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侵略

いよいよ話が動き出します……。

~5~


 開始早々、円盤状の宇宙船(ユーフォー)に連れ去れた腹切くん!

「こ……ここが夢にまで見た、ユッフォー。色々と進化してる……!」と感嘆の声を漏らす。

 ユーフォーの中には幻想的な虹色を醸し出す金属で囲まれた空間が……。

 さらに空間そこの一角にはヘンテコな機械やランプとかが集結している……。


「うおっ!あいつが宇宙人……!異星人……!」と天井に近いところで浮いた状態の腹切くんの言葉。その下りている視線の先にはユーフォーの主らしき宇宙人達が……。

 彼らは大空のように透けている青い肌を持つ人型の宇宙人もの達である。

 その中でも彼らの内の隊長らしき宇宙人ものが釣り竿のような道具で、何かを釣り上げて勝ち誇ったかの如く「異星人とったどーっ‼」と雄たけびを上げていた!

 そんな隊長格かれの両隣りにいる二人の同胞かつ部下らしき宇宙人もの達も――「やったりーっ‼」とか、「お見事‼」と隊長格かれを褒めちぎっている!

 ちなみに意外にしてどうでもいいことに、宇宙人達かれらの言語は日本語である。

 故に腹切くんは宇宙人達かれらが声に出している言葉ことの全てが分かる。

 何か食ったら言ったことを翻訳できる“いもで作った食品もの”でも食ったのかな?


「あれは……どこかで見たような……。確か……リキッド――ひっ……!」

 宇宙人共やつらの外見から、某カードゲームに出てた何かに似ていると思って呟く腹切くんはだが、無重力のまま宇宙人達かれらの顔のすぐ目の前まで引き寄せられた。

 まるで念力サイコキネシスを使ったの如く……。

 尤も引き寄せた隊長格ほんにんは釣った直後の獲物を寄せる感覚だが……。


「リキッドじゃなくて、“リキット”ね!最後の文字(おしり)は『ト』ね!『ト』!」

 腹切くんの「あぁ……すんません……」と素直に隊長格かれの訂正を受け入れた。



~6~


「よーし!標的ものが釣れた以上、次は“あれ”をとるぞ!」

 この隊長格から部下への命令を聞いた腹切くんは――魚拓かなぁ……?と呑気に思った。


 ところが部下二人が腹切くんの頭に被せたのは、ヘルメット型のへんてこな装置。

 腹切君は抵抗できずに「うおぉっ⁉俺のあたまかっ⁉」と怖い想像をしてビビる!


 その直後、隊長格が振り返った先の後ろの大型の画面ディスプレイに――

ちんは『太祖たいそひん皇帝』であるぞ!」と宣言する腹切くんが!

 しかも腹切かれは豪華なべん服(皇帝の礼服)に身を包んだ状態!

 さらに画面の中に腹切かれを一緒に移っている大衆は皆――

「陛下に拝謁致します!」と腹切くんにこうべを垂れている!

 以上のことが腹切くんが常日頃から妄想している光景ことである……。


 画面を見た隊長格は「これが標的こいつ脳内あたまのなか……」と呟く。

 一方、まだ無重力のまま浮いている腹切くんは――俺の人生……オワタ……。と短く考えた後に思考停止状態に陥ってしまう……。それも真っ白な灰の塊の如く……。



~7~


 腹切くんが宇宙人に釣り上げられて数日後――宇宙人達の地球侵略が開始された。


 宇宙人達かれらは僅か数週間で、地球の侵略を完了してみせ、占領を開始した。


 全ては宇宙人達かれらの入念な下準備と、あらかじめの買収工作。


 それらに加えて圧倒的な兵力、圧倒的な情報力、圧倒的な破壊力であった……。



~8~


 宇宙人達かれらの地球侵略完了から、時は少しさかのぼって国際連合本部ビル内。


 そこのある一室では国際連合安全保障理事国の五か国の代表全員が集まって、宇宙人側の代表と休戦または有条件降伏(無条件降伏は死んでもやりたくない)の交渉中。

 しかし宇宙人側は「無条件降伏しか受け入れられない」と応じる気なし。

 ちなみに宇宙人側の代表は、腹切くんを釣ったあの隊長格。それも英語で返答している。

 当然、五か国の代表から一斉に「何故だ⁉」と返ってくるが……。


「だって……今の宇宙じゃ……最低でも一つの星は一つの国が治めるのが常識なんだぜ。それ以外はみんな……無主の星。そんな星は最初に実効ある支配をした国に領有される。それがその星の天命さ……」と隊長格は無慈悲かつ常識的に答えてみせた……。

次回予告:侵略後の地球……。

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