この世界について私が思うこと-2
けれど、私の平穏で退屈な日々は、本当に何の前触れもなく崩れ去った。
いつものように『過去文明の記憶』を読んでいた。
数日前から私が読んでいたのは、とてつもなく胡散臭い内容だった。
−−今から200年前、世界にはまだ戦争というものがあった。国同士がロボットを使って行う争いだ。
ある時、当時世界最強と名の知れた大国のロボット軍を、たった一人の男が一夜にして無力化した。正確にいえば、全て自分のものとしてしまったのだ。
それから一週間と経たないうちに、世界中のロボットは全て男が手中に納めてしまった。
それだけの兵力をもってすれば、世界征服というのも容易いことだったが、男はそれを望まなかった。
世界中が注目する中、男は世界に向けてこう述べた。
『私は、こういったことに興味がない。だが、生憎と有り余るだけの力を持ってしまった。そこで、この力を誰かに譲りたい。そうだな、何か一つでも私に勝ることが出来たら、その者に世界をも滑ることの出来る力を授けよう』−−
と、このような胡散臭さ極まりないものにハマっている私だった。もっとも、先ほどのは原文からすると大分雑にまとめているのでご了承いただきたい。