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魔法が使えない鉱物オタクの王女は、捨てられた山で王になる  作者: May
第二章『ミネラル』

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27. 転移石が繋ぐ先

鉱物設定情報を盛りすぎてしまいました。サラッと読み流して頂ければ幸いです。

 

「その転移石はそろそろ限界だ」



『ミネラル』は生活インフラのほとんど全てを鉱物でまかなっているそうだ。

 これだけ良質な鉱物資源に恵まれていれば当然の発想だと思う。

 石の声が聞こえる者、石と話せる者は珍しくもない。だが、どれだけの言葉を受け取り、どれだけの密度で理解できるかはまた別の問題らしい。

 私はまだまだ未熟だったということを初めて知った。

 そもそも石の声が聞こえること自体、頭がおかしい、気がふれたなどなど、信じる者など誰もいなかったのに、『ミネラル』に来て一足飛びに未熟だという次元の話に変わっている。

 すでに思考が追いついていない。


 だけど……なんだかワクワクする!

 先がある事も初めて知ったからだ。

 まだ未熟ならいつか違う世界に到達する可能性があるのだろうか。

 今まで否定され続けて慣れてしまったのか、これはもしかしたら今までの否定とは違うのか、私にはよくわからなかったけれど、不思議な感覚が心の奥底で小さな火種となった。



「そういえば! トビラってどこにあってどうやって開けるんですか? それを教えて頂ければこの転移石で上から真っ逆さまに落っこちなくても済むと思うのですが」


 一番大事なことを聞くのを忘れるところだった。キーパーが居れば墜落死の危険性は低くなるがあまり心臓には良くないことは変わらない。



「トビラの開け方は誰も知らねーんだ。フラン先生が研究はしてるみたいだが、俺たちみたいな下々の者は正直言ってトビラの開け方には興味ねぇ。転移で出入り出来たなら今後もそれで問題ねぇだろ?」


 うーん……


「ただ、毎度上から降ってくる度に警報がなるのはいただけねぇ。バレンタインさんからもそれを頼まれていてな、嬢ちゃんの出入りでは警報が鳴らないようにしろってよ。それで三人でずっと相談してたっつうわけだ」


 そんな大事な相談をしてくださっていたのか!? 暇つぶしに集まってお茶を飲んでるだけかと思ってしまったことを心の中で深くお詫びしなければならない!


「それで、今持ってる嬢ちゃんが作った転移石はそれは地上専用にするといい。ココとの行き来ですり減った【ガーネット】のエネルギーは、自分で整え直せるだろ? それとその【ジルコン】は世界の全ての座標を知っている。そいつがいれば地上で座標を見誤ることはねぇ」


 さすが最古の石。キラキラ輝く指環の石を光に当てながら、「凄いな!」と言ってあげると「当たり前だろ!」と輝きの角度を変えて見せてくる。

 フフフ、可愛い。


「『ミネラル』専用の転移石は、俺が作ってやる。嬢ちゃんが作った組み合わせは中々良い。それはベースにする」


 デニスさんたち加工職人おじいちゃん三人組みの結論は、

 地上と『ミネラル』の行き来は、地上であちこち転移する何百倍ものエネルギーを必要とするため、【ガーネット】があっという間にすり減ってしまったという結論だ。


 だがガーネットは優秀素材。別の物に差し替えるどころか更なる役割りも与える。そして世界の全ての座標を知る【ジルコン】は言わずもがな。だから更に詳細な座標点を記憶させておく。

 そこで組み合わせはこのままで、性能を爆上げするために

 ぢゃぢゃーん!

【モリブデン】!

 これで、耐久性を上げる。【磁鉄鉱】と相性の良いモリブデンを粉末化して添加剤として使用する。結晶と結晶の境目に配置すれば転移で生じる石の摩耗にも耐えられる英雄クラスの転移石と変わる!

 さらに警報が鳴る問題は私の血で解決だ。ガーネットは血を覚える性質があるので私の血をガーネットに組み込む。そして私だけの転移石と認証され、奪われても他の者では使えず、『ミネラル』に入る時も認証済みの人間として警報が鳴らないということだそうだ。


 しかし。残念なことにそこまで繊細なことをやってのける技術は私にはないので、デニスさんが作ってくれる。

 良いのだろうか……



「あの……お礼出来るものが無いのですが……」

「別に俺が作りたくて作るもんだから礼なんかいらねぇけど、気になるならここで働くか?」

「えっ、いいのですか?」

「嬢ちゃんは、石の中の魔力を扱えるんだろ? あのめんどくせぇのを扱える職人はミネラルには居ねぇからな、出来る仕事は結構あるぞ? 給料は安いけどな」

「いえ! 転移石を作って頂く代金ですので! よろしくお願いします!」

「おぅよ」

「若い子が居るってのは良いもんだねぇ……」



 斯くしてトントン拍子に私はデニスさんの弟子となることになった。



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