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邪神皇帝腹切くん!  作者: 希紫狼
孫娘と神祇の章
20/34

糞難法師

お待たせしました!

腹切くん史上――黒歴史となりえるお話の誕生か!?


※注意:汚いお話になりますので、どうしてもお読みたい場合は想像力を働かせずに読んでください。

    なお金曜日だけは絶対に観ないようにしてください。

    ×××を連想しても責任は負いかねます。

~64~


 東京都内某所にて……散歩中の腹切くんを――ある暴漢がナイフ一本で襲撃!

「――!!」

 ナイフの直撃を腹部に受けた腹切くんは地面に向かって前のめりに倒れてしまった!


ったぞおおおっ!! あのくそ皇帝を殺ったぞおおおっ!!」

 血塗られたナイフが握られた片手を掲げて勝ち誇って有頂天に至る暴漢!

 ところがいざ、暴漢かれが腹切くんの死体があるはずの地面に目を向けると――

「あれ……? なんで俺が倒れてんだ……?」と素っ頓狂な声を上げてしまう……。

 何しろそこには本当に倒れている“自分自身”が存在しているではないか……!

 その倒れている男の正体、実は海難法師のお皿くん……。

 この暴漢、運が悪いことに腹切くんに変装中のお皿くんを襲撃してしまったのだ!

 お皿くんは総督から“反乱分子をおびき寄せるおとり役”にも任じられていたのだ!


 それから一時間後……。先程までにお皿くんが倒れていた所と同じ所に、お皿くんを襲った暴漢の遺体が置かれていた。それも先程お皿くんと同じように倒れている体勢で……。

 おまけに遺体の致命傷に至っては、自身がお皿くんの腹に刺した箇所と全く同じ!

 遺体を含んだ周辺は“現場”となって占領軍の憲兵の鑑識活動を受けている……。


 そして当のお皿くんは、いつもの黒っぽい布らしき物体に覆われた姿のまま……。

「お皿くん。勝手に殺して、そのままは勘弁してよ!」と一人の憲兵から注意を受けていた。

「蘇生させて喋らすにも結構な書類てま技術テクニックがいるんだからさ~」

 こうして重ねて注意を受けたお皿くんは「すいません」と項垂うなだれるだけ……。



~65~


 東京都内の赤坂離宮にて……廊下を歩いている腹切くんに――

「あっ、陛下! ビッグニュース、ビッグ――」と何かを伝えようとするお皿くん!

 ニュースの内容は――旧ロシア領サハリン州の残り全領が、「樺太からふと」として再び大日本帝国も復帰にすることを上層部うえが決定したこと!

 とはいえ、先の旧北方領土と同様に宇宙人達専用の移民先としてだが……。


 そんなお皿くんを「待って、お皿くん!」とのぞみが全力で止めた!

 これにお皿くんが戸惑って「えっ……!? 何で!?」をかのじょに問うと――。


「あれは糞難法師ふんなんほうし。トイレに間に合わなかったジジイの生霊だよ。

 トイレにトイレットペーパーがない時でも出るけど、今のは前者の場合パターンだよ」

 この望の返答に、お皿くんは冷や汗を覚えて「そういえば、臭うような……!? 」と焦る!


糞難法師あれと目を合わせたら、トイレに行く間もなく強制脱糞リタイアだよ!

 最悪……魂取られて、糞難法師あれ奴霊どれいにされちゃうよ。

 この前、知り合いの宦官かんがん糞難法師あれと目を合わせて……。

 あの時は何とか魂だけ助けられたけど、『強制脱糞リタイア』だけはどうにも……」

 この望の話に、お皿くんは恐怖に駆られて「最早、悪霊じゃん!!」と動揺した!

 そんな糞難法師あくりょうはいつの間にか――離宮の外へ出てしまった……。



~66~


 再び東京都内某所にて……徘徊中の腹切くん――の糞難法師いきりょう

「うおおおおおおおっ!! 死ねええええっ、糞皇帝いいいいっ!!」

 そこを別の暴漢が――たった一本の小刀で武装したまま突進して襲撃!


「よっしゃあああっ!! 遂にあの糞暴君を――あれ……!?」と喜んだのに困惑する暴漢。

 絶対に小刀は腹金に直撃したはずなのに、当の腹切くんが何食わぬ顔で後ろを振り向いて――自分と目を合わせているではないか。それに血も流れていなければ傷もない……!

 自信が刺した存在が糞難法師あくりょうだとは――夢にも思えないだろう……。


 そんな困惑状態の暴漢が「腹がああああああああっ……!」と自身の腹に走る激痛を覚える!そうして近くの公園にあるはずのトイレに急いで向かっていくのだが……。


 それから三十分後ぐらいに、暴漢は公園近くに設置されたトイレの付近で、血とふんまみれ遺体と成り果ていた……。その片手には腹切くんを刺したはずの小刀が……。

 しかし、その小刀も今――暴漢の血で赤く染まっている……。

 そんなモザイクがかかっていないと絶対に堪えられない現場に訪れた憲兵士官が、悪臭に自身の顔を歪めたまま「どんな現場、これ……?」とある憲兵下士官に尋ねると……。

「トイレに間に合わず恥まみれになった自分を許せず、自刃したと思われます……。

 それから様々な小動物によってふんまみれにされたと……」と下士官は返答した。

 ちなみに糞難法師と“先ほどまで暴漢であった存在”も物陰に隠れて、その現場を見物中!

 今や肉体を離れ、本能のままに彷徨さまよう彼ら。自身の行き先は自身も知らない。

次回予告:まだ汚いお話が続くかも……?

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