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二話 嵐神住まう海

今日は船出の日

昨日の情報はありがたかったな。

俺はなにせ東側について全く情報を知らないから、

ほかの人にとっての常識も俺からすれば、機密情報だ。

「船出するなら、コーラとライジャケも持って行かないとな...」

ライジャケは溺れないためのものとして

長旅にはコーラがないと俺は耐えられないな。あの炭酸の効いた飲み物ないと、

船酔いもしちまうしな。


「おはようございます!船長さん!」

「おう!まだ空がくれーのにはやいな!」

「いえいえ、若者がぐーたら寝ていたら世界はとんでもないことになってしまいますからね。」

「若いのに考え方が偉いな!おれはそういうやつ好きだぞ?」

「船長さんもうまいことおっしゃる。さて!出発お願いします!」

「おうよ!」

そうして20日にわたる、航海が始まった。

そこそこ波は落ち着いている。

フィブマニア諸島近海は風や波が吹き荒れる危険海域だ。

雷が鳴り響き、まさしく嵐神の住む国といったところだ。

そんな話をよく聴いていたが、今はまだそんな感じはない。

まだ出発してから、5時間近くしかたっていないしそれもそうか。

今日は景色でも堪能するか。

しばらくは海も荒れなさそうだしな。

にしてもマレニアはすごいな。すこし近づいたが、片側にクレーターのような

衝撃が島全体を覆っている。ここからでも見える距離だ。感覚距離 500Kmは離れている気がする。

それでもなお、こうも大きく見えるということは、あの戦争 知力之運命は壮絶な戦いだったのだろう。

しかし、危害がない状態で戦争を見てみたい気持ちもある、なにせ神同士の戦いだ。

気にならないほうがおかしい気する。

不謹慎極まりないのには違いはないが、、、


そんな風に時間つぶしをしていたら、5日が経過していた

毎日海を眺めてばかりを続けていたら、一瞬で時がすぎた。

5日経って思ったのがすこし、海が荒れてきた気がする。

船長にでも聞いてみるか。どれくらいから荒れてくるのか、、、

「船長?」

「おう!どうした?」

「フィブマニア諸島近海は海が荒れているとききました。出向から五日は経ちましたが、

うみが荒れているようには見えません」

「そうだな。フィブマニア諸島近海は荒れているってもんじゃねぇ。あれは自然が怒っているといったほうがいい。おれも数回しか通ったことはない。あそこは前にも説明したが、近海という範囲に入るときは空が暗い場所が見えてくる。上をみて空が黒いならそれは近海の証だ。」

「なるほど、黒い空か、、、それでいて近海まではいつ頃入りそうですか?」

「あと3日といったところだな。」

「3日?ということは荒れ狂う海を12日も滞在しないといけないってことですか!?」

「そういうわけじゃねぇ。荒れた近海自体は5日で抜ける。というか抜けないと船が持たねぇ。」

「荒れた海自体は、島全体が荒れているわけではないのか、、、」

「そうだ。心配することはない。おれが船を操る限り沈むことはねぇ!なんてったって、この船は最新の科学を取り入れた。空を浮く船だ。」

「そういえばそんな船を有名な会社のアスピ株式会社が発明した空を浮く技術。技神という方もはかり知れませんね。」

「やつはすごいぞ。奴は賢者には届かないが、それでも知神を支える重要な神だ。」

「名はアスピオス、お会いしてみたいですね。」

「やつは技神に対しての敬意さえ見せれば謁見することができるぞ。」

「そうなんですか?」

「ああ、俺もなんどもあってるぞ。さっきからやつと呼んでるけど、技神には内緒で頼むぞ、、、?」

「わかってますよ」少しおれはにやけた。

そうして、船長と他愛のない話をして、その日は眠った。

次の日の朝、船長の怒声で目が覚めた。

「おい!舵回せ!そこの新入り!帆を張れ!!何してんだ!急げ!」

「おはようございます、、、船長、、何事ですか?」

「それどころじゃねぇ!まだ近海に入ってないのに、海が荒れだした!こんなのはじめてだ!

昨日も雨も降ってなかったうえに、風も強くなかった!荒れるにしても理由がなさすぎる!」

「そんな事態に、、、すいません呑気に寝てしまっていて、、、」

「そんなことはいい!おまえさんは客人だからな。そんなことより手伝ってくれ!」

随分焦っているな。

素人の俺から見れば、海はたしかに荒れているが、そこまで汗あるほどの様には見えない、、、

「なにぼったってんだ!客人とはいえ、手伝ってくれないと、俺らも生きて帰れなくなる!なによりおまえさんが島に入れねぇ!早く手伝ってくれ!!」

「いまそっちに行きます!指示をお願いします!」

「まずは、端にあるレバーを全部全開にしてくれ!」

「はい!」

なんだこれ!このレバークッソ重いぞッ!

おれにはとてもじゃないが、全部上げきれない!

どうしよう、!クッソこういう時のために筋肉増強剤を持ってくればよかった!

そもそも嵐神と会おうってのに逃げる手段を持ってきてないのがそもそも失敗だった!

今になって焦り始めるなんて、馬鹿らしい、、失敗した!

とにかく生き残るためには、船長の指示に従うしかないな。

おれのある力を全部振り絞って、くっ!

「うぉおおおおおおおおおおおお!!!!」

、、、

とりあえず全部上がったな、、、

「船長、、、とりあえ、ずッ!全部上がりました、、、!」

「とりあえず体制は整った。今から空を飛ぶ準備の、な!」

「そういえば、言ってましたね、、、でも大丈夫なんですか、、、?」

「大丈夫とは、、?どういうことだ?」

「ほんとにちゃんと空を飛べるのかとか、、、安定しているのかとか、、、?」

「大丈夫だ。技神はそんな適当な作りはしない。奴の手は神を名乗るにふさわしいものだ。」

「それなら、、、安心です。」

「それじゃあ行くぞ!いけ!浮遊旋風(エアドライブ)!!!」

大きな音をたてて、その瞬間俺ははじめて空を飛んだ。

「ううぉ!すごいですねこれは!海の上とはまた違った浮遊感です!」

「ここからは近海にはいる、残りの2日間気を抜かないようにな。」

「はい。もちろんです。」

そうして一日が過ぎ、2日後の朝、凄まじい雷鳴が鳴り響いたことで、目が覚めた。

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