27話
弱くなり、封印が強化された状態でダンジョンに入っても大丈夫なのか?
結論、大丈夫
3つまでならパパっと簡単に解除できていた封印が、2つまでならパパっと解除できる程度になった
そのぐらいだからである
そもそもがダンジョンマスター、そこらの覚醒者より魔物について詳しく、
弱点が丸わかりの魔物たちを相手するのはわけなかった
しかし、問題が発生
『この入口、完全にダンマスの出入り専用で、宝箱が一つもねえ』
ユニークモンスターにでも遭遇することがあれば戦いに興じることも出来ただろうが、
所詮は人間をほとんど殺せていない東京のダンジョン
入口のシャドー・ソリッドが一番強い魔物だった
それはすぐに分かったので、アイテムを売って金にしたいと思ったのだが、
宝箱が見当たらないのである
地上にある入口では、4,5時間潜っていたら1つは宝箱が見つかっているような話だった
ちょくちょく出るというのもあって、金さえ払えば一般人でもダンジョンアイテムを手に入れられる
そんな感じだったが...レア度が無価値のアイテムでさえ5万していたのには驚いた
物価自体が激変前より高くなっているが、それでも元の2倍をこえるほどではない
ただまあ、わかりやすく金の価値は半分に落ちたと思ってもらって問題ない
一般級の武器、つまり普通の武器は100万が最低価格、
希少級なんて、奪い合い、殺し合いが起きるレベルだ、値段は億を超える
高等級の武器の存在なんて、一般の覚醒者では知らなかった
というのも、この武器のレア度というのは、ダンマスには常識だが
鑑定か、それに近い能力をもったやつでないとわからないから、知りようもない
特殊能力のあるなしで一般級と希少級を見分けられても、
15%で手に入れられる希少級と、4%で手に入れられる高等級の見分けがつかないということは
知っているやつからしたらかもでしか無いからな
誰も情報を共有するつもりなんて無いだろう
もちろん俺もない
あっ、ちなみに俺は武器の持つエネルギー量を見てレア度をなんとなく見分けられる
スキルを手に入れる前から出来ていた魔力を感じる力だな
もし、隠しステータスに第六感があるとしたらその数値はかなり高いと思う
『おーい、俺は金が欲しいだけなんだ。一般級のアイテムをくれればこれ以上荒らしたりしない。
さっさと帰りたいから宝箱を出してくれー!』
何者か(おそらくここのダンマス)が覗いているのを気づけるぐらいに
ーー探知能力を失ってもすぐにこういうことに気づくから、私、本当にいるのか不安になってきましたーー
とかいわれたけど、普通に便利だからいなくならないでほしい
そして、ダンマスくん?ちゃん?はすぐに行動を起こしてくれたみたいで、
道を曲がったところにいきなり新しい反応があった。宝箱だ
『ごまだれ~』
中身は...ちゃんと一般級だな、ただ、特殊能力がついてるタイプだ
鑑定能力のないやつが見たら希少級に見えるか?ワンチャン騙せることを期待しつつ、
約束通りダンジョンを後にする。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
sideガチでビビってたダンジョンマスター
『ご主人サマぁ〜、あいつレベル10もないですよぉ、なんで素直に従ったんですかぁ〜?
私ならぁ、余裕で倒せましたよぉ〜』
下級悪魔のインプは小さな、だが、女性的な体で抱きつき、甘えるような声で自分のマスターに質問する
『マリンちゃんはわからなかったの?あ、あの人、めちゃくちゃ大量のデバフ付いてたのに
ボクだったら死んじゃうくらいの呪いがかけられてたのに平然としていたんだよ?
じゅ、10レベルにいってないように見えるのも、そ、それのせいだと、おもうんだ...
マリンちゃんが出ても多分瞬殺されてたよ』
ユニークモンスターが出ないのは当然だ、
それらは全員避難させているのだから
ダンジョンマスターの彼は、人間マスターであり
門番にしていたプニルの消滅を感じた瞬間、すぐさまダンジョンに戻った
それは自身の力への自信と、
可愛いペット(シャドー・ソリッド)を殺されたことへの怒りからくる行動だった
彼はもともと、清掃員として働いていたところにダンジョンコアが出現して
天霧のように魔物と争うようなことはなく、簡単にダンジョンマスターになった
彼は特に頭が優れているわけでもなく、短慮で、悪いオトモダチにそそのかされて万引きをしたりしてきたような人間だ
先の展開なんか読めるわけもなく、人を進んで殺せるような胆力もなかった
激変時には彼のダンジョンから魔物はあふれることがなく、難易度が圧倒的に低かった事もあって
初心者用のダンジョンとして’使われている’
使わせているのではなく、使われているのだ
ただ、それだけならどうやってDPを賄っているんだと言われるだろう
彼はモンスターを進化させる才能と幸運を持っていた
今、隣りにいるインプなんかがそうだ
低い確率で生まれるメスのゴブリン
それを魅了能力を上げる方向に育てた結果、インプに進化したのだ
幸運でダンジョンマスターになり、幸運でレアな魔物を召喚する
そこに彼の才能が合わさり、幸運なことに進化する
それまでの不幸を巻き返すかのように、彼の魔物たちは様々な進化を遂げていった
その中には新種も含まれており、
カースジャンカーゴブリンのように、超便利な魔物こそいないものの、
いろいろな種類の魔物は、いろいろな種類の他のダンジョンで買われていった
彼のダンジョンは、DP収入が全体で黒字に収まっている
ある種、成功したダンジョンとも言えるだろう
そして、その手に入ったDPは彼が強くなるために使われ、覚醒者として頭角を現している
それ故の自信、それ故に、分かる程度の力を持っていた
あれは無理だ
ひと目見てそれがわかった
下手に手を出したら完全に潰される
怖かった。圧倒的強者を見たというのもあるが、名前をつけた皆を、家族を失うのが...
魔物を一気に下がらせてこっちに来られても困るので、申し訳ないが、
ユニークモンスターから先に下がらせて、他を囮にした
幸い、あれは一般級の武器を渡したら本当に帰ったので良かったが、
正直、生きた心地がしなかった
強くなり、次、天霧が来てもなんとかできるように力をつけよう
そう決心した彼の掲示板の名前は、【右目を封印されし者】
ネット弁慶で、掲示板内での勢いは強いが、
リアルでは厨二病キャラを演じていないとまともに人と会話もできないコミュ障である
右目氏は、オタク氏とハチ公氏とは交流があります
そしてオタク氏は配慮のバケモンで、人外マスターとも普通に交流を持っていて、
東京中のダンマスに天霧が、やばいバケモン来たって知られます
tips
大罪の対、美徳系のスキルは人間が手に入れることを想定してるのか、いないのか...
条件の大抵が、人型種族であることと、7美徳を極論すぎるだろうと言われるレベルで遂行するのが獲得条件なんで、...うん、多分、人間で手に入れる人はいないかな




