3.続けることに意味がある
次の日の放課後、私はワクワク&ドキドキしながらアクセス解析ページを確認した。
閲覧数がなんと63になっていた。
ブクマが1件、評価ポイントが8増えていた。
期待外れとまではいかないけど……なんというかイマイチ感が拭えない。
1人あたり平均星3評価=6ポイントだとして、50人分RTしたなら最低でも300ポイントくらいは増えていると思っていた。
感想とレビューも10件くらい書かれていると期待していたのに1件もなかった。
まあ確かにハッシュタグの内容は「#RTした人の小説を読みにいく」であって「評価ポイントを入れる」や「感想を書く」「レビューを書く」ではなかったので仕方ないといえば仕方ないのかもしれない。
とはいえ最新話更新日でもないのに1日の閲覧数が過去一で多く、ハッシュタグをRTした意味はそこそこあったようだ。
それに久しぶりに評価ポイントが増えたことで執筆モチベーションがぐんと上がった。
こうして朝起きた時と放課後にハッシュタグをRTすることが私の新しい日課になった。
昔から世界中で何度も言われている。
続けることに意味がある、と。
ポイントを入れてくれる人の他にも、感想を書いてくれる人、レビューを書いてくれる人、Xや他サイトで宣伝してくれる人がいる。
やがて知名度が上がって1日あたりの評価ポイントが一定値を超えれば、ランキングに載って更なるブーストが期待できる。
評価ポイントをたくさん稼いでランキングに載る。
目標をはっきりさせたことで創作活動に対する私の心構えが変化した。
今までは書きたいと思った時に書きたいだけ書くスタイルだったのを、1日に最低でも1時間は執筆だけに集中する時間を作ることにした。
さらに更新小説一覧に載る機会を増やすために週2更新を週3更新に増やすことにした。
ランキング上位作品をこれまで以上に研究して、流行りの要素や読者が喜びそうな展開をたくさん取り入れた。
そして1ヶ月後、『守護聖女の私を追放した帝国はもうすぐ滅ぶみたいですよ?〜隣国の第四王子に溺愛されて幸せな結婚生活を送る〜』はブクマ数6、評価ポイント58になっていた。
ランキング上位には程遠く、感想とレビューは相変わらず0件のままだが、日々の努力の成果は確実に表れていた。
少し前まで30人程度しかいなかったXのフォロワー数も500人以上に増えた。
私の創作活動は「#RTした人の小説を読みにいく」に出会ったおかげで、さらにやりがいのある充実した趣味になっていった。