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p.5

 大量のスコア獲得のチャンスに人々は歓喜した。


 自身のスコアを伸ばし能力を強化するためにも、人よりも多く数字を確保する必要があり、研究チームが急遽配信を始めた「落数予報」には多くの注目が集まった。


 数字が大量に落ちてくる日は、「落数予報」によれば数日後だ。その日までに落ちてくる数字の量は徐々に増えていき、やがてピークを迎えるらしい。


 これまで、突然数字が見えるようになったことについては、公式見解がなされていなかったのだが、今回の発表により、それが明らかとなった。


 研究チームの見解によれば、これまで僕たちの目には見えずとも、数字たちは、数字の星から落ちてきていたわけだが、その数は決して多くはなかった。しかし、最近起きた小規模の太陽フレアの影響を受けて、星内での数字の増殖が活性化し、星内に内包しきれなくなった数字がこれまでより多く空から落ちてくることになった。


 さらに、高エネルギーの影響を受けた数字に変化が起こり、これまで僕たちの視界には映らないようになっていた光学迷彩の機能が突然機能しなくなり、結果、僕たちの世界を数字が浸食したように見えたわけだ。


 「落数予報」による次のピーク予測日には、前回とは比べものにならないくらいの大規模な太陽フレアが起こると予測されており、落ちてくる数字たちにどのような影響があるか分からない。そもそも、太陽フレアによる人類への影響も懸念されることなどを理由に、その日は、決して家から出てはいけないと国を通して事前警告がされている。


 しかし、スコア獲得を優先しようとする者たちは少なからずいた。彼らは事前警告を無視し、どうすれば他者よりも多くの数字を確保できるだろうかと思案を巡らせている。


 その多くは、落ちてくる数字を少しでも早く確保できるよう、ピーク予測日に標高の高い山に登ったり、民家でひしめき合う街中よりも開けた場所の方が多くの数字が浮遊するだろうと考え、広場やグラウンドにテントを張る計画を練っている者たちがいた。


 僕には、国の事前警告を無視する勇気はないので、当日は家で大人しくしている予定だ。だが、僕にだって欲はある。学歴社会ではなくなった今、自分の能力を上げることが快適に生きていくための近道なのだ。


 だから僕も、数字確保の算段はそれなりにつけている。


 当日は、窓を少しだけ開けておく。家に入ってきた数字は、タモで一網打尽だ。吸収しなければ、警告違反にはならないよな。

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