ふたりの惑星はミルクチョコレート
二人しかいない世界に行ってみたいなぁ
寝ぼけながらそう呟く彼女の寝顔があまりにもかわいいものだから、僕はずっと秘密にしていたことを打ち明けることを決意した。
実は僕、宇宙人なんだ。僕の星には今は僕一人しかいない。
星を捨てる覚悟で出てきて、これからはここで生きようと思ってた。
けど、君がいいと言ってくれるなら僕は君とあの星で生きてみたい。
彼女の寝言は、本気の願いではなく、本当に夢見心地で語ったことだとわかっていた。でも、その一言で僕はあきらめていた夢を思い出してしまったから、聞いてみた。だめと言われたなら彼女の記憶から宇宙人という記憶を消してこれからも一緒にここで生きていこう、そう思った。
実は私も貴方にいわなきゃいけないことがあるの
そういう彼女はどこかいたずらっぽく笑っていて、悪いことではないんだろうと思って聞くことにした。
実は、私は貴方の隣の星の人間なの。
だから、この星ではまた私も宇宙人ということになるね。
そして、私は噂に聞く人の住まない星に住み続ける貴方にとっても興味があったの。
私、あの星にずっと住みたかったの。
だから、私でよければ喜んで一緒に住みたいわ。
彼女の告白に驚いたものの、僕はすごく嬉しくなって彼女を抱きしめた。
こんな奇跡みたいなことあるんだろうか。
僕はこのとき浮かれてて気付かなかった。
彼女がこの星に来る前から「僕」に興味があって「あの星」に住みたくて、僕を追いかけてきたことに。