『親玉の倅』
『親玉の倅』
カッコいいパンクの
リズムに乗って
今日も歌うよ
慰めの歌を
子どもの好きな戦争の
道具を飾りにちりばめ
ありきたりな嫌な奴らの
あたりさわりのない所を
どっちつかずに歌うなら
信じられそうに思える
反権力と言いながら
親玉を今日は利してる
優しくなろうと言いながら
曲がった道を歩ませる
結局お前は俺を黙らせる
考えが浅くっても
前例を知らなくても
言いたい事があるんだ
うそぶいてるあいつらに
それはお前も同じ癖に
なぜいざとなったら
そんな目で俺を見るんだい
味方のふりをして
一緒に戦った事はないね
反権力と言いながら
親玉を今日は利してる
優しくなろうと言いながら
曲がった道を歩ませる
結局お前は俺を黙らせる
今回は、パンクスタイルの曲のための歌詞、というのを、書いてみました。
かなり辛辣な内容ですが、パンクは本来、社会に対するうっぷんを発散したり、体制や権力や、それらに組する人々への反抗心を表わす音楽であってほしいので、私も極力遠慮せず、率直な気持ちを書き綴りました。
私には常々、それらしいこと(反権力っぽい事)を言って支持を集める、ぬるいパンクに対する不満があるので、今回はそういう音楽に物申す形を取ってみました。
それだけでなく、普段、反権力を自認している人が、そのスタンスとは逆の、権力擁護の発言をしたりするのに接して、嫌だな、と思う事があるので、その気持ちも歌詞に込めてみました。
周りと同じ振る舞いや考え方を強要しようとする心理を、「同調圧力」というのだそうです。
これに抗するのは、かなり難しいようで、たいていの人が、利己心から、もしくは知らず知らずのうちに、立場の弱い人を非難し、強い者を利する行動をとっています。
パンクの祖とも言うべき存在の、セックス・ピストルズが、今でも最上のパンクバンドと讃えられるゆえんは、彼らが、大手レコード会社「EMI」や、「英国女王」までをも、名指しで批判する歌を歌ったからです。
私はさすがに、そこまではできませんが、同調圧力をはねのけて、大きな権力を持つ組織や人を批判する姿勢を、カッコいいと憧れます。