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玄関が増えた
「それって、火星に行ったジョン、じゃダメなの?」
「ふむ…マズいなお嬢さん、どうやら追っ手が来たようだ」
「私の疑問は無視なのね。別に、誰か来たところで私は何も困らないし」
この男が連れていかれるだけだろう。別に私にはなんの問題もない。
「いや、まずお嬢さん。服を着ようとは思わないのかね?」
「どうせ来るのはロボットでしょ。見られたって何も問題ないし」
「いや、それが実は違うんだ…」
男の言葉を遮って、何かの音がした。音のした方を見てみると、私の家の玄関が増えていた。
「武器を捨てて大人しく床に這いつくばれ!」
そして、無断で増やされた玄関から、無断で男が入り込んできた。