第七話 引越しをする。
しかしゴブリン一体だけでかなりレベル上がったな。
経験値ウマウマ。
よし、狩の対象をネズミからゴブリンに変えてみようか。
いや、まずはネズミを正面から倒そう。奇襲より難易度が上がる筈だ。後、純粋な戦闘経験がしたい。
完全隠密特化だと見つかった時に厄介だからな。
下手したら殺される。
そんな事にならない様にする。それが今の目標。自由に生きたい。もうベッドの住人なんて嫌だ。
と、いう訳で《気配感知》。
お、ネズミ発見。
【スキル 気配感知1 のレベルが1上がりました】
お、上がった。感知できる距離が十メートルぐらいになった。やったね。
普通に歩いて近づく。
気配及び音はダダ漏れ。
枯れ葉を踏む音が若干煩い。
そしてとうとうネズミの前に出た。
そいつは俺を見た瞬間、俺に襲いかかってきた。
先手必勝。
でもそうはさせない。
咄嗟に回避した俺は上空に飛び出した。
一気に真上十メートルに飛ぶ。
一気に真上に飛んだ為、
ネズミは俺を見失ったようだ。
よし。
そうしたら《嘴術》を発動して
ネズミにめがけ、
一気に落下する。
ブッッシャァァァァ
ギァァァァァァァァァァァァァッ!!!
その小さな身体からは考えられない大きな断末魔を残し、ネズミは死んだ。
とうとうネズミだけでレベルが上がらなくなったな。
しかもこのネズミ、死んだ時にでかい声出したから獲物を求めて強いモンスターが寄って来そうだな。
はあ、引っ越ししないといけない。
条件が良い物件見つけ辛いのに。
今度から静かに倒そう。
さてと速やかに移動しなければ。
元々、持ち物は皆無だし、食糧となりうるネズミはお荷物になるから悲しいけど放置。
でもある意味良かったと言える。
進化して若干味も解るようになったのだが、血抜きしないとアレは食えたもんじゃない。
やっぱり文化的な食事に慣れてから食べるとね、食事って呼べない。アレは。
前は美味しい美味しい言ってたけど、嘘です、全く美味しく無いです。不味い。ほんと不味い。完全に味覚戻ってなくて良かった。戻ってたら本当にアウトだった。
取り敢えずこの食事事情を何とかしなければ。それに出来るだけ生の状態では無く火を通してから食べたい。どうにかして火魔法とかを取得しなければ。当分は果物ばかり食べる生活になりそうだ。ああ、そのうち草食になりそうな気がしてきた。本当に大丈夫かなこれ。リトルレッサーシュライクは果物も食べるらしいから良いのか?
〜一時間後〜
多分、南に四キロメートル程来ました。
ここの辺りなら大丈夫でしょう。さっきのんびりとモフモフのウサギが草食べてたし。よし、ここら辺で物件を探そう。
〜三十分後〜
ここ良さそうだけれど蛇の抜け殻が有るから却下。近くに蛇がいるかもしれない。
お!ここ良さそうじゃん。
暫くして俺は、恐らく誰も使っていないであろう俺が入れるぐらいの小さな木の虚を見つけた。しかも上から生えている枝や葉が入り口を隠している状態なので被捕食者の俺にとっては最高の物件なのだ。しかも近くに小川がある。俺の為にあるような物件だ。ここが俺の寝床だ。決定。
さて家周辺の治安維持の為ネズミ狩りとしますか。
行ってきまーす。