〜血塗られアリス〜
あぁ....アリス.....
なんで君が.....
許さない.......
チェシャは絶対許さない.......!!!
アリスを処刑したやつを、チェシャは絶対許さない.....っ!!!
待っていて....アリス....
かならず迎えにいくから......
待っていて.......
暖かい水の中で、少年は沈んでいた。
なぜ沈んでいるのか分からずに。
少年は何かを忘れているような気がするが、
あまりの眠気に負け、眠ってしまった。
「あれ.....俺、なんでこんな所にいるんだっけ?」
目を少し開けてみると、赤い何かが見えた。
そこで少年の意識は途切れた。
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次に少年が目を開けたのは、綺麗な泉の前だった。
「ここ.....どこだ?」
目の前には、綺麗な少女が踊っていた。
彼女の着ている服は見覚えのある服で、
少年はとても懐かしい気持ちになった。
声をかけようとしたら、また眠くなり
少年は倒れてしまった。
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「......い.........お..............お......い......!!」
誰かがうるさく叫んでいる。
少年は、うるさく叫んでいる主が誰なのか確かめるため目を開けた。
そこには見覚えのある若い男性がいた。
「あ、やっと目が覚めた!大丈夫か??」
と心配そうな顔でこちらを見ていた。
彼の名前は玄道 海斗。
少年の3つ年上の幼なじみだ。
「海斗......?なんでここに居るんだ?夢?」
そう、海斗は3年前に交通事故で死んだはずだったのだ。
「それがさ、気がついたらここにいたんだよー。琉斗こそなんでここで寝てんだ?死んだのか?」
なんて、ワクワクしながら琉斗を見ていた。
「いや、死んではない。俺は確か......いつっ....!!」
自分が元いた場所を思い出そうとすると、突然激しい頭痛に襲われた。
「おいおい、大丈夫かよ!」
「っ.......あぁ....大丈夫だ....それにしても、ここはどこなんだ....??」
「わかんない、けど、お前が元いた場所ではないよなー?」
2人がキョロキョロしていると、後ろから突然.....
「ばっ!」
という声が聞こえた。
「「!?!?!?」」
2人は驚いて、海斗だけ尻もちをついた。
「おい、大丈夫か?」
と琉斗は心配してなさそうに言うと
「大丈夫大丈夫!俺死んでるし!」
と、海斗は元気よく返事をしたのだった。
琉斗は海斗とのやり取りを終えると、目の前にいる
奴を見た。
そいつは少女の姿をしていた。