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旅立ち
道はただひたすら真っ直ぐだった。
「で、どこに行くの?」
「私の中身を取り返しに、とでも言おうか」
景色はどんどん後ろへと流れていく。
「何それ?」
「すぐにわかるよ」
私の前にはジョンが座っている。
「あ、追っ手じゃないかしら?」
「ふむ、確かにそのようだ」
正しくは、″運転″をしている。
「お前らは完全に包囲されているー!大人しく武器を捨てて投降しなさーい!」
拡声器が喧しい声を私の耳まで届ける。
「包囲の意味わかってんのかしら」
「恐らく雰囲気で使ってるだけだろうな」
速度が上がった。声も次第に遠ざかっていく。
「随分簡単に巻けるのね」
「奴らのはどれだけ頑張っても法定速度までさ」
″バイク″は速度を上げて走っていく。