第一話 転生したらしい。
生まれた時から先天性の疾患を患っていた俺は生涯、病院の外に出ることなくその命を終えた。
神鳥 翼空 享年24歳。
まだまだこれから先、見たい物が沢山あった。
好きなものは、ファンタジーのライトノベル。
とにかく好きで、もっと読みたかった・・・
12歳の時にライトノベルと出会い、寝る間も惜しんで読んだ。
とにかく新鮮だった。
退屈な病院生活が楽しかった。
そう、モノクロの世界がカラーになったように。
きっと俺は、ライトノベルの主人公のように外に出て冒険がしたかったのだろう。
だが、しかしそれは叶わなかった。
本を読んで過ごしていたため、いろいろな分野の知識は沢山あった。
・・・使うこともなく死ぬのは少し惜しい。
薄れゆく意識の中、
もし輪廻転生があるとしたら、来世は健康でありたい。
ただ、そう思っていた。
バキィッッ!
どの位、時間が経ったのだろう、
暗闇の中、俺は激痛で飛び起きた。
日々の闘病のせいで痛みにある程度耐性があったのに激痛を感じたのだ。何故だ。
【耐性スキル 落下耐性1 を取得しました】
【耐性スキル 痛覚耐性1 を取得しました】
【スキルを自主取得したため、ステータス閲覧が許可されました】
ほう、俺は落下したのか。ならあの痛みは当然か。
というかこのアナウンス何だ?聞いた事無い。ステータス?そんなものがあるのか?
しかも俺、死んだのに生きてる気がする。感覚が人間のそれではないが。・・・輪廻転生はあったのか。
取り敢えず身体を動かすことにした。幸い身体は動くようだ。少し動くとパキパキッと、鶏卵の殻が割れるような音がした。鳥に転生したのか?なら、ペンギンだとかじゃない限り、多分飛べる。嬉しい。
暫く卵の殻と格闘すること約5分、目に光が差し込み、ようやく外に出られた。
其処は、森だった。
木々が鬱蒼と生い茂り木漏れ日が差し込む、そんな森だった。
とりあえず現状把握として、先ほど聞いた、ステータスなるものを見てみようと思う。
【ステータスを確認しますか】
yes。すると半透明の板が出てきた。
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個体名 なし
種族 ベビーリトルレッサーシュライク亜種変異種 天魔種
性別 男
状態 打撲(中)
レベル 0/5
生命力 3/9
魔力量 15/15
魔力質 12
精神力 34
知力 78
器用 7
速度 6
筋力 6
体力 7
スキル
飛行1
魔力感知1
突っ突き1
身体操作1
気配感知1
変声1
ユニークスキル
天魔の進化論
耐性スキル
落下耐性1(新規)
痛覚耐性1(新規)
属性
無
称号
異世界転生者
托卵の犠牲者
唯一無二のモンスター
知能高きモンスター
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なるほど。ここ異世界なのね。ということは魔法も使えるね。しかも自分はモズのモンスターと。
主人公適応能力高い人です。