第十四話 ジビエ。
よししっかり仕留められたな。よし血抜きしよう。
そうなのだ。血抜きをするのだ。俺は予め見つけておいた、そこそこ太い枝が二股に裂けた木に早急に持っていった。
そしてそこに仕留めたウサギの脚を挟んでぶら下げる。
数分後
血抜きとか内臓だすのは出来たけど、皮は剥げませんでした。はい。手が欲しい。サンタさん俺に手をくれ。良い子にするから。多分。血濡れだけど。
さて、これを炙って食べたいところだが、肝心の火がないので仕方なく生で頂く。
パクリ。
ふむふむ、ほうほう。
おお。
ごっくん。
イける。食えるわ。
この日、俺は今生で初めて、まともに食える肉を見つけた。
干し肉にして保存しよう。
さて、満足のいく食事が出来て、腹が膨れた俺は、久し振りにスキル開発を始めた。
さて、今日スキルを開発するにあたって、重要なのは《再生》だ。今まで全然使っていなかったスキルだ。前の進化の時に取得したスキルだが、忘れていたら八話を見てくれ。
そして使うスキルは多分、《身体操作》《飛行》《身体変化 硬》《身体変化 鋭》《再生》。この辺りだと思う。勘が鋭い方はもうお気づきかも知れないが、少し待っていてくれ。
的は木だ。
先ずは高さ五メートル付近で飛ぶ。
それで次。
翼の羽根に《身体変化 硬》と《身体変化 鋭》をかける。
そして一気に的へと投擲する。
以上。抜けた羽根は再生するから、翼がいつのまにか美味しそうな手羽になっていたなんて事もない。重要だろ?手羽になったら普通に空から、ボトンって落下するし。また骨折とか打撲はしたくないからな。
非常にシンプルだが、これが結構難しい。なんせ投擲する時ホバリングしないといけないからな。ホバリングは飛行の高等技術だ。今の俺は、正直言ってスキルのレベルが足りなくて投擲している間は落下している状態だ。
身体操作で補正をかけてなんとかってところだ。
さらにこれを実践に組み込むとなれば尚更だ。
あと疲れる。
《スキル ウイングスロー1 を取得しました》
《スキル 飛行2 のレベルが1上がりました》
飛行のレベルが上がったか。《ウイングスロー》を使いこなすための第一歩だな。
日没まで時間もあるし練習するか。
この後三時間練習して《ウイングスロー》のレベルが二つ、《飛行》のレベルが一つ上がった。