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35 休日

 朝起きて、まずトリートメント水の実験結果を見る。

 今回もメグちゃんと一緒だ。凄く興味があるようだ。

 置いておいた時間は大体前回と同じ。

 葉っぱの枚数は2倍の4枚。

 トリートメントの量と水の量も大体同じぐらい。

 さて、結果は、全部の葉に白いぷよぷよがくっついている。

 目視確認では、昨日より葉っぱにくっついたトリートメントの量が少し多いように感じる。

 味は、違いが分からない。

 うん。多分成功だ。

 実験結果はトリートメントはシャンプーよりも必要な葉っぱの枚数が多い。はず。

 これならばタンクに葉っぱを多めに入れられればいけるんじゃないか? という事で、メグちゃんとどんなタンクが良いかを考える。

 そして役場にタンクを買うのと工事をお願いするのと、トイレと風呂場の増設工事について聞きに行く。

 メグちゃんも一緒に行きたいと言う事で朝ご飯を食べ、一緒に役場へ向かう。

 予算は金貨500枚だ。全財産が金貨約550枚なので少し残して使えるのが金貨500枚。

 最優先で買うものは新しく住み込みになる人の家具類。

 ただ今回は全員分は必要ない。

 シンディーさんと冒険者チーム"フューチャー"のみなさんは自宅で使っているものを運びこみたいという事だったので、必要な物は無しで、住んでから足りないものがあったら欲しいという事だ。

 買う物はミリアさんと妹さんの分だけで大丈夫。


 まず役場の総合受付に行き、用件を伝え、住民課を案内されそこへ行く。

 増設工事の金額を聞くと思っていたよりも安く、トイレ増設は金貨100枚、風呂場と洗濯場の増設は各金貨50枚らしい。

 つまり1箇所ずつ増やすと合計金貨200枚。

 そして、風呂場から下水管を別のタンクに繋ぎ替える工事は金貨15枚。

 容量の大きいタンクが金貨100枚で、少し小さいタンクは金貨10枚らしい。

 予算に収まりそうなので、メグちゃんと相談した案を伝える。

 風呂場→配管→大きいタンク→配管→小さいタンクという風にし、小さいタンクから水を取り出し外に撒けるようにする。

 念の為に2段階にしておく。

 このお風呂用のタンクにはスライムを入れず、葉っぱだけにし、葉っぱの取り替えは自分達でするので蓋付きの開けられるところがあるものにする。

 無限の排水溝シートがあるので髪の毛とかも流れない。完璧だ。

 家具の購入と工事全て合わせて金貨約500枚で全て出来るそう。

 工事業者が直接見てみてから正式な金額が出る。

 なので明日の午前中に来てもらうことにした。


 役場での用事が終わり、メグちゃんと別れて、孤児院へ向かう。お掃除シートのフローリング用とトイレ用と除菌ウェットティッシュと使い捨てゴム手袋も持っていく。

 孤児院へ着き、院長先生とお話。サユリさんについてだ。

 サユリさんについての話と私についての話もする。

 身分を明かさないと詳しい話を教えてもらえないかもと思い、先に自分について話す。

 院長先生の予想通りだったようで、あまりビックリされなかった。

 そしてサユリさんの話を聞く。

 約400年前なので、あまり参考にはならないかもと前置きがあったが話してくれた。

 話をまとめると、

・サユリさんはこの世界に来る前は子供を預かる所で園長先生をしていた。

・何かの洋服作りの為の道具を家から園に持っていく時にこの世界に来た。

・その時に持っていた針と糸と布などが入っている裁縫箱とバッグに入れていたミシンが魔道具になった。

・その裁縫箱の魔道具はレベルがあり、上がると糸や布などの種類や色が増えた。ミシンはレベルが最大だったらしい。

・40代でこの世界来て76歳の時に亡くなった。来た時の正確な年齢は分からない。亡くなった時に裁縫箱のレベルアップはしなくなったみたい。


 やはりこの世界に来る時に持っていたものは魔道具化されるようだ。

 そしてスマホや携帯電話など色々な言い方で持っていたか聞いてみたが、聞いたことは無いそう。

 最初から持っていなかったのか、話が伝わる間にその話が無くなってしまったのか。

 400年も前だとあまり情報が残っていないようだ。

 院長先生になる時に引き継いでいくみたいだが、魔道具のミシンの使い方とかの方がしっかり伝えてたようだ。

 サユリさんのお墓や他の家があったかどうかも分からないそう。

 他の情報が分かったり思い出した場合は教えて欲しいと伝えた。

 情報としては園長先生だったということ、裁縫箱とミシンが魔道具になった事ぐらいだ。

 孤児院の院長先生に聞けば分かるかと思っていたが、昔すぎてあまりにも情報が少ない。


 魔道具になった、裁縫箱とミシンも見せてもらったが、裁縫箱は持ち手付きの木製の3段の物でミシンは昔の物では無く、現代にもある物だった。

 日本にいた時に家や学校でも使っていた電動ミシンだ。

 コンセントは無いがスイッチを入れると動くらしい。さすが魔道具!

 液晶は付いていない。刺繍を入れる機能も無い。

 液晶付きが販売されたのが90年代だから、おそらく80年代の物だと思う。

 ただ全く劣化のしていない真っ白なミシンだ。

 400年前からという事は魔道具になると劣化はしないみたい。

 ヨーコさんの時もこの世界に来た年数が合っていなかったし、サユリさんも全然合っていないという事は分かった。

 ちなみに孤児院では、外部から依頼のお仕事以外にこれらの魔道具を使って洋服やトートバッグなどを作り、月に1度の2日間販売をしているそう。

 みんなが着ている洋服も自分達で作っているようだ。

 みんなキレイな洋服を着ているなとは思っていたが、そういった理由のようだ。



 異世界人(日本人)の情報を集めるのは難しいと思いながら、アビーさんの所でお昼ご飯を食べる。

 働く人数が増えるから、毎日のお昼ご飯の代金を支払うという話をしたが、断られてしまった。

 今後も、こちらから新しい物や今使っているものを提供するという事で話が纏まった。

 ご飯を貰い、日用品を渡す、物々交換だ。

 お土産に冷凍餃子50個頂き、お返しに牛乳4本を渡し、帰宅する。

 午後は家でゆっくりしようと思う。



 家に帰り、ヒカリちゃんに夕飯に餃子がある事を伝え、メグちゃんにコスモスの種を渡す。

 パッケージは見せずに花の種とだけ伝えて渡し、どんな花が咲くのか咲いてからのお楽しみという事にした。

 早速植えるという事だったので、ガーネットちゃんとエリスちゃんと一緒にお手伝いをする。

 他のみんなは部屋で刺繍をしているので、暇な私達がお手伝いと言いつつくっついて行く。

 メグちゃんがスコップやジョウロを持っていたのには驚きだ。

 私とエリスちゃんとガーネットちゃんは3粒ずつ植えて、残りはメグちゃんが植えた。

 メグちゃん以外のメンバーは木片に名前を書いて自分が植えた所を分かるようにした。

 ガーネットちゃんとエリスちゃんはいつ芽が出てくるの? とメグちゃんに質問攻めだ。

 地球の種がここでも芽が出るかは分からないが、楽しみにしている子達がいるので花まで咲いて欲しいと願うしかない。


 部屋へ戻り皆が作っている刺繍を見せてもらったり、夕飯を食べたり、みんなでわいわい楽しく過ごす。

 部屋に戻り、娯楽について考える。楽しみが全然無い。

 お喋りや刺繍や料理以外の娯楽が無いので、何か考えたいが、何が良いのだろうと、ショップアプリを見てみるがなかなか決められない。

 うーん。娯楽、ご楽、ごらく、ご、グーグー...

 

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