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魔法が使えない鉱物オタクの王女は、捨てられた山で王になる  作者: May
第二章『ミネラル』

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41/45

41. 出入りの条件とは

 

 フランさんたちに教えて貰ってミネラルの文字もかなり読めるようになってきた。

 古代語はまだまだだが、専門書でもなければ普通に本が読めるくらいだ。



「ルナさんはやはり物覚えがいいね。手先も器用だ」


 アナグマのフランさんは褒め上手だ。

 褒められることになれてないのでどんな顔をしたらいいかわからなくて困ってしまった。



「あの、ミネラルの中に結構魔力が入り込んでるのを見かけるのですが、その……大丈夫なんですか?」

「そうか。ルナさんでも気がついてしまうくらいかい?」



 どのくらいまでが大丈夫でどこからがダメなのかが私にはわからない。


「あの……私たちが出入りするせい……とかでは?」

「あぁ、それを心配してたのか。ありがとう。でもね、ルナさんたちが入ってくる前からだったんだ。ある日突然、という話ではない。ほんの少しづつなんだ。ほんの少しづつ魔力が迫ってきている」



「あ、あの……なにか出来ることがあれば」



 ミネラルにとって魔力への恐怖がどれ程のものなのか?

 なにか私にも出来ることがあるのか?

 どうしたらいいのか。


「そんな顔をする必要はないよ、ルナさんは気にしなくていいんだよ」


 どんな顔をしてしまったんだろう。


 私は所詮地上の人間だから、なにかあったら地上に戻ればいい。

 でもミネラルの人たちは外に逃げることは出来ない。

 フランさんの「気にしなくていい」に、少し後ろめたさを感じた。



「あの、地上に出るのは本当に無理なのでしょうか」

「正直、実際はわからない。私たちにも多少の魔力耐性があるのかどうか? でも物理的に出られなかったんだよ」



 ん?


「ルナさんと同じラピスラズリを持っているオーガスタスが試したんだ」

「えっ! 試したんですか? 危ないのでは?」

「あぁ、私達も止めたんだけどね。実験台になると言って聞かなかったんだ。でも外に転移は出来なかった。もちろん、同じ条件で作った転移石で実験したんだけどね」

「だったら私はどうして出入り出来ているんでしょう?」

「それがわかるといいんだけどね」


 私だけ特別? 


「あっ、あの、私が王の血を継いでるかもしれないから、ではないですか?」

「それがね、実はバレンタインさんも試してみたんだ。私達も王の血に反応してる可能性は考えたからね」


 皆さんなかなかに勇気がある。

 ……いや? それだけ切羽詰まってる? 


「ダメだったんですか」

「あぁ」


 他に何があるんだろう?

 たまたま通れた?

 考えてもわからないけど、出入り出来るのは今のところ私一人だ。

 私にしか出来ないことがあるかもしれない。



 とりあえず、ライフラインに使っている鉱石類に魔力が含有しないようにこまめに監視してあげよう。



 理由のわからない黒い影が心に差していた。




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