東京都内視察
いざ――暴政!
~13~
皇帝に即位してから数日後――腹切くんは護衛達と共に東京都内を散歩している。
それも……民衆からの「この偽皇帝!」とか「この売国奴!」とか罵声を浴びながら……。
「よろしいのですか……?」という護衛の言葉にも、腹切くんは「捨て置け」とのみ。
どうやらまだ腹切くんは、自身を正当な皇帝だと認めていないようだ……。
そんな腹切くんに「この××野郎!」という最大の禁句をぶつけた男が一人……。
「陛下……あれは流石に……」という護衛の言葉にも、腹切くんは「捨て置け」とのみ。
その最中、先の禁句を発した男が「あれ……体が……」と自身の体に違和感を感じている。
「――そいつはもう……死んでいる……」と腹切くんが言った瞬間――
「アベベ死死ッ死!」と先の禁句を発した男の断末魔の叫びが聞こえてきた。
すると「パアアアアアァンッ‼」という破裂音が聞こえてきたではないか。
腹切くんの特殊能力が件の男の命と魂を……木端微塵に消し去った瞬間であった……。
~14~
拡声器を使って「帝政反対!」とか「腹切は日本の恥さらし!」とか――
「今こそ君主政を退け、民主共和政を打ち立てよう!」と演説中の某党の一集団。
既に宇宙人達によって国会は廃止され、少なくない数の政党が非合法化。
その一集団は逮捕されるを覚悟で、結果が出ない演説を実行中。
「過去の過ちを繰り返さんとしている腹切は直ちに己を悔い改め、日本と世界に謝罪――」と一集団の内の一人が演説をしている最中、彼らは腹切くんの目に留まり……。
腹切の目に留まってから僅か一分後、先の集団は――真っ赤な肉塊と化した。
集団の魂に至っては、あの世に逃げる前に、この世で消滅していた……。
「目障り!」とそれらの肉塊を吐き捨てる腹切くんの手には自動小銃が……。
腹切の護衛達は戦々恐々と、腹切を見てるだけ……。
そんな腹切くんが東京都内の視察という名目の散歩を続けていると――
「宇宙人達の傀儡である偽皇帝を許すなーっ!」という拡声器越しの声が……。
声の方向を見ると、先に肉塊になった集団とは真反対の思想の集団が……。
ちなみに集団は同じ思想を持った集団の中でも非合法化された集団……。
「国賊が再興した帝国なぞ――偽りに過ぎないっ!」とか――
「今こそ我らが民族の為に立ち上がるのだあああっ!帝国バンザ――」と演説中に……。
それから僅か一分後には、先の集団の全員が腹切くんが放った凶弾に倒れた。
当の腹切くんは銃を片手に、天へと昇っていく集団の魂を見つめて――
「故国に五月蠅い!天に帰れ!」と吐き捨てるのみ!
無論、腹切の護衛達は戦々恐々と、腹切を見てるだけ……。
~15~
「小鬼帝!」と害××人、「新日公!」と馬××人のコンビが腹切くんに×指を立てている。
そんな二人が「この××!」と腹切くんへ最大の禁句を送ったその瞬間……。
それから僅か一分後……先の二人の首は自身の胴体の上ではなく、晒し台の上に……。
「日本で死ね!」と血塗られた日本刀を片手にした腹切くんが、それらの首を吐き捨てる!
ちなみに二人の胴体は、腹切くんの“術”で召喚された――生ごみ用の木棺の中……。
そんな腹切くんに、一人のモンゴル人男性が「この××がっ!」と腹切に最大の禁句をぶつけながら、×指を突き立てて来た!
それから僅か十分後……「うっ……ううっ……!もう日本終わた……」と泣いている腹切くんが……。それも白装束に早着替えした後に、“切腹”を実行しようとしている……。
そんな腹切くんを、「お止めください、陛下!」護衛らが必死に止めている……!
その光景を先のモンゴル人男性が「おお……これが“ハラキリ”……」と呟き――呆然……。
~16~
一方、地球内では軍隊の解体及び再編が行われていた。
共和国の軍隊は軒並み解体。君主国の軍隊は形骸化。
降伏を良しとせず、ゲリラやパルチザンと化した残党などは皆殺し(男のみ)に……。
そして、宇宙人達は自らに都合の良い軍隊の創設に頭を悩ませる羽目に……。
次回予告:宇宙人達はお城が好き。




