表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
邪神皇帝腹切くん!  作者: 希紫狼
孫娘と神祇の章
34/34

裏ピースとフェイクニュース

大変、お待たせしました。

突然ですが、新モブキャラ出ます。

~105~


 裏ピース。手の甲を相手側に向けるピースサイン。

 イギリスやオーストラリアでは、×指を立てる行為に相当する。つまり喧嘩を売る行為。


 イギリスに在る某収容所内のある牢屋では――虜囚の身となった二人の男性将校らが、牢屋を通っていく職員に向かって挑発行為を繰り返していた。裏ピースで!

 それも「くたばれ、おらぁ!」とサインの意味をそのまま口に出して……。


 二人の内、一人はクリストファー・マイヤーズというイギリス海軍の少佐。

 もう一人はケネス・グレイというオーストラリア海軍の少佐。



 そんな二人を面白く思った宇宙人側の従軍記者が、その二人に――

「おーい。自分側こっちにも裏ピース頂戴! 笑顔でね!」とお願い。


 二人はこのお願いを即時に快諾! にっこりと笑って、その記者に裏ピース!

 ――見世物上等、宇宙人達おまえらなんて恐くない! という意味を込めて……。



 それから翌朝、テレビ視聴を許されていた将校二人は、いつものように朝食の際にテレビを見ていた。少しでも脱出の機会に関係する情報を得られないかと思ってだ。


「おい、ケネス。宇宙のある星じゃぁ、裏ピースは忠誠や臣従を意味するらしいぞ」というマイヤーズの問いかけに、グレイは「そうらしいな」と応えるだけ。

 ――今日も他愛のない話をして朝が過ぎていく。そう思った二人の目の前に……。



「本日も、我が国に加わった新たな同志達を紹介します。先ずはこちらの二人から。

 一人はイギリス海軍のクリストファー・マイヤーズ少佐。

 もう一人はオーストラリア海軍のケネス・グレイ少佐です。

 この写真の通り、彼らは自身の二本指を捧げて我が国への忠誠を示しています。

 ですが前王朝に対する敬意から、彼らは年が改まるまでは収容所にいるそうです――」

 宇宙人側の報道担当者の口から発せられる内容フェイクニュースに、二人は時間を止められてしまったかの如く固まった。今、彼らの口からは味が吹き飛んでいる……。



~106~


 とんでもない内容フェイクニュースを見せつけられたマイヤーズとグレイ。

 その日の労働や自由時間において――別の牢屋内に収容されている者は、話題ニュースになった二人を見ると、何とも言えぬ厳しい視線でじっと睨みつけてきた。

 そんな視線を受けた二人は、「これは宇宙人わなの罠だ!」と弁明していった。

 しかし、弁明を受けた側全員の視線を変えるには至らなかった……。



 そんな翌朝に、マイヤーズは自身の牢屋を通り過ぎるに向かって――

「昨日の朝はとんでもねえ謀略サプライズをしてくれたな!」と吠えた!

 これにグレイも勢いよく裏ピースして――

「でも残念だな! あんな捏造ものじゃ、味方みんなは騙せねえよ!」と続く。


 これらを受けた職員は「俺に言われても……」と困って果てている。



「だったら、収容所ここ味方みんなに片っ端から訊いてみろ!」と諦めないマイヤーズの気迫に、職員は押されながらも「嫌だよ。めんどくさい!」と抵抗。

 そして職員かれは「そもそも二人あんたらを覗いて収容者全員みんな自国うちに付いて収容ここ出ちゃったし!」と答えた。


 これにグレイは「嘘つけ! そんな謀略ものに騙されるか!」とキレて、テレビのスイッチをオンにした。――もう職員こいつと喋りたくないと思って……。



 そういてスイッチがオンになったテレビからは――

「本日も、我が国に加わった新たな同志達を紹介します。

 昨日のクリストファー・マイヤーズ少佐らがいる収容所から、お二人を除いた全員です。彼らは昨日中に新王朝に臣従の意を表しました。既に全員は該当の収容所から――」


 この真実ニュースを見たマイヤーズは、職員に向かって――

「今日も謀略サプライズか! そうだろ?」と強がった。

 グレイも同じく「金に糸目をつけないところは褒めてやるよ!」

 そんな二人に職員は「あんたら目が泳いでるけど……」と告げた……。

次回予定:真実は常に残酷――かもしれない……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ