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我は神の子  作者: 横山
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 薄氷の張った水面をつつきながら今日の共のいつきに尋ねた。

「いつきはここの中でずっといて狭く感じないのか?」

 あれから一年が過ぎ、再び冬がやってきた。相も変わらず神域(ここ)は閉じられたままだ。

「まあそれはありますが、今は危ないそうなので仕方がないでしょう」

 しめた。口を滑らせた事に気付いていないうちに何気なくを装い続ける。

「そうだね、少しは進展があったのかな?」

「いえ、未だ拐われた神様は見つかっていないようですよ……あれ?」

「まったく罰当たりな事をする者もいるもんだな」

「そうですねぇ。最近は神をも恐れぬ人間が増えてきたみたいで……ん?若様ってこの事について知ってましたっけ?」

「いや、全く。それで、一柱の神を人間が拐って、どうしたんだ?」

 ようやく失言に気付いたらしく、慌てて逃げようとしたいつきの羽を封じる。

「ちょ!安易に神力を振るう事は止められていますでしょう!!」

「外ではな」

 ここは神域、故にその約束の範囲外だ。


 吐かせたところ、とある神社からいつの間にか神が消えていたそうな。神官(じんかん)のいない小さな社だったそうで、調べはそれほど進んでいないらしい。

 ただ、退魔師らしきものが目撃されているためその行方を追っているという。

「うぅ、親父殿に怒られるぅ」

 あまりに嘆くいつきに少し悪い事をしたと省みる。

「えっと、聞かなかった事にするから、はちやに言わないから、気にするな」

「本当ですか!?」

「うん、父様(ちちさま)にも言わないから」

「ありがとうございます」とまた泣いたいつきの気をそらそうとかねてから思っていた事を聞いてみた。

「いつきは一体何羽兄弟だったんだ?」

 この辺りの鳥は全てはちやの子孫だというが少しずつ数を増やしていったのか、それとも元となる子供の数が多かったのか、子であるいつきなら知っているだろう。

「兄弟……確か、私が五番目でして、最後の卵が……うん、全部で648匹でした!」

 うん、はじめの数がとんでもなかった訳だな。一つものを覚えて利口になった。

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