チータの千鳥足
とある工場の地下室。
ここは、ワインとチーズを生産していて地下室で熟成させている。
地下室には鼠『チータ』が住んでいた。
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(ゴロゴロゴロ)
「今年の葡萄は良いらしい、ワインも美味しいのが出来るかもな。」
樽を運んできた2人、『マイケルン』と『クライム』が話してるようだ。
「試飲してみたいな。」
マイケルが頷く。
「あぁ、でも試飲は工場長次第だからな。」
クライムが肩を落とす。
「熟成が楽しみだな。」
チータは別の樽から話を聞いていた。
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半年後、チータは樽の前に居た。
「染み出してるかな。」
樽の蓋が少し赤色になってワインが染み出していた。
「皆さんより先に頂いちゃうよ。」
チータは蓋の下で口を開けていると。
(ポタッ!ポタッ!)
口の中にワインが落ちてきた。
「旨い旨い!」
(ポタッ!ポタッ!)
チータは徐々に酔っぱらう。
「もっと落ちてこーい!」
チータが味わっていると、地下室に10人が降りてきた。
その中にはマイケルとクライムも居た。
「今日は、半年前に作ったワインの試飲をするぞ!」
工場長の言葉に皆が盛り上がる。
「今回の葡萄は出来が良かった、ワインの出来も良いはずだ。」
皆が拍手で更に盛り上がる。
「工場長、早く試飲しましょう!」
マイケルが工場長に催促する。
「お、おう、じゃあ今回の試飲の人数は…。」
工場長は手を前に出し。
「4人だ!」
(オーー!)
「1人目は、クライム!」
クライムは手を広げ。
「やったー!」
マイケルがクライムの背中を叩き。
「クライム、良かったな!」
クライムは頷く。
「2人目は、ナンシー!」
ナンシーは飛び上がって喜ぶ。
「3人目は、ジョナサン!」
ジョナサンは手をグッと握り。
「よし!」
皆が拍手する。
「最後は…。」
(俺を選んでくれ!)
マイケルは両手を握り目を瞑る。
「最後はー、マイケル!」
しかし、マイケルは呼ばれた事に気付かす、目を瞑ったままだ。
「マイケル!マイケルは休みか!?」
クライムはマイケルの肩を揺する。
「マイケル!居ないのか!」
マイケルは、ハッと気付き。
「はい!居ます、居ますよ!」
マイケルは慌てて手を上げる。
「居るなら返事をしろ、最後はお前だ。」
マイケルはキョトンとする。
「試飲するだろ?」
マイケルは何度も頷き。
「します、します、試飲します!」
クライム、ナンシー、ジョナサン、マイケルは前に並ぶと、樽から出されたワインが並べられる。
「さあ、飲んでみて感想を。」
4人がワインを飲む。
「軽い酸味が良い感じ。」
ジョナサンが答える。
「葡萄の香りと甘味が丁度良くて美味しいわ。」
ナンシーが答える。
「僕には苦味が物足りないかな。」
クライムが答える。
「コクがあって、本当に美味しいな。」
マイケルが答える。
すると、チータが樽から落ちたワインを飲んだ。
「去年より良いねー!ヒック!」
チータは何滴か飲み、千鳥足になりながら帰っていった。
「今年は良いのが出来たな!」
工場長は頷きながら上に行ってしまう。
「今年の売れ行きが楽しみになるな。」
マイケルの言葉に3人は頷いた。
§おしまい§




