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邪神皇帝腹切くん!  作者: 希紫狼
孫娘と神祇の章
27/34

高等弁務官事務所とワルシャワ ※風刺画紹介コーナー付

お待たせしました。


今回は前回の続きからです。

~87~


 地球マルケルデに赴任してきた、大国の高等弁務官(大使)――ゴンベルク。

 彼が日本ここに降り立った直後にして、その最初のお仕事は……。

 在マルケルデ大国高等弁務官事務所――すなわち“在外公館”を確保することであった。

 現在、彼は車中の人となって東京都内を移動している。


 そこへホーランがこんな話をいてきた。

「兄弟。もう高等弁務官事務所ハイ・コミッションの施設は決まったのか?」



「ああ。旧アメリカの在日大使館を頂くことになった」

 このゴンベルクの返事に「ははっ!」と笑って――

「戦後の日本の“総督府”か。いい施設やつを選んだな、兄弟!」



「結局、日本ここは何に襲われても、何一つ変われなかったということだ……」

 このゴンベルクの呟きを聴いたホーランが「変わってほしかったのか?」と訊くが……。



「まさか。終戦あのじてんでもう日本あれは終わってんだ。

 期待するだけ無駄だ。下手に手を加えれば――大損。

 それに出身国したいに鞭打って再興そせいなぞ――失礼な話だろ?」


 このゴンベルクの出身国くにへの失望と虚無感が混じった発言に、

「はははっ! 違いねえ!」とホーランは大笑いした。

 だが、のぎょろりとした目は少しも笑っていなかった……。

 彼もまた、出身国くにへの失望と虚無感を抱いている者の一人……。



~88~


 一方、欧州ヨーロッパのポーランドの首都――ワルシャワ。

 既に同国は宇宙人達によって王政復古され、腹切くんの戴冠式も全力で準備中

 そんな同国の首都では、今も宇宙人達に対する抵抗レジスタンス運動が展開中。


 侵攻時はなから軍は壊滅状態に陥ったとはいえ、官民一体となった抵抗勢力かれら

 の士気は高く、その闘争はかっての大戦期以上に熾烈を極めていたと伝えられている……。


 無論、歴史の研究結果から抵抗勢力かれらの激しい抵抗を予想していた宇宙人達も、現地協力者や臣民候補者らを動員する等、可能な限り使える手段や物資を総動員済み。

 当然、邪恨じゃこん砲の使用許可も下っている。


 そうして壊滅寸前の抵抗勢力かれらが宇宙人達に与えた損害は――零。

 このような理不尽チートな敵に圧倒されながらも、抵抗勢力かれらは屈することはなく、その士気は刀折れ矢尽きる――その瞬間まで高く維持されていた……。



 ワルシャワ 某所


 そんな所ではある将校Aが「皆、走れ!」と数人の部下達と共に駆け抜けていた。

 部下達の内の一人が「隊長、我々はどこに――」と口を開いた――その時。



 ――カブーン!! と彼らの側面に在る壁が爆発した!

 宇宙人達からの砲撃を――もろに受けてしまったようだ……。



 その部隊が全員が倒れ、即死したと思いきや、将校Aがむくっと起き上がって――

「すまない、皆……。もう行かないと……」と腹を抑えながら匍匐前進。

 そして「トイレに……」と目的地を口にした……。

 偶然にも爆発の直前に、腹部に痛みが走り、体を低くしたことで将校Aは助かった。

 これぞ――奇跡。これぞ――人体の神秘。これぞ――この世の非情。



~風刺画紹介コーナー~ 

地球マルケルデで高評価中の風刺画を文章で紹介。

※諸事情により我々の世界には伝えられないので、ご想像の世界でご覧ください。

・アメリカの今と昔

…昔、多数の生徒達(各該当国の擬人化)に文明について講義していたアメリカ(擬人化)。

 今、多数の生徒達(世界各国の擬人化)に真の文明について講義している宇宙人。

 アメリカもかっての自身の生徒達に混じって、泣きながらその講義を受けている……。

次回予定:風刺画四コマ。

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