反攻開始
生き残った人々が集まって魔国に対して反攻を開始します
8
世界に黄昏が迫る中生き残った帝、樹、鉄、獣、龍の五国代表者たち皆一様に守るべき民の犠牲よって命
を永らえた事を恥じていた
そんな五人に対して王国の国王は容赦がなかった
「お前らなに俯いてやがるそんなお前らを逃がすためにあいつらは死んでいったのか違うはずだぞそんな
ことも判らないのならばそのまま俯いてやがれ馬鹿やろう共が」
反論しようとする五人の目に必死に立ち続ける王の姿が映る
「そうですね私が愛した民が望んだのは民と共に在ったうつくしき大樹のもとに帰ること」
そう言ってエルフの王が
「わしが愛した民の願いそれは大地の恵みである数多の鉱物と共にあり乱あるときはそれを武器に変えそ
して共にある仲間にそれを分け与えること」
そう言ってドワーフの王が
「我が民の願いそれ強くあること個としてだけではなく皆を強くする強さを持つことそしてその強さを使
い災いを打ち破ること」
そう言って獣人の王が
「我が民の願いそれは優しくある事強すぎる力を持つが故に誰よりも優しくそしてあらゆる災いの前に立
ちはだかり他者を守り続ける優しさを持つこと」
そう言ってドラゴンの王が
「我が民の願いそれは自分たちヒューマンが誰よりも弱いことを受け入れることそしてそのために集まり
英知を高め世界と共にあらんとすること」
そう言ってヒューマンの王が
それぞれ顔を上げ立ち上がりそして声を揃え叫ぶ「我らの民の願いそれは自分たちが去りしのちもこの世
界が一つとなって美しくそして力強くそして優しく存在し続けること」
王国の国王は「とっくの昔に解っていたことだろ俺達の爺さんたちが望みながらかなえられなかったその
理想が目の前まで手の届くところにまで来てるんだぞあとは権力を持つ魔王一派の野望をくじいて魔国を
正常化させればこの世界はまた一つになり世界は救われるいつまで足踏みしてやがる」
ようやく成ったが世界が壊れる瀬戸際にあることに悔しさをにじませながら叫ぶ
「しょうがないだろ幼き日の僕や君のように最高神様の教えを受けたわけじゃないんだから」
そう言って涙を流し続ける友の肩をたたく
「今彼が言ったとおり魔族全てがわれわれに敵意を向けているわけではないのです現魔王とその信奉者達
の率いる三つの軍勢だけなのです一つオーク軍二つオーガ軍三つ魔王とその近衛軍我らの敵は彼らだけな
のです魔国のほかの民は反対し家族を人質に取られ従わされているんです」
「勝つ目はまだあるんだな」
「ええしかしこのまま行けば物語の世から邪神が戻ってくることになります」
「魔国ならびに魔王城へ向かうルートはもはやこの王都から伸びる一本のみとなってしまったしな」
「敵は其処を全戦力で守ればいいって訳か」
「作戦も何もないですね」
「わかりやすくていいじゃないかどうせわしらには残された戦力なんて僅かの残った各国の国軍と王国で
民を守り続けてくれた彼ら冒険者達しか居らんのだから」
「確かにわかりやすくていいのう」
「ならば誰をどこにあてる」
「わしらドラゴンの死に場所はもう決まっておる間違えなく先鋒におるはずのオーク共にわしらの火炎を
ありったけ食らわしてやるわ戦えぬ卵ばかり狙った報いきっちり払って貰おう」
「ずるいですよオーク共には大樹を焼き討ちにし民を食らわれた報いも在るんですから」
「ふむなら共同戦線といかんかエルフの」
「なるほど我々で号砲がわりに派手にやりましょうか?」
「ならわしらの出番はオーガ共じゃな武器はわしらドワーフに任しておけ折れようが何しようが物さえあ
ればきっちり元通りして見せようヒューマンの」
「それは心強いですねならドワーフ戦士達の守りは私達がやりましょう例えオーガの攻撃であろうともや
すやすと通すものですか」
「待った待ったわしら獣人も仲間に入れてくれ獣人の名にかけてオーガ共を貫いてくれる」
「しかしそれでは魔王城へ向かう手勢が」
「ならそれは俺たちが請け負う」
「そうですね教会の僧侶と修道士に大神殿の聖騎士も加えればなかなかいい人数になりますし、王国騎士
の皆さんと冒険者の方々が集まれば数で押される心配はありませんね」
「うちの騎士はいいとして冒険者達をどう動かすんだ金なんて勝てなきゃ何の意味もないぞ」
「それについては大丈夫だと思いますよ最高神様のお話によると彼らの中に玉が混ざっているそうですか
ら自ら動いて絶望を払う飛び切りのやつがね」
「まさかそれって救世主か勇者って人種がいるってことか?」
「はい」
「なら冒険者達は独立させたほうがいいその方が指揮が混乱しないしそいつが動きやすいだろう」
ここに世界の命運をかけて反攻が始まる
民を受け入れた王都中央通に生き残ったドラゴンの戦士たちとエルフの戦士たちが居並ぶそして咆哮を上
げると人化を解くと巨龍えと変わるとその背にいっぱいのエルフの戦士を乗せると暁の空へ飛び立っていく
次に集まったのは獣、鉄、帝の三国で生き残った兵士達先鋒のドラゴンとエルフの攻撃が効けばオーガへ
直に攻撃を仕掛けられるがしくじれば両軍を相手にすることになるしかし彼らの顔に余計な緊張も悲壮な
覚悟も浮かんでいなかった在るのは後ろに続くものたちへ必ず道を作るという信念と覚悟だけであった
さあ始めよう戦を
次回一の戦場オーク軍VSドラゴン・エルフ連合軍