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入学式でもバレたくない。

 

 ――チート能力――


 そんなものがあるのならば、多くの人が手にするのを望むだろう。

 ――かっこいいから。――強そうだから。

 さまざまな理由でその能力は求められている。

 だが、その能力は本当に必要なのだろうか?

 その圧倒的すぎる力のせいで今後の人生が退屈になるとしても欲しいと思えるだろうか?

 経験者は語る……『やめておけ』と。


 入学式当日。

 入学式開始時間の7分前に起きた俺――如月悠也。

 一般人なら慌てる時間だと思うが、俺はそんなことはしない。ゆっくりと制服に着替えて準備するだけだ。

 なぜなら、俺は……チート能力を持っているからだ。

 俺の持つチート能力、それは超能力と似たような力だ。

 よって、チート能力を持つ俺は超能力者とほとんど同じと言っていいだろう。

 さすがにあのピンクの髪の彼には勝てないが……。

 俺には一般人と比べると「最強」と言っていいレベルの能力がいくつか使える。

 ――どんな能力が使えるのか?

 やろうと思えばだいたいできる。一部例外もあるが。

 俗に言う『百聞は一見にしかず』というやつだ。

 実際に"瞬間移動"で学校に移動する所を見てもらいたい。

 だが、ここで問題がある。

 それは、「どこに瞬間移動するか」だ。

 タイトル通りなんだが、このチート能力がみんなにバレるといけないからな。

 だから、バレないように人目の少ないところに瞬間移動したい。

 とりあえず移動先は高校のトイレにしよう。

 ……選ばれたのは、綾鷹ではなくトイレでした。


 ――ビュン――


 その瞬間、「家」から「高校のトイレ」へと一瞬で移動する。

  ――どうだ。これが瞬間移動だ。この能力があればピンクのドアなんか必要ない。

  ……それにしても広いトイレだ。

 ん? 足音が近づいてきている。どうやらここに人が来るようだ。だが、問題ない。

  高校のトイレをずっと見張ってるやつなんていないだろう。堂々と出ていっても別に怪しまれないはずだ。……いや、大問題だ。


 ――ビュン――


 俺は再び瞬間移動で家へと戻ってくる。

……危ないとことだった。

 何が起こったのか分からなかった人のために説明しよう。

 まず、「足音が近づいてきている」について。

 この足音の正体は女子生徒のものだ。

 そもそも、俺が瞬間移動した先が高校の女子トイレだったらしい。

 今考えてみれば小便器もなかった。

 どうりで広く感じたわけだ。

 気づくのがあと数秒遅ければ俺は入学式初日に女子トイレに侵入した変態"侵入生"として学校の有名人になっていただろう。……くだらない。


 入学式開始まであと3分ほどか。まだまだ余裕だ。気を取り直して、次の移動先を選ぼう。

 高校のトイレがダメなら高校のとなりの公園の多目的トイレが最適か。

 ……選ばれたのは、やはりトイレでした。


 ――ビュン――


 「家」から「多目的トイレ」へと一瞬で移動する。

 真っ暗なトイレだ。

 ――どうだ。これが瞬間移動だ。

 ていうかこのトイレ臭いな。……ま、いいか。

 とにかく、早くここからでよう。

 この扉――外側から鍵を閉められているのか?  全く開かないんだが。


 ――ビュン――


 嫌な予感がした俺は再び家へと戻ってきた。ただいま、我が家。

 ……念の為に説明しておこう。説明というよりこれはあくまでも俺の推測だが。

 扉の鍵が外側から閉められていた事から、

 "使われていないトイレ"

 異臭がしたことから、

 "掃除がされていない"

 ということが考えられる。

 掃除すらもされていない使われていないトイレ。

 使用禁止になったのではないか? ということだ。

 もしこの推測が正しいのならば、

 使用禁止になった"多目的トイレ"。

 何か事件でも起きたんじゃないか?

 多目的トイレで事件……"あれ"しかないということだ。この小説は全年齢対象だ。"あれ"については察してくれ。ま、可能性の話だが。

 

 こんなことをしているうちにとうとう入学式開始まであと1分10秒しかくなっている。

 ……さすがに笑えなくなってきたな。

 直接高校の体育館にでも瞬間移動するという考えが頭の中に瞬間移動してきたがそれをするとこの小説のタイトルからしてこの話は終わるだろうからやめておいた方がいいだろう。

 次で確実にこの"くだり"を終わらせたいところだ。

 次トイレにでも移動したら、おそらく著者が変なネタ入れてきて確実に間に合わなくなるだろう。

 だとすると、学校の近くの路地裏に瞬間移動してあとは走るべきだ。ここなら「ネタ」もないだろう。

 俗に言う『急がば回れ』というやつだ。

 確実に人がいないとはいいきれないがこの際仕方がない。

 

  ――ビュン――


 路地裏に一瞬で移動する。……どうやら人はいないようだ。今度こそ問題なく瞬間移動できたみたいだな。著者、お前の思い通りにはさせないぞ。

 瞬間移動さえしてしまえば、あとは高校まで走るだけだ。

 高校までの距離、およそ155メートル。残り時間約58秒。

 1秒あたり2.67メートルほど進めば間に合うだろう。

 能力を使って正確な距離と時間からペースを割り出す。

  そして俺は、少し余裕を持つために1秒2.7メートル進むという小走り程度の微妙な速度で高校へと向かうことにした。

 決してそのスピードをあげることなく、最後まで。そして、計算通りの時間に到着する。

 

 ――今まで、これほどの愚か者がいただろうか。

 "入学式開始時刻"に校門に到着する"という愚か者が。

 

 俺がそれに気づいたのは校門に到着してからから数秒後だった。つまり……間に合わなかったわけだ。

 クソ。著者の面白くないネタを回避することしか考えていなかった。だが、諦めるにはまだ早い。

 式はまだぎりぎり始まっていないという可能性がある。その可能性に賭けて今度は全力で走る。

 わずか1秒後、体育館の前に到着するが、すでに入学式は始まっていた。本当に意地悪な著者だ。間に合わせてくれればそれでハッピーエンドだったのに。

 今体育館に入っていけば間違いなく注目されるだろう。

 小さい頃から能力を隠すために目立つことを避けてきた俺は目立つこに慣れていないため、極力避けたいところだ。…………なにか手はないのか。

 

 ――ふっ、著者は完全に俺が詰んだと思っているだろう。だが、まだあまい。誰を敵に回しているのかわかってないようだな。

 

 俺は体育館の端の方にまだ空いている席にがあるのを確認して、入口付近で待機する。

 あとはその時が来る待つだけだ。

 俺は入学式の司会者の声を聞きながら5分ほど待つ。


「えーそれでは、次、えー校長先生のお話、えー校長先生、えーお願いします」

 司会者がそう言うと、校長先生と思われる人が舞台の上にあがって一礼をした。それに対して、生徒は当然返礼をする。

 ――やっとこの時が来たか。


 ――ビュン――


 俺はさっき確認しておいた端の方の空いている席に瞬間移動する。

 周りの人は返礼をしているから瞬間移動したところは見られていないはずだ。

 ――もし顔を上げた時に気づいて騒がれたらその時は力ずくで黙らせるまでだ。まあ、さすがに知り合いでもないから声をかけてきたりはしないだろうが。

 残念だったな著者。今回は俺の勝ちだ。

 まさに、完璧すぎる作戦に完璧すぎるタイミングだ。


 ………………

 30分前まではそう思っていた。

 だが、今まだ続いている「校長先生の話」を前にしては著者に負けを認めざるを得ないだろう。まさか、手のひらで踊らされていただけだったとは……。

 今回は俺の負けだが次はそうはいかない。著者が敵だとわかったからには全力でやらせてもらうぞ。


 

 ……ってゆうかこの話オチがないな。


 

 ――だが、彼はまだ知らない。

 これから先、地獄の高校生活が始まるということ。

 そして、その高校生活の中でたくさんの過酷な試練が待ち構えていることを。

 彼の高校生活は今始まったばかりだ。…つづく





  ……ナレーションみたいなの全部聞こえてるんだが? 勝手に終わらせようとするな。まあ、終わりなんだけどな。

 ん? とめたからにはなにかしろといいたいのか?

 ……仕方ないな。次回予告でもするか。名前も1回しか書かれなかったからちょうどいい。


 (次回予告)

 やめて! 著者の思惑通りに如月悠也のチート能力をみんなの前で使ってしまったらチート能力を隠している如月悠也の正体がバレてしまう! おねがい! 死なないで如月悠也! あんたが今ここで倒れたらこの物語はどうなっちゃうの? 書く物語はまだ残っている! ここを耐えれば物語は続けられるんだから!

  次回「如月悠也 死す」 デュ〇〇スタンバイ!

 

  (こんな話ではありません。)


 

 












はじめて書いたのでまだまだつまらないと思いますが、これからも頑張っていこうと思うのでアドバイスなどをお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 話がころころ変わりすぎて微妙。少し面白かったから今後に期待。
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