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邪神皇帝腹切くん!  作者: 希紫狼
孫娘と神祇の章
28/34

アンパン収容所

お待たせしました。


今回と次回に渡って、ある絶望に立ち向かったモブのお話です。

~89~


 今回も地球マルケルデで高評価中の風刺四コマ漫画を文章で紹介。

 一コマ目。

 昔、「文明」と名付けられた学級クラスを担任していたアメリカ(擬人化)。

 当時、この学級クラスには、自身の各地域や各保護国(全員擬人化)が所属。



 二コマ目。

 時を経て、このクラスには日本(擬人化)を筆頭とする各国(全員擬人化)が加わった。



 三コマ目。

 そして最近、宇宙人達によって担当していた学級クラスを取り上げられたアメリカ。



 四コマ目。

 結果、アメリカは「真の文明」と名付けられた学級クラスに所属。

 今にも死にそうな老け顔で、担任の宇宙人から「君主制」についての授業を受けている。

 そんなアメリカを、“優等生”の日本が嬉々として――

「少ししたら僕達のようにここにいることが楽しくなるよ」と語りかけている……。



~90~


 今回は、宇宙人達に捕らえられた某国の一将兵の日記から、その内容の一部をご紹介。


 この収容所に捕らえられて一日目。現状整理と記録の為に日記をつけることにした。

 書くことと言えば、今日の朝昼晩の三食全て「アンパン(Anpan)」だったこと。



「他の食品ものが食べたい」と不満を言ったら、

自軍うちも苦しい中、頑張ってるんだよ。食べられるだけありがたいと思え!

 明日の朝食あさだけは別の食品ものが出るからよ!」と怒鳴り返された。



 やはり、どの敵にも苦しい事情があるらしい。ならば、そこに希望がある。

 とはいえ、どんなに東洋的オリエンタルな美味でも毎食「アンパン」はきつい。

 例え、糖尿病の危険リスクが全くない特製激安「アンパン」でもだ。

 例え、一日の栄養を手軽に補える特製激安ジュースが付いていてもだ。



 この収容所に捕らえられて二日目。

 今日の朝食は「白アンパン」。「別」って、そういうことじゃないはずだが……。

 それに昨日は、「明日の朝食あさだけ――」と言っていたような……。



 ~91~


 今回も、宇宙人達に捕らえられた某国の一将兵の日記から、その内容の一部をご紹介。


 この収容所に捕らえられて七日目。今日の朝食あさも「アンパン」。

 ここにきて宇宙人達かれらはこれ見よがしに、俺の檻の前で食事してきた。

 もうバレていると思って書くが、きっと俺だけが知っている軍事機密が宇宙人達かれらの狙いに違いない。今までのことは拷問だったのだろうが、俺は屈しない。諦めない。



 この収容所に捕らえられて八日目。

「あ~あ。今日は即席インスタントか~」と不満げにカップ麺を食べている奴を見た。

 俺は当然、「アンパン」を片手に――ありがたいと思え! と思った。



 この収容所に捕らえられて九日目。

「あ~あ。今日は鶏肉だ~」と不満げにフライドチキンを食べている奴を見た。

 俺は当然、「アンパン」を片手に――ありがたいと思え! と思った。



 そこへ奴の仲間が一羽の鶏を抱えてやって来て――

「そんなことを言うな。こいつがかわいそうだ」とたしなめた。

 その鶏は胸のあたりだけがげっそりと痩せているが、元気よく首を動かしている。

 詳細は不明だが、どうやら宇宙人達かれらの畜産技術は想像以上に高度らしい。

「ごめんな~」と鶏に謝る奴を見て、俺はこう思った。――勝てるはずがない……。

次回予定:即更新の為、省略。

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