第九話 Oh my God
というか魔法の他に魔術と魔導があることと、あの倒しまくっていたネズミの名前がラットということが判明。なんか色々情報あるから新しくスキルとか称号取得したら見てみよう。というか鑑定スキルとか無いのか? 動植物の名前が全くわからん。あったらぜひともゲットしたいところだ。何せ名前も不明だから毒のある植物の見分けがつかない。
人間とかいそうだし、強くなったら街に行ってみるのもありかもしれない。その為には情報だな。情報命。非常識人だと怪しまれる。しかも身元不明のダブルコンボで更に怪しい。そんなことにはなりたくない。俺の人生(?)の予定に牢屋行きはない。
グウゥゥーー
腹の虫が食い物寄越せと催促しているから果物でも食うか。
俺は家に溜めている果物を食べた。
これは家の周辺に生えていた木の果物で、なぜかフォルムは洋梨そっくりなのにブルーベリーの味がするのだ。美味しいから主食にしようか悩んでいる。眼が良くなりそう。
梨ベリー(俺がつけた)を三つ食べると、満腹になったので狩りを再開する。獲物はゴブリンだ。経験値美味しいからな。早く強くなりたい。
さてさて《気配感知》っと。
ん?集団発見。何だこれ。
俺は五百メートル先南東の方に八から十ぐらいの気配を発見した。こそこそしながら、様子を見に行くと、九体のゴブリンが武装していた。
弓を持った奴が二体、杖?みたいな物を持ったのが一体、剣を持った奴が三体、棍棒を持った奴が四体いる。なんか棍棒を持っている奴以外が強そう(気配が大きいから)で、多分進化した個体達の集団だと当たりをつけた。
よし、少し観察でもしてみるか。隊列は組んではいないようでみんな好き勝手に動いている。
おい、警戒しないのかよ。お前ら大丈夫か?まあこちらとしては好都合だが。ラッキー。
で、観察を続ける。ゴブリン達は俺が、前に倒していたラットの死体を見て騒がしくなった。あれを食べようとしているのか?しばらくするとゴブリン達は獲物を持って行かずにその場を去った。
ん?持って行かないのか?要らないからあげるのにな。もしかして腐ってるのか?それとも美味しく無いのを知っているのか?あれ生臭くて渋い味するからな。
しかし確認しても腐った様子は見受けられなかった。本当に何故だ。やはり味の問題?
何故か死体を持って行かなかったゴブリン達はそのままもと来た道を戻って行った。どこに行くのか気になったのでついて行くことにした。
〜二時間後〜
ゴブリン達は戻る時も好き勝手動き回っていた。そのせいで全く進まなかった。そしてようやく三キロメートル歩いたかと思えば、急に見かけるゴブリンの数が増えた。なんだなんだと思って見てみるとみんな同じ場所を目指しているようだった。
そして鬱蒼としげる森が急に開けた。
遠目に見てみると、そこは水辺に造られた、
ゴブリンの集落だった。
.....Oh my God......
中心に大きな気配がある。
きっとボスだろう。しかも強い。俺が何羽いても負ける。それにかなり賢いのだろう。集落がしっかり造られている。普通のゴブリンはハッキリ言ってしまえば、馬鹿だ。こんな集落造りなぞ出来ない。という事はあのボスかその直属の部下辺りが指示をしている、という事だろう。
早くここから逃げねば、命が危ない。すぐにでも見つかりそうだ。
そして俺はなんとかゴブリン達に見つからずに家へ帰って来た。