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フル装備リア完成!!
と、いう訳でとんとんと時間は進み。みんなそれぞれ過度な程に準備を重ねていく。そして時は迷宮探索へと進んでいく。準備を整えて玄関に立つ。早朝なのにも関わらずクロエとアルエは起きてリアを見送りに来ていた。
「リアお姉ちゃん、気をつけてね」
「お願い、無理だけはしないで。失うのは……怖いよ」
少し泣きそうな表情の2人を抱き寄せて「ありがとう、必ず帰ってくるから。2人も健全に仲良く過ごすんだぞ」と言って頭を撫でる。2人のためにも、五体満足で帰ってこなきゃいけないなと胸に決心しつつ。冷凍になるが料理の作り置きや、1ヶ月は買い食いできるくらいのお金を置いておいた事。それから防犯対策をしっかりなと伝えてから玄関を出る。2人はリアの姿が見えなくなるまで手を振った。
2人の気持ちを胸に、待ち合わせの軍備用倉庫に行く。
すると、とんでもないモノが鎮座していた。
用意されていたのは超大型移動要塞。ホテル並みに充実した設備と清潔さを軸に設計された戦車……戦車の定義ってなんだろう? まぁ、要するに動く要塞ホテルらしい。王国騎士団の団員に説明を受けながら冒険者達は乗り込んでいく。とは言っても数は、まぁ100人くらいだ。
周りを見回してみるが、まだ自分のパーティーメンバーは居らず。ルナとアデルはたぶん寝坊、エストは仕事で忙しいのだろうと思い、ルームキーを受け取ると乗り込む。ダルクは分からん。
道中には普通に魔物が出るが、大半はキャタビラで踏み潰して進む為、冒険者が出る事はない。また、空飛ぶ魔物にはAIによる自動迎撃機能まで搭載されているので……強くね? 冒険者の仕事の魔物退治は、いずれ無くなるかもしれない。まぁ、自分はグラビアの仕事があるので、この先もどうとでもなりそうだが。ドラゴン討伐の自伝の他にも、ライトノベルを執筆してみるのもいいかもしれない。
それはさておき、順調に準備は終わり出発となる。巨大な要塞は、巨体の割に静かな音を立てて進み城壁を通り過ぎてヘイロー大迷宮に向けて進み始めた。
変わりゆく景色を眺めながらテラス席で珈琲を啜り頬杖をつく。
「優雅だなぁ」
これから迷宮に突撃します、といった雰囲気が抜けてしまっている。ドラゴン装備は現代装備と照らし合わせてはいるが、やはり防御面がドラゴンの素材頼りなので重いので、部屋に置いてきている。ので、今はラフなインナーである。
おっ、冒険者の男どもがチラチラ見てやがるわ。ほれほれ、お前ら童貞が一生触れないエルフ様のデカいおっぱいだぞーと脳内で煽っていると。
「リアー!!」
「んぁ、おールナ。乗り遅れなくてよかった」
テラス席の通路から声を上げて手を振り、ルナが駆け寄ってくる。彼女の手には杖がないので、自分と同じく到着まで時間を潰しに来たのだろう。
「探しましたよ。メールにも出てくれませんし」
「あー、スマホ部屋に置いてきたな。ごめんよ」
「仕方ないですね。それで、ティータイムなら同伴しても?」
「喜んで」
前の席に座り、向かい合わせになりながら。
「寝坊しなかったようでなにより。というか、迎えに行けば良かったな。お隣なんだし」
「いえ……クロエちゃんとアルエちゃんに嫉妬されて刺されたくないので大丈夫ですよ。それと、私が最後の搭乗者だったようなので、皆さんも無事に乗り込めているようです」
「それなら安心だな。昼辺りに集まって、役割のすり合わせをしよう」
「……」
「どした?」
「アデルが邪魔だなーと」
「……仲良くしてね?」
「あのメスガキが調子に乗らなければ仲良くできますよ?」
ニコリと笑うルナの笑顔は、陽の光が後光を指しているのもあり、いやに黒く見えた。というか後光の差し方おかしくね。あ、ルナが魔法で差してるの……そう。
大丈夫かな俺のパーティー。




