47 出産?
「エリナさーん!事件です!起きてー!!」
「な、んだ?」
朝から元気に起こしてくるのはメグちゃんだ。
私よりも早く起きているのは初めてだ。
まあ、今はそれはいいか。なんだか良く分からないがとりあえず起きないと。
寝ぼけながら準備をし、リビングへ行くと「とりあえず付いてきてください!!」と言われ、メグちゃんに付いていく。
付いていくと下水タンクの所だ。
水漏れでもしたか!? と思っていると「子供が生まれました!」と伝えられた。
「ああ、なんだ子供か。え? ちょ、こ、子供!?」
確認すると、なんとまさかのスライムが増えている。
リーフちゃんとパキラくんのリンゴサイズよりも小さいミカンサイズぐらいの色付きスライムが増えていた。
スイカサイズになってから分裂すると聞いていたが、昨日の夕方に見た時はリンゴサイズだったはずだ。
今思うとリンゴサイズよりも少し大きかったかもしれないがスイカサイズでは無かったはずだ。
しかも一番の新入りなのにたった1日でもう分裂するのか?
そして産まれた子は多分レアだ。
普通のスライムは半透明なのに対して産まれた子は少し青い。いや青緑だ。
透け感のある青緑のキレイな子が産まれた。
レアな子は役場で高く買い取ってくれるらしいが、初めての分裂&レアなのでこの子はここで大事にしたい。
名前も付ける!
宝石のトルマリンから取ってマリンちゃんにする!
そういえば、衣装ケースの様なゴミ箱の水が無くなっているんだけどメグちゃんんが捨てたのかな?
聞いてみると、水は捨ててないようだったのでスライムが消費したみたいだが200Lぐらい入っていたはずだ。
1匹が消費出来る水の量は約10Lだから計算が合わなすぎる。
とりあえずもう一度同じ状況にしてみて、どうなるのか見たいからリーフちゃんとパキラくんの2匹をゴミ箱に入れて置いておいてみよう。
そして20Lぐらいの消費だった場合はマリンちゃんが消費しているかもしれないから、200Lの中にマリンちゃんだけ入れて置いておいてみようと思う。
メグちゃんは今日お休みの日だが、スライムがどうなるのか見ておいてくれるみたいなので変化があった場合は教えて欲しいと伝え、タンクの入れ替え作業をし、部屋に戻る。
部屋に戻り、ヒカリちゃん達にも色付きスライムを見せる。
宝石の様にキレイで小さく可愛いマリンちゃんは既にうちのアイドルになったようでみんなにカワイイカワイイと可愛がられている。
とりあえず蓋付きの箱に入れてメグちゃんに預けておこう。
さて、仕事の準備をしないと。
毎週恒例の購入者全員プレゼントの3日間が始まる。
今回も先週同様に2000イエン(銀貨2枚)毎に商品プレゼントだ。
景品は生理用品15個、ベビー用おむつ15個、除菌ウェットティッシュ、携帯トイレ、ボディウエットタオル3本の前回もあった中からの5種類にする事にした。
今日から"フューチャー"のオリバーさん、フローラさん、レオさん、ソフィアさんが働く。
オリバーさんとレオさんの仕事としては、1時間に1回程度の見回り、入口での誘導や整列をする事、役場やイアン商会の納品物の箱詰め作業、そしてイアン商会への納品をして貰う。
マイケルくんに誘導などを教えて貰い、他の事は私が教える。
フローラさんとソフィアさんには、他の子達と同様に、商品説明や品出し、レジやレジ袋詰、化粧水などの詰め替え作業をやってもらう。1時間に1回の見回りもお願いするがそれは女子同士のペアではなく男性との見回りにしてもらう。
今日はレジ袋詰と裏での詰め替え作業などを行ってもらう予定だ。ヒカリちゃんが教育担当だ。
そして今日初出勤はもう1人居る。ジョンくんだ。
働く事が決まってはいたが他の仕事との兼ね合いもあり、今日からとなった。
ジョンくんはマイケルくんが教育係として付き、入口誘導や、裏での詰め替え作業などをやってもらう。
新人の割り振りも出来たので、オープンする。
お客さんの入りを見て問題無さそうなのでオリバーさんとレオさんを連れて、イアン商会へ納品と挨拶に行く事にした。
シャンプー類の詰め替え商品の木箱を台車に積み、イアン商会へ持っていき新しく納品に来るメンバーとして紹介し、代金の精算をする。
そして空瓶入りの木箱を積み店に戻る。
店に戻り、午後の入口担当はオリバーさんとレオさんにお願いしようと思っているので、入口担当についての説明をし、昼になるまでは倉庫付き家の方の倉庫でトイレットペーパーを詰める作業をお願いする。
そして見回りについても説明をする。
今まで特に問題も無かったが警戒はした方が安心なので1時間に1回程度店の外や倉庫付きの家まで見回りしてもらう。
毎回キッチリ1時間毎ではなく時間はバラバラで見るよう伝えパターン化しないようにし、問題があったりした場合の対処もお願いする。
これで新人さん達が店に慣れてきたら、私も週休2日に出来そうだ。
その後昼休憩を取り、教える事はある程度教えられたので後は様子を見るだけ。
自分の仕事に戻り特に問題もなくお客さんの対応をしたり、休憩室で葉っぱの納品者に渡すポイント券にハンコ押し作業をする。
ダッダッダッダダダ、バン!!
勢い良くドアを開けられ、ビックリしつつドアを見るとメグちゃんだ。
「どうし…」
「産まれました!!! 来てください!!」
どうしたのか聞く前に産まれた報告を聞き、急いで付いていくと、青緑色のミカンサイズの子がまた産まれていた。
「ええ〜! また産まれたの!? こんなに早く分裂するもんなの??」
「わ、分からないっすけど、見に来たら増えてました!」
処理して欲しい水は余り減ってはいないようだが、朝と同じ様にレアな子が増えていた。
理由は分からないが2匹目の青緑色スライムが居るのは事実だ。
葉っぱの影響か、石けん水の影響か…。
リーフちゃんとパキラくんは色味の変化等は無いし、水の消費は普通より少し多いかな? ぐらいだ。
とりあえずその2匹を衣装ケースのゴミ箱から木箱に移し、新しく産まれた青緑色のスライム2匹を衣装ケースに入れておき、水の消費量が多いかをチェックする事にした。
入れた途端に水をごくごく飲んでいるようでみるみる内に衣装ケースのゴミ箱の水が減っていく。
そして空気をブクブク出しているのが目に見えて分かる。
その様子を唖然とした表情で見つめる私達。
朝ゴミ箱の水が無かったのは確実に青緑色スライムのマリンちゃんが原因だった事に気付く。
ミカンサイズなのに消費量が多すぎて、意味が分からない。
処理速度に差があるのかもしれないが、2匹で約200Lがものの数分で空気に変わっていく。
ビックリしすぎて2人で笑うしか無かった。
そしてハッと気付くのはシャワーが毎日普通に使えるかもしれないという事だ。
大タンクの中には夕方移動しようと思っていた水が残っているので、青緑色のスライムを直接入れてみて夕方にチェックしようという事になり、私は仕事に戻る。
えーっと何をしてたんだっけ?
…。ああそうだ、ハンコ押してたんだ。
青緑色スライムが気になって仕事に集中出来ない。
1人での作業だと集中出来なかったので、店内に出て商品説明などの違う仕事をする事にした。
店内で接客をしていると忙しいからなのか時間が経つのが早く感じる。
気が付いたらそろそろ閉店時間だ。
売上の計算をしみんなに渡す給料の計算をする。
ジョンくん達はオリバーさんに送っていって貰う事にし、今日の仕事は終了だ。




