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我は神の子  作者: 横山
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 久しぶりに神官(じんかん)の二人を迎えようと境界で待ち構えていた。境内の手入れに度々訪れてはいたが、会うのは禁じられていたのだ。

「久しいな、二人共」

 善博(よしひろ)はしわが増えたか、博恵(ひろえ)は、少し顔つきが大人びたように見える。二年と少し、人の移りは早いな。

「え、わ、若神様?」

 何度も瞬きをしてはこちらを見直す博恵。

「そうだぞ?」

「随分大きくなられましたね」

 対しての善博は流石にそれほど驚きを表へ出さない。

「幼いままでは足りないことが多かったからな」

 とは言ってもそれ程大きくはなれなかった。せいぜい十に足りるかどうか、か?

 それを聞いて、二人は顔を歪めた。

「この度は……」

 善博の言葉を遮る。

「お前達が気にする事じゃないだろ?そうだ!外には新しい店ができたと聞いた、どんなところか教えてくれ」


 みつのから八谷村に店が出来たと聞き、はちやに尋ねてみてもなんでも売ってる不思議で小さい店としかわからなかった。その店の名はフレンドリィマート。

 博恵もよく利用するらしい。

 新しくなった500円玉を握り締め店を見上げる。

 たかが二年の間に硬貨の色まで変化するとは、相変わらず人の時間は早いものだ。でも、ほとんど姿が変わっていないこれにどれほどの意味があったのだろう?

 さて、こぢんまりとした店に似合わず広い駐車場。

 目に痛い色使い。

 少し入るのがためらわれたが、意を決して入り口に近づく。おぉ、これは!自動で動く開き戸だな!?知っているぞ!出雲で見た事がある。

 戸の前で待っていても一向に開く気配が無い。

 そんな坊に通りかかったおばあさんが教えてくれた。

「ここを押すと開くんだよ」

「……ありがとう」

 何と自動では無く入り口の出っ張りを押さなければ開かないらしい。無事店内に入るとガラスの棚には惣菜が並んでいた。

 不思議な事に全て揚げ物だ。おや、隣の冷えている棚に他の惣菜が並んでいた。

 大きな袋に入った菓子の棚や酒や飲み物の置かれた棚、本まで売っている。

 店を巡っていると外に車が停まり、足早に入ってきた客が弁当と茶を買ってさっさと出て行った。続いてもう一人、今度は飲み物と菓子だ。

 店の人と世間話をする事も無く、礼を言う事も無い。

 そんな客が去った後に父母への土産も含め、三つの塩むすびを机の上に置く。

「いらっしゃいませ!」

「こんにちは、これ下さい」

「はい、こんにちは。坊やこの辺の子じゃ無いね?」

「ああ、山の方から来た」

 何だ、貼りつけたような顔ばかりでは無かった。普通の人だ。

「おや、わざわざここまで!?」

「新しい店が出来たと聞いて」

「あはは、もう一年ちょいは経ってるけどね。この辺りで一軒しか無いコンビニってこの間テレビの取材が来たんだよ、日の本テレビでやるからよかったら見てね!」

 袋に入れようとしてくれたが手で持てるので断った。

 外に出ると工事案内の立て看板が目につく。どうやら道路を広げるらしい。

 たった二年の間なのにひどく取り残された気がして、少し怖くなった。

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