11.ショタッ子双子はウザイだけです。
次のイベントは、最後に出てくる攻略対象者 東宝院 朝陽と夕陽。双子書記です。ゲームでは常に誰かれ構わず、『どっちがどっち?ゲーム(?)』をすることを強制したり、生徒会室でお菓子を食べているというスチルが多かった気がします。お菓子をたくさん食べても太らないとは女の敵ですね。今度、「女の敵は太れ~、太れ~」と思いを込めて願いを神社でしてみようと思います。自分で叶えられないことは、神頼みするしかないですよね。それをまどかさんに言ったら、私もついて行くといわれました。やはり彼女も、食べても太らない体質を持つ女の敵は許せないようです。
お昼時間になると、まどかさんと未那さんと私で食堂にある売店に向かいます。珍しく未那さんは、食堂でサンドウィッチかパンを買うそうです。今日は、伝説の『醤油・カニクリーム・カレーコロッケパン』と『たい焼き あずき&カスタード』が売られる日です。伝説というぐらいですからめったに売られないですし、販売日も分かりません。これは転生特典というやつですね。この一年間なら、すべて販売日を覚えています。伝説のコロッケパンとたい焼きは、ゲーム内のミニゲームでクリアすれば、荻堂一真ルートに入らなくてすむというもの。荻堂一真ルートは、どんなにポンコツな選択をしてもミスしても、必ず荻堂一真ルートに入ってしまうという鬼畜使用です。誰も選ばないノーマルルートよりも簡単なんです。その間、どんだけゲームディスクを割りたい衝動にかられたか...実際、一度はゲームディスクをムカつきすぎて叩き割りました。
時計を見るともうすぐ、伝説のパンの販売時間になります。食堂まで急がなくてはいけません。私とまどかさんはお互いの顔を見合わせ、頷きます。自然と急ぎ足になります。後ろから未那さんが呼びかけていますが、無視です。
そこに突然、邪魔なショタっ子双子があらわれ「どっちがどっち?」と能天気に言ってきました。無視です無視。私とまどかさんは双子の横を通り抜け、食堂まで走りたい衝動を抑え、速足で歩きました。
食堂につき、売店の最前列にギリギリのタイミングで入れました。私と未那さんで最後の分です。あの双子さえいなければ、もう少し余裕を持ってこれたのに!!人の邪魔を生きがいにするなんて許せない。どこかに訴えることはできないでしょうか?「あの双子はウザイよね」と言い合っていると、周りのほとんどが同意するように頷いています。そしてふと誰かが、「本当に、ものすごく、この上なく、信じられないほどウザさMAXだけど、ここに双子のファンクラブのヤツがいなくてよかったな。まあ、生徒会のファンクラブのヤツらは食堂を利用しないけどな」とつぶやいたことで、何もなかったかのように私とまどかさんと周りの人たちはそこから蜘蛛の巣を散らすように散らばっていきました。
食堂を出ると未那さんが、
「どうして待っててくれませんでしたの?」
「「これ」」
とさきほど買った伝説のコロッケパンとたい焼きを見せました。
「急がないと売り切れるのよ」
「このパンとたい焼き、楽しみにしてたんです」
「そうなのですか。これから教室に戻りますの?でしたら、待ってて下さいですわ」
「わかったわ」
「もちろんです」
未那さんがパンを買って来るのを待ってから教室に戻りました。
翌日の放課後、掃除の担当箇所の終了後に図書室に行くことにしました。国語で万葉集に出てくる歌関連の課題が出たためです。気になった歌をうたった作者が書いた他の歌とその作者について調べよみたいな。
私とまどかさんは未那さんがギリギリまでまた課題をやらないだろうと予想を付けて、図書室まで引き摺って行きました。はじめは家の用事があると抵抗していたのですが、まどかさんが未那さんのご両親に連絡して家の用事がないことを確認しました。そして、今日出た課題をさせると伝えました。
図書室に行く途中で例の双子がまた、「どっちがどっち?」と言ってきました。
未那さんは真面目に考えて答えようとしているのですが、私とまどかさんは無視することに決めているので、双子を無視して再び未那さんを図書室まで引き摺って行きました。双子がなにやらギャアギャア喚いているのですが、聞こえないふりをして先を急ぎました。
課題をレポート用紙に書いている途中で、最終下校時間になりました。必要な本を借りる手続きをして、スクールバッグに仕舞います。
駅を降りてから、まどかさんと未那さんと別れて家に帰ります。
帰る途中で、直樹お兄様に会いました。
例の双子が二人いるときに遭遇すると、ものすごく面倒だと言うと直樹お兄様も同意します。双子のファンクラブを除く周りからの評価はあまり良くないと言っていました。やはりあの、『どっちがどっち?ゲーム(?)』が主な原因のようです。それと、性格。なんとなくですが、見た印象は関わりたくない感じです。
ここが乙女ゲームの世界だとしても、現実なのですからやっぱり『どっちがどっち?ゲーム(?)』は、ウザイだけで学校で流行らないですよね。




