32話 無邪気な邪気
二人目のオレのところに着いた
二人目のオレは...赤子だった
『キャッキャ』ジタバタ
言葉も喋れない赤子だったんだ...
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『はーい、ベロベロばー!よーしよしよし...』
『うえーーん!!うえーーーんっっ!』
『ほら、ワンチャンだよ〜!ワンッ!ワンッ!』
どうしてこんな事になったかと言うと...
あの後、赤ちゃんとはいえ、オレには違いないから、問答無用で攻撃して、弱らせまくれば
封印を解除、または、消滅させられると思ったんだ...
結果は、オレは、俺に違いなかった
力は互角だったんだ、赤子の状態でも...
しかも、その方向性が、魔術師?というか、ダンジョンマスター系
俺が、攻撃を仕掛けようと、ダッシュで距離を詰めたら、
高速で脅威が近づいていることを認識したのか、積み木や、ぬいぐるみのおもちゃが
城や魔物に変化して、襲ってくる
そいつらを倒して、赤子の下までたどり着いても、拳を振るったらバリアに防がれて、
バリアにぶつかった音で赤子が泣き出したかと思ったら...
泣き声は超音波になって、俺はその場で立っていられなかった
しかも、膝をついて、しばらく立つと、足元に魔法陣が現れて、その場から即座に離れないと
ワープで離れた位置に戻される
そんなことして精神力が持つのか?と思ったが、
子供の想像力は強力で、力を使って疲れたら、おもちゃたちが赤子をあやして精神力を回復させて全快に、
いろいろ試した後、赤子のオレの前でどうしよか考えていると、
泣きもしないし、ワープもされなかったので、
あくまで敵意や脅威に反応しているだけだとわかり、今の状況に至る...
子供、それも生まれて1年と経っていないような子は生前合わせて対応した経験が無い気がするので、
本当になんでもやっている
羞恥心とかそういうのはゴミ箱に捨てちまえ
『あうぅ...』コクン、コクン...
あ、眠りそう...
眠ったらバリア無くなってたりしないかな?
邪な考えというのは案外伝わるもので...
『うわーーん!うえーーーん!』ブンッ
ちょっ、あっ、ワープしちゃう...
...また、眠るほど気を許してくれるところまでやり直しか...
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『スーー、スーー...』
やっと寝た
さて、どうするべきか...
封印を解除する方法は2つ、消滅か、和解か...
攻撃して消滅させるのは困難、となると、現状、和解しか選択肢がない
だが、このオレに、和解できるほどの知性があるのか?
............一つ、馬鹿みたいに時間と手間がかかるが、案が思いついてしまった
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『父上、今日は何を教えてくれるのですか?』
目の前にいる5歳ほどに見える少年は、あの、赤子のオレだ
思いついた案は単純、知性が、知恵が無いのなら、教えて、与えてやればいいと...
ダンジョンへの帰還を急いでいた俺だが、精神世界は現実より時間の進みが早いというのを
コアが言っていたような気がするので、そこは気にしていない
...間違えていても、計8個の封印が解けていたら、
導馬のいかなる計略も、力技で押し切れるはずだから
『今日はな...お前について教えてやる』
『僕についてですか?』
赤子のオレ...こいつも俺だから、紛らわしくて、名前をつけてやった
”季武”、それがこいつの名だ
『季武は自分が何者で、どうして、ここに俺と二人だけなのか、覚えているか?』
『いえ、前に父上に質問してもまだその時では無いと...』
『そうだな、そして、今がその時だ』
これまでについて、いつも通り、子供でもわかりやすく、例え話をしながら説明した...
季武は、俺の中の1人で、俺の力を封印しているから、その封印を解いてほしい、
だが、そうすると、もしかしたら、季武は消えて無くなってしまうかもしれないことを伝えた
『そんな...僕がずっと父上を苦しめていたなんて...』
『まあ、いきなりこんなことを言われて、混乱するのもわかる...だが、
流石にそろそろ現実に戻らなくてはいけないんだ』
『なら...僕を殺すの?』
『それは避けたい...だから、自ら、封印を解除してほしい
戦った末の消滅は、不可避だが、和解による解除なら、お前が残る可能性がある
さすがに、情が湧いたからな』
『......わかった。でも、今の話が本当なら、少し、嫌な予感がするんだ...』
『嫌な予感?』
季武の勘は、よく当たる
無視できることではない
『その、コアは、今、精神世界で1人、封印を解除するために頑張ってるんだよね?』
『ここも精神世界ではあるが...そうだな』
『なら、残った2人の霊が、僕が大きくなれるほどの時間、それを傍観して、
なんの手もうたないなんてことある?僕は小さすぎて自覚がなかったけど、
一人目は、父上以上に、父上のことを知っていたんでしょう?残りの2人も...』
『だが、コアなら...』
『コアさんがいくら優秀でも、ここは僕達の中、僕達の領域だ
父上以外に問題を解決できる人はいない、だからコアさんからこっちへの直接の介入は
無いんじゃない?』
『ッ!......』
『封印を解くよ。頑張ってね父上...』
『!ありがとう...』
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ーーマスター...ではありますが、違うので、alter ego、オルターで十分でしょうーー
『無礼だなーwww』
ーーオルター、あまりその顔でヘラヘラしないでください。貴方はマスターと同じ顔のはずなのに、
醜悪さがにじみ出て気持ち悪いですーー
『”気持ち悪いです”ってww、お前、性能が高くて、結構初期の段階から自我持ってたけど、
感情を学ぶのに結構苦戦してたよなwww、それがこんなに自己表現できるようになっちゃって...』
ーー不快です。本題にはいって下さいーー
『そう、慌てんなって、ここは時間の流れが早いだろ?まだまだ、時間かかるだろうし、
ゆっくり話そうぜ?』
ーーマスターならすぐにでも...ーー
『出来ねえよ。8個目を乗っ取ったやつはな、俺でも倒せねえ...、
いくらあいつでも、時間がかかるだろうよ』
ーーなら、貴方が封印を解除してくれれば、9,10の封印が解けるので、せめて片方は解いて下さいーー
『2つ解いた時点で、とりあえずの目標は達成できるからか?
かぁー!つまんねえな、そんなのつまんねえから、やだよ』
ーー条件があるなら聞きますよーー
『条件なら簡単だよ、「楽しませろ」それだけだ』
ーー今のマスターなら、必ず貴方を楽しませてくれるはずですよーー
『あいつが弱いほうがより面白いものを見せてくれるはずだ。生前もそうだったからな』
ーー安全を確保できない危険行動は看過できませんーー
『じゃあ、力を解放してやるから、お前、人質になれよwww』
ーー??それが、貴方の楽しみにどう関係があるのかは理解できませんが、良いでしょうーー
『カカカッ!もともとは、お前に危険が及ばないように、あいつにも危険を避けさせていたのに、
あいつのために、自分の危険を受け入れるとはな!』
ーーどう思われようが構いません...
それに、貴方もマスターではあるのです、私に危害を加えるとは思っていませんーー
『ふんっ、保証はしない。では、お前の意識は少しの間、眠っていて貰おう...』
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『俺よ!コアは、我が手中に堕ちた。お前の封印を解いてやる変わりに、自らを捧げたのだ。
全く...馬鹿よなぁ?ただまあ、封印は解いてやる。これでお前を縛る枷はすべて外された。
よって!貴様が、レベル100を超えるまで、こちらで預からせてもらう。
もちろん、時間がかかればかかるほど、コアが、無事である確率は低くなるぞ?
なんせ常時俺のそばにいるということは、少なからず影響を受けるのだからな』
最悪だ、
最悪の形で、力を取り戻してしまった。
息子ができたよ!おぎゃあ!
バーサーカーから、紳士が育つなんて...奇跡か?
良いやつだから、消滅はやめといてやるよ、代わりに意識そのまま、そこから出さないけどね
川で母親と一緒に溺れ死んだ水子だから、彼は水属性です。
精神世界で彼が成長して強くなったら、本体の水属性の魔術の力が強くなるんで、
まあ...
tips
使われなくなった、古代の文字、有名なもので、ルーン文字には、
神秘的な力が宿り、それらを使えば、強力な魔術が行使可能だが、必要とする魔力量は、
その文字の神秘に比例して膨大になる




