体だな。」
「ありがとうございます。私がいた港では武神様をお探しのようでしたが、それについてはなぜでしょうか?」
「それはこの世界にいる12柱の神とは別にいる邪神を殺すためだ。」
「ありがとうございます。その邪神について教えていただいても?」
「よかろう。だがそのまえに勝者の歴史ではなく、真の歴史を教えなければいけない。」