帝王と髑髏
お待たせしました
また、大変お待たせて面目ありません……。
~74~
その頃、日本ではある占領軍の将校Aが、ある芸能人を発見して――
「あっ! 百獣の帝王だ!」と燥いでいた。
そこへ非番の将校Bが自身の愛玩動物の巨大烏賊を連れて――
「なら、こいつと戦わせてみようぜ。今なら身分の関係上、大問題にはならない!」
これに同じく非番の将校Cが「絶対、無理だろ!」とツッコんで――
「なっ、帝王!」と当の帝王に話しかけるが……。
「ハードだけど、勝つよ! 俺!」と自信満々に答えてみせる帝王!
彼のこの返答に将校達からはこのような大歓声が上がる!
「「「勝っちょいいいっ!! 流石、帝王!!」」」
結果――全治二か月弱の重傷を負いながらも、僅差で帝王が勝利。
~75~
巨大烏賊(生存)に勝利しながらも、その代償として担架上の人となる帝王。
そんな彼が救急隊員らによって救急車に運ばれている最中――
「何!? 賭けになってなかっただああああっ!?」と現場に響く将校Aの驚声。
「何か全員、帝王の勝利に賭けてて……」と同じく将校Bの弁明。
いつの間にか先の死闘を出しにして、賭けを催していた将校達。ちなみに合法の部類。
「何かごめんよ、帝王!!」と担架上の帝王に謝罪する将校A。
将校Bも「治療費とかその他諸々も、俺達で負担するから!」と続く。
同じく将校Cも「さっきの雄姿――ネット上に拡散するから!」
そして当の帝王に至っては笑顔で――
「気にしてない気にしてない、ノープロブレム!」と健在ぶりを猛アピール!
彼のこの返答に将校達からはこのような大感動の声が上がる!
「「「うわあああっ!! 流石、帝王!!」」」
これに帝王はこの一言を残して救急車の中へ……。
「でも治療費とかその他諸々、よろしくね!!」
それから一週間後――帝王は未完治ながらも仕事場に復帰。
先の戦闘記録で二か月弱は楽に稼げた。通常の数百倍ぐらい……。
~76~
「陛下(腹切くん)の運動不足を改善するには、何がいいかな? 特にコスト的に」
ある会議の冒頭でその主題を述べる総督。
これにある参謀が身を乗り出して「それならば、ボール一個が安上がりでしょう。例えばサッカーボールとか……」と意見を述べてみせた。
「素晴らしい案だ。いっその事、無料で手に入ればいいんだが……」
この総督の要望に先の参謀がスマホを取り出して――
「ちょうど無料で手に入る“余り”があります」とある画面を総督に見せた。
それは――日本に保管されている……魂をも消された某死刑囚の髑髏。
丁度、加工したてなのか……。真珠のように真っ白である……。ちなみに非売品。
この画面を見た総督は「それだ! 早速、手配してくれ!」と副官のギーガーに命令。
これにギーガーは肯定的な笑みを浮かべて「承知しました」と応じてみせた。
~77~
「陛下。総督からの贈り物です」と総督からのプレゼントを腹切くんに手渡す侍従。
「どれどれ」と腹切くんがプレゼントの包装を解くと……。
その中身は――日本から届いた……某死刑囚の髑髏。
これに腹切くんが「これしゃれこ――」とツッコミを口から出そうとするが――
「ボールです」と侍従の一言により、バッサリとさえっぎられてします。
「さぁ、リフティングの特訓です。頑張ってください。記録されますから!」
そうして撮影をも始めた侍従の一言に、腹切くんは涙を流しながら――
「ひいいいんっ!」と叫びながらも、髑髏でリフティング!
――無料より怖いものはない。そんな瞬間であった……。
次回予定:ロシア帝国の現状……。




