表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超超弩級戦艦紀伊外伝~狼の涙~  作者: 生まれも育ちも痛い橋
1/3

柱島

超超弩級戦艦紀伊の外伝です。未読の方は先にそっちを読んだほうが良いかもです。

1942年 7月26日

ジリジリと蒸した様な暑さが日本列島を今日も包んでいた。

蝉の合唱があちこちに響き渡り、それがまた暑さを余計に感じさせる。

瀬戸内は今年も水不足に陥りそうだ。

潮風が心地良く吹き、塩田の独特なにおいが鼻を燻る。

瀬戸内の海はその穏やかな水面に陽光がよく反射して煌く。

その上には小さな可愛らしい漁船や渡し船をはじめとした大小様々な船がひしめき島々を行き交う。

しかし、少し目を他に向けると、灰色に染められた船があちこちで見られた。どれも大小大砲を備え、或いは飛行機を上に載せていたりと様々だ。

ここ柱島泊地には、栄えある大日本帝国海軍に所属する軍艦が錨を降ろし、その身を休めている。

軍艦が何隻も並ぶその様は、まさに威風堂々、逞しくある。


一隻の内火艇がその間をゆっくり移動していた。

軍艦と軍艦をすり抜けるように航行し、やがて一隻の軍艦の横に着けて止まった。数人の人が艦に乗り込んでいく。


「これが今日から俺が乗る軍艦か…」

乗り込む内の一人の青年が呟く。

「良い所だと良いな」

別の青年が呟く。

最初に喋った青年は、中谷銀次 今日からこの艦の高角砲員を担当することになっている。

もう一人、中谷に応えた青年は、楠田次郎 主計科で主に飯炊きを担当することになっている。

この二人は同じ岡山のとある港町の出で、旧来からの友人であった。

昔から時々近くを通る軍艦に憧れを抱き、共に水兵への道を目指した。

念願叶い、海軍学校を経て中谷は砲術学校、楠田は主計学校に行き、この度同じ軍艦に配属されることとなった。

二人が配属されたのは、青葉型重巡洋艦一番艦「青葉」

排水量9000トン

20、3㎝連装砲三基六門 61式酸素魚雷四連装二基八門 12cm単装高角砲四基 他に機銃を装備しており、日本が所有する重巡洋艦の中では旧式であり武装も比べると弱い。

中谷たちは海軍を象徴する戦艦で勤務したかったが、学校での成績がそこそこである中谷たちには難しい相談であった。

「戦艦だと新人に厳しいらしいけど、ここはどうなのか・・・」

「まあ、出来るだけの事をやるしかあるまい」

二人は緊張した面持ちで艦に乗り込んでいった。


乗り込んだ後、二人はそれぞれ別れて自分の部屋の確認や自分の担当する部署の同僚や上司に挨拶したあとに艦内旅行をした。

艦内旅行とは、新人がいち早く艦内地理に慣れるために行われるもので、指定されたところにあるスタンプを全て集めるといったものだ。

二人は四苦八苦しながらもスタンプを集めていった。

その様子を眺める他の乗組員はどこか懐かしく感じながら微笑ましく眺めていた。


「いやいや、自分が新兵だった頃を思い出します」

「青葉」艦長の久宗米次郎大佐もそのうちの一人であった。

「まったく、その通りですな」

第六戦隊司令官の五藤存知少将が応えた。


いつしか、海は夕陽に染まって燃えるように輝き、やがて夜の闇に包まれる。

いつもと変わらぬ静けさに覆われる。




この時、「青葉」に乗艦する人たちは知る由も無かった。

この先の戦いで数々の激戦と困難に直面することになるとは・・・



やっと第一話です。何で青葉かって?

壮絶な史実に事実は小説より奇なりを表した様なエピソードに知ったときから惹かれました。大好きな艦の一つです。

そんなことより祝!艦これにおいて初追加ボイス!!

2年以上待ちましたよええ

嬉しさのあまり変な声に変な顔して外出られないなこりゃ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ