恋の受理
カップ麺出来ました。
ほら一緒にいただきましょう。
しょうゆ味、なのになんだか、甘い匂いがする。あれ?嗅覚が故障したのかな私・・・
と、首を傾げた。
「おいしそうにみえるね・・・」
彼は箸をとり、湯気の立つカップに、手を伸ばした。
夜のキッチン、狭くても居心地のいい空気。一つのカップ麺を二人で食べる、only one。
私は照れながら、麵をすくって口に運ぶ。
同時に"ふーっ、ふーっ"って、同時に笑った。(シンクロスマイル)
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初めてこのキッチンでカップ麺を食べた日の事を思い出した。同じしょうゆ味。一人で食べるカップ麺、3分くらいで、適当に食べた。
それは湯気とスープに注目され、時間を孤独と一緒に共有した。
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今は彼がそばにいて、それだけで、あったかい空気が約束される。
「ねえ、これしょうゆ味だよね、蓋にもそう、書いてあったのに、甘く感じたけど、俺の舌がくるってるのか?」
彼も不思議に感じたのね、私はほっとした。
「えっ、私も同じ、甘い匂いがしたの、嗅覚の故障したのかと思ったけど、言えなかったんよ・・・、これは絶品のあじなんだわ、きっと」
そう応えながら、胸が高鳴るのを感じた。
湯気に重ねた笑顔、二人の距離、心に麵が絡まる時間。
「この時間が、シアワセだね」彼のササヤキが、部屋の空気に融合した。
食べ終わったカップの容器を流しに運ぶと彼が後ろからぎゅっと、抱きしめた。
心臓が割れそうだった。
「次のカップ麺の味は"塩"にしよう」
その言葉に、二人でシンクロスマイル。
私は心の中で"恋を受理します"と宣言したのだった。




