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我は神の子  作者: 横山
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4

 にらみ合っている。

 ぢっと目を見つめられ、こちらも見返し、後ろの子等がしびれを切らし声をあげた。

「早く〜」

「もう諦めろよな〜」

 しようがない。

 ぐっと気を入れなおして木に向き直る。

「だ……」

 途端、

「切った!!」

 手を、正しくは絡めた小指を手刀で落とされ囚われていた子等がわっと逃げ出した。

「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、く、とお!止まれ!!」

 うぬぅ、皆かなり離れれしまった。

 切った男児が少し考え、

「大股十歩、小股六歩!!」

 告げると何人かがが口を揃えて、

「終わりのいぃ〜っぽ!」

 そう言って大股で一歩だけ遠ざかった。最近のだるまさんがころんだでは初めの一歩を後にとっておけるらしい。

 だが、

「ふふん、それで逃げられたとは思わぬことじゃな!」

 いち、にぃ、さん。

 大股で進むたびに子供達の顔が引きつっていく。

 しぃ、ご、ろく。

「捕まった!」

 これで一人目、もう一歩跳んで二人、三人。

 はち、く、とぉ。

 切った男児を捕まえて四人目。後は小股のため向かう先を定めねば捕まえられない。さて、誰にするか?

 目を合わせないよう顔を逸らす子等を見渡していると坂の下から声がした。

「次の子達〜!番が来たよ〜!!」

『は〜い』

 それを聞いた子等の内何人かが走って行く。太鼓を叩きに行ったのだ。ずっと待つのも大変だと時間ごとに叩いていい村が決まっており、今駆けて行ったのは八谷村の子だ。

「じゃ、次は缶蹴りやる人〜!?」

 楽しそうだと寄って行ったのだが、小学生以上じゃないといけないと追い払われてしまった。

「君、どこの村の子?」

 水楢にもたれかかっていた女児が声をかけてきた。

「ええと……」

「お兄ちゃんやお姉ちゃんは?」

「居らぬが?」

「じゃあお母さんは?」

「山の上に……」

 次々に問われどうしたらよいのか戸惑っていると手が差し出された。

「お母さん心配してると思うよ?一緒に行こう。上に連れてってあげるから」

 出しあぐねていた手は半ば強引に掴まれた。

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