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我らのペット!

腹切くん――某動物園で絶賛展示中!

~29~


 午後もまだまだ動物園で絶賛展示されている腹切くんに、総督がやってきて――

「さ、腹切くん!こちらの“御姫様”の“馬”になるんだ!」と命令を下す!

 実際に総督かれの傍に今――総督の母国と縁が深い国のかわいい“御姫様”がいる。

 それも、見た目が小学生低学年あたりの――幼い御姫様プリンセスである。

 しかし、お忍びの為だろうか。御姫様の服は中流層が買うような服装ものだ。


 総督かれの命令を受けて、腹切くんは四つん這いになったまま――

「さ……どうぞ~!」と先の御姫様に自分の背に乗るように促す。

「ではお言葉に甘えて!」と御姫様かのじょは腹切くんの背に乗っていく……。


 そして御姫様かのじょが腹切くんの背に乗った状態になった時――

「重――」と腹切くんがつい癖でいいそうになる……。すごく軽い姫様なのに……。


 女性と接したことがない故に、女性に対してすごく失礼な発言をしそうな腹切くんに、御姫様が「スチャッ!」といつの間にか取り出した拳銃の銃口を腹切くんの頭に――!

 その時の御姫様の表情は、少女とは思えないほど大人びて冷たい表情もの

 そんな自身の身に、今まさに降りかかっていることを察した腹切くんは――

「――たくないです!重たくないです!全然軽い!全然軽い!」と必死に発言!

 そんな激しく動揺して半分泣きながらも――笑顔を無理やり作っている腹切くんに――

「さすが我々が見込んだ傀儡ペット!利口だな!」と総督は評価を下した。



~30~


 同じく動物園内でゴリラの着ぐるみを被って仕事中の某男性芸人。

 本日は人間がゴリラの着ぐるみを着てもばれないかどうかの実験おしごとだが……。

「おかしいな~?全然お客さんが来んわ~」と目の前の閑散ぶりに頭を抱える……。


「先輩どうしましょ……。これじゃ番組になりませんよ……」と某男性芸人かれがいる隣の檻から聞こえる女性の声。彼の某後輩女性芸人の声だ。

 某後輩女性芸人かのじょもパンダの着ぐるみを着てばれないかどうかの実験中。

 そんな某後輩女性芸人かのじょに、某男性芸人せんぱいは弱弱しく――

「どうしようもないやろ……。ドキュメンタリーやから……」と返答するのみ……。

 遠くで隠れて芸人達ふたりを撮影している番組スタッフも焦っている……。


 その場の番組関係者だれもが今収録の“お蔵入り”を恐れた時――

「あっ……誰か来ました!」と某後輩女性芸人かのじょがお客さんを気配を察した!

 この声に応じて某男性芸人せんぱいはドラミングして――

「よっしゃ……!真のゴリラを見せたるわぁ!」と気合を入れるが……。


 芸人達ふたりの目の前に現れたのは、御姫様を四つん這いで乗せている腹切くん!

 しかも腹切かれは総督のお供が引く台車に乗せられて移動している……。

 そんな腹切かれの周りには老若男女問わずの人だかりができているではないか!

 それも腹切かれと一緒に移動してくれるほどの……。

 そんな人だかりの中で、ある若い女性は見た目だけかわいい腹切くんらの写真を撮り、ある男性は動画サイトでの再生回数稼ぎのために撮影している。

 お客さんは誰も某男性芸人ゴリラ某後輩女性芸人パンダに目をくれない……。

 それらを見た某後輩女性芸人パンダは「何あれ……?」と仁王立ちのまま思考停止。

 某男性芸人ゴリラも仁王立ちして「嘘やん……」と絶望。

 結局、本日の収録はお蔵入りとなった……。関係者達みなの暗い思い出となって……。



~31~


 続いては動物園内の“ふれあいコーナー”!。

 今日も数多の子供たちが動物達と「キャッキャッ」とたわむれている!


地球人みなの者!我々が期間限定の『特別ふれあいコーナー』を開設してやったぞ!

 大いに期待して集まるがよい!これを逃すと一生の思い出ができんぞ!」と子供達に高らかに宣言する御姫様!先ほどまで腹切くんに馬乗りしていた姫である。

 これを聞いた子供達は「わ~っ‼何だろう~⁉」と期待して御姫様に着いていくが……。


「じゃ~ん!我らのかわいいかわいい――傀儡ペットじゃ~っ!」と今も四つん這いになっている腹切くんを、子供達に高らかに自慢する御姫様!

 子供達は「う……日本うち皇帝へいかじゃん……!」とドン引き……。


「さぁ、地球人みなの者!腹切へいかに“餌”を与えようぞ!」と子供達に呼びかける御姫様の片手にはスティック状にスライスされたきゅうりが……。

 そして、そのきゅうりを腹切くんは……四つん這いのままで食していく……。

 こうして子供達は自分達の立場を知った瞬間を――思い出として記憶していく……。

次回予告:腹切くん世界へ⁉

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