表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
邪神皇帝腹切くん!  作者: 希紫狼
孫娘と神祇の章
25/34

鼠たちの追撃 ※風刺画紹介コーナー付

お待たせしました。


またもネズミ回なので、苦手な方は注意して読んでください。

~81~


 引き続き、ウラジオストクに収容所ラーゲリ

「とにかく、別にしろ!!」と抗議する檻の中の元遊撃隊(パルチザン)の女性一同。

 彼女達は未だに檻の中に男女混合で放り込まれる天命を受け入れることができない。

 中には「こいつらがどうなっても知らねえぞ!!」と同檻の男性達を殴る者もいた。

 そんな殴られている彼らを不憫に思った、担当の将校Aは、彼女達に向かって――

「分かったから、怒らずに待ってろ。しわ胼胝たこが増えるぞ!」


 それから数分後に、「何ちゅかー?」とやってきた別の将校Bは……。

 ネズミがそのまま大きくなった将校がこの部屋にやって来たではないか。

 彼は語尾の前に「ちゅ」と発言する部族の出身のようだ……。


 そんな将校Bに将校Aが「お前んとこの棟、空いてる?」といてみると――

「予備の檻なら、いくつか空いてるっちゅよ!」


 この将校Bの答えに、真っ青になった檻の中の女性達は必死の形相で――

「やっぱりいいです!! やっぱりいいです!! やっぱりいいです!!」と将校達に頼み込んだ。



~82~


 ウラジオストクに収容所ラーゲリ内の取調室。

「何もかないね。これ以上、非協力的な態度取ったら分かってるの?」

 元遊撃隊(パルチザン)の女性に話しかける将校C。

 彼女は遊撃隊パルチザンに協力してくれた組織や人々の一覧表リストの在りかを知っている。遊撃隊パルチザンを再起不能にするには必要な情報だが……。

 当の彼女は「好きにしろよ! どうせ何も吐きゃしないよ!」と全力で抵抗中。


 彼女の抵抗を受けた将校Cは「じゃぁ、好きにさせてもらう」と言って――

「俺。ちょっと取調室まで来てくれない?」と外部の味方と通信して応援を求めた。


 そして数分後に取調室に来た味方は……鼠型宇宙人の将校B。

 そんな彼に将校Cが女性を指して「好きにしていいよ」と将校Bに促した。

 しかし、状況が理解できない将校はB「好きにしろって言っても困るちゅよー」と困惑。


 一方、女性は先程の態度を一変させて、涙目になりながら――

「身も心も魂も情報も全て捧げますんで、どうか鼠だけは……」と将校Cに降伏。

 これを受けた将校Cは「どんだけ鼠嫌いなんだよ」と呆れ、将校Bに至っては――

「何か、切ないちゅよー」と乾いた感想を述べるだけであった……。



~83~


 ウラジオストクに在る某酒場(バー)。そこに沿海プリモルスキー地方に残った最後の遊撃隊パルチザンを捕らえた旅団の首脳部が訪れていた。

 当然、その店外では護衛の部隊が展開している……。


 そして店内では飲酒中の旅団長に向かって、旅団の参謀長が――

何故なにゆえに閣下は、あの部隊(仮称:鼠大隊)に突入命令を?」


「実は帝国(ロシア帝国)内の他の方面から、『彼ら(鼠型宇宙人)を見た女性部隊は発狂して、残弾の量を気にすることなく戦う』っていう話を聞いていたんだ。

 そこで例の部隊(仮称:鼠大隊)を突入させて、あの遊撃隊パルチザンの物資切れを狙ったんだけど……。まさか戦うことなく降伏するとはね……」

 この旅団長の答えに、参謀長は以下の事実を思い出した。

「そういえば、帝国内で戦うことなく降伏したのはあの遊撃隊パルチザンだけでしたね」


「言い忘れてたけど、上層部うえも『彼らが不憫だから』って、このことに緘口かんこう令を敷いてるから。発表される日まで、このことは黙ってるんだよ、皆!」

 この旅団長の命令に、参謀長を含めた旅団の首脳部全員が「承知しました!」と応じる。

 これに先の旅団長の命令を聞いていたこの酒場バーの店主(ロシア人)も、平然を装いながらも――俺も黙ってよ……。と心中に固く決め込んでいた……。



~風刺画紹介コーナー~ 

 ※地球マルケルデで高評価中の風刺画を文章で紹介。

 ※諸事情により我々の世界には伝えられないので、ご想像の世界でご覧ください。

・再興された大日本帝国について

…宇宙人達が運んでいる山車だし。山車の名前は「大日本帝国」。

 その山車の頂に乗っているのは、今上皇帝の腹切はらきりくん。

 そんな山車の一団は、肉塊が混じった血塗られた道を気にすることなく進んでいく……。

次回予定:宇宙は広く、一枚岩ではない……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ