表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

何時もとは変わった日常1

起床、背筋を伸ばすとパキパキッと心地良い音が聞こえ意識がクリアになっていく。

彼に与えられた制服に身を通し、鏡に写る自身と向かい合う。


『・・・ヤッパリ目つき悪ぃ』


ここ数日、毎回のように思う感想を抱きながら身なりを整える。


ネクタイが曲がって居ないか最後に確認し、鏡の中の自分へできうる限り最高の笑みを浮かべ、部屋を後にする。




最初のお役目は寝坊助にして人の良すぎる魔の王を起こさなくては…






世界の暗闇、異界より出でし勇者によりて祓われん。魔の王、光へと消え去らん。

混沌は晴れ、永劫なる平和が訪れるであろう。


      ヒュクレムス皇国予言記 第13章


世界の混沌光を祓い、孤独なる者救う力とならん。

英雄の欠片秘めし者、数多なる友とともに平穏を齎さん。


      ヒュクレムス皇国予言記 裏13章





異世界への召還……厨二心が刺激されるフレーズだが、実際に体験してみると理不尽極まりない事柄であろう。

僕を含むクラスメート37人+担任1人が教室を覆うように展開された魔法陣の光に包まれた事が僕にとってアチラでの最後の記憶だ。


その時の僕は少々浮かれていたと思う。

他少ネット小説に精通している身からすれば異常事態であっても何らかのチートが得られる筈であり、俺TSUEEEな感じで無双出来ると信じているのだから。


だからこそ、僕は目が覚めてからの衝撃と居るか分からない神への感謝は忘れられないものとなるだろう。

何せコレまでお目にかかる事が出来ないであろう絶世の美少女が僕を介抱してくれており、尚且つこれまたお目にかかれない天蓋付きのベッドがセットなんて正しくファンタジーである。


「お目覚めのようね」


多少は現実逃避をさせてくれても…とは思いつつも心労るような声音に耳を傾け………あるぇ?この女の人捻り曲がった用な角のような……多くはない僕の語呂からして《悪魔のような角が生えてる》ような女性って……





「謁見の間に召還されてきた時はビックリしたわ。魔王たる私を直接叩こうとする気概は買わなくも無いけど少し無謀すぎるわよ」


………はい?


この美少女が魔王ですと?

全くもってテンプレじゃないですか。

でも突然の召還先が魔王の近くって死亡フラグビンビンじゃないですか?


「ねえ、あなた人の話聞いてるの?」


「いえ、スイマセン。僕も突然の事で混乱していまして……」


「それで、貴方は私をどうするつもりかしら?危害を加えるつもりなら多少は抵抗させていただくのだけれども」


そう言って笑う彼女はとても可愛らしかった。


「いえ、何も解らない僕を介抱してくださりありがとうございます。僕の名前は麻倉 葵です。一応どこぞかに召還されたであろう人間達の1人です」


まずは自己紹介って大事だよね。特に彼女は魔王らしいし……少々礼儀作法が間違っているかもしれないけど勘弁してほしい。


「僕には貴女を害する気も無ければ、そのような力もありません。出来ることならばこのまま見逃して欲しいところなのですが」


「あらあら、中々礼儀正しいのね。名乗られたからには名乗り返さないといけないわね。私の名はノア・クリミエール。当代魔王を襲名している」


おお、名乗りを上げたときの威厳は正しく魔の王たる人物の物なのかな?

なんか圧迫感が半端ないし。


それにしても何でノア嬢は怪訝そうな表情を浮かべているのだろうか?






「へえ、私の威厳を前にしても萎縮しないのは褒めてあげるわ」


あぁ、そういう事ね。


「いえ、内心では結構ビクついています。…実際王の威厳って奴ですかね?恐怖を感じているには入るのですが……失礼ながら貴女の美貌に目を奪われっぱなしで麻痺しているのかもしれません」










それが、俺と彼女とのファーストコンタクトだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ