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18話

side 羅刹

今向かったとしても、残っているであろう他の者達が全てあいつの手駒になったとしても、俺が勝つことは変わらない


だが、あいつに真面目に戦う気があればの話、呪術師であるあいつの力について、俺はよくわかっていない


呪物を作れるだけの職業、最初はそう思っていた。


でも、新種を作ったと聞いて、それは思い違いだとわかった。


明らかな叛心、わかっていても、力のある貴重な同族、それだけで失ったときの損失が大きすぎた。

そしてあいつはそのことを自覚していた。


生まれてからそんなに時は経っていないが、性格はよく知っている


確実でなければ行動を起こせない...

つまり、今回の俺を煽るような言動は何か思惑があるはずだ


己の死を許容する質でも無いから、殺されない程度のことか、殺せないようにしているか、


前者だった場合、歯がゆいが、次から気をつければいいが、

後者だった場合、致命的なことになりかねない


練気の熟練度が上がった程度で導馬の想定を上回れるとは思っていない。


残る17体の同族には申し訳ないが、もうすぐ追いつくであろう120のゴブリン達を確実に守るために耐えてもらうしか...


ッ!


なんたる僥倖、1つ、2つ、3つ、4つ、...10人もの人間がこんな壊滅状態の町で生きているとは!


人間は強さの割に経験値が多く感じる、生きた年数の差だろう

氣はどれも大きく、レベルが上っている者たちばかりだが、酒気で思考能力を一気に落とし、素早く処理する


そして、これで進化が出来るようになった




進化の樹、枝分かれする選択肢が俺には樹に見えるのだ

選ぶ方法は簡単だ、進化できる可能性があれば、花が咲いており、進化可能になったら実ができる

実を食べることで樹は伸び、他の選択肢は枯れてゆく


選ぶものは決めてある、エウポリアオーガ、豊穣の鬼

生命力に富み、豊穣や繁栄の力を持つ鬼


単純な攻撃力、破壊力なら選択肢の中で最も〝弱い〟種族だが、

氣との相性が最も良い種族はこれだ


そしてこの種族はまだ存在しない種族、新種、であり、これの次の進化先には、同族の成長の促進を見込める種族があるため、これにした。


そも、どの進化先でも、進化すれば導馬の予想外の能力に目覚めるため

どれが正解かというと全部正解になる


さて、急ごうか

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

side 導馬

羅刹の進化を感じた導魔は急いで呪物を作り始める

2体マスターの方に逃げられてしまったが問題なく作れる


『我の力に成れる栄誉をわからぬ愚物め、効果が落ちるだろうが!』


ブツクサと文句を言いながらカズクラがあれば必要なかった素材を解体して、

丁寧に加工していく工程にストレスを感じながら

肉を剥ぎ、心臓をつなぎ合わせ核にし、あばら骨で鎧の形にする


かなり悪趣味な見た目だが、それを補って余るほど高性能だ

「氣の生成」「氣の付与」「呪力を氣に変換」「氣を呪力に変換」「自己成長」「装着者への呪詛」


〝飲めや唄えや宴の華〟より能力面では劣るが、こちらのほうが使いまわしやすい


それに羅刹があれの真名を知らない限り完全に能力を使うことが出来ないため、

装備面では圧倒的に有利だ


これで進化してい羅刹には勝てる想定だったのに...


まあ、予想の範疇だ


殺すことは出来ないだろうと思っていた


だからこそ、今回は毒を仕込むまでにするのだ

我が諦めたように思わせ、あいつの願いを潰してやる


そして、我にしかそれを解決できない状況にすれば、殺されもしない...

もはや王になるというのはかなわんのだ、死なないのなら犠牲も厭わない


マスターがどう反応するのかが不安要素ではあるが、あの方の思考はいまいち読めん

考えるだけ無駄だ



〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

羅刹が到着した

遅すぎる!この数分間、暇で暇で、死にそうだったぞ



『遅れてすまない生き残ったのは7体か...導馬、申し開きはあるか?』


『いや、ないな。早くかかってこい』


2人の戦いが始まった

羅刹は一瞬で距離を詰め、拳をふるう

それに対して導馬は呪物で防ぎ、呪力により腐食攻撃で反撃した


腐食攻撃は生命力を呪力で侵食し、腐らせる攻撃のようで、羅刹の纏う氣が少しだけ削れているのが見える


羅刹は後ろに飛び退き、腕を動かし、問題が無いことを確認すると、背後に回り込み背中を攻撃する


しかし、導馬の周りに黒い氣が漂い、殴りかかったはずの羅刹のほうが逆にダメージを負った


黒い氣には呪力と同じように侵食する力があるようで、攻撃すると、羅刹にもダメージがはいる

これでは攻撃できず、一方的になるかと思われたが、羅刹はすぐさま体に纏っていた氣を拳と足に集中し、

高速で重い攻撃を大量に叩き込むことで黒い氣に侵食される速度を上回り、自分が負うダメージよりも相手に多くのダメージを与えるという脳筋戦法を始めた


こんなことをしたら自分の守りが薄くなって黒い氣で攻撃されたら勝負が決まってしまうような馬鹿な戦法だったが、

進化した上にレベルの上がった練気によって、導馬の反射神経では対応できないほどの速度で動くことが可能になっており、導馬が剣を振り下ろしたときにはすでにその場に羅刹は居ない


導馬に勝ち目はない、それだというのに勝負は長引いていく


理由は、羅刹がまだ、導馬を殺すことをためらっているのもあるが、いくつもの呪物によって強化されまくっている導馬の剣術が、かなり守備的であり、まだ何かがあるのではと、焦っていることが、

羅刹の実力の100%を発揮させず、そして、2人を囲うように動いているカースジャンカー達の動きが何を意味しているのかを理解できないでいた


カースジャンカーたちはこの戦いにおいて弱すぎる

その事実が無意識のうちに警戒度を引き下げ、意識は導馬へと向かう


導馬は導馬で焦っていた

体の防御を薄めるという愚行を好機と捕らえ、放った攻撃を簡単に躱され、足を攻撃されたため

身代わりの護符が3枚もなくなってしまったからだ。


身代わりの護符は進化し、自身の力のみで強力な呪物を作れるようになった今の自分でもカズクラが無いと作れないだろう高難易度の呪物


そもそも呪物の作成は秘伝の術であったり、生まれながらそういった物を作れる種族でなければ弱いものでも出来ないものであり、独自の術式を生み出した導馬は天才なのだ


しかし、天才であっても生まれてから数日しか経っていない低位の魔物ゴブリン

どれだけ優れた才能があっても時間が足りていない


それでもゴブリンである導馬が呪物を作れていたのはやはりカズクラのおかげ、

呪物作成を音楽で例えるなら、

本来の呪物作成は、楽器の扱い方を習い、反復練習をして出来るようになっていくものであり、

カズクラを用いた導馬の呪物作成は、音ゲーでリズムに合わせてボタンをタッチするだけのもの


カズクラを作るのはゲーム機を作るのと同じようなもので、作成難易度は他と比べて別次元で高いが、

素材が難しい基礎部分が完成していたような状態のものであったため、運よく初心者呪術師であった導馬であっても作ることが出来たのだ


話を戻すと、とても貴重な護符を3枚も失ってしまったため慎重に行動しなければあっという間にやられてしまう。


残りの護符は5枚、呪力でガードの薄い胴体を牽制し、それをすり抜けてきた羅刹のラッシュを剣で受け流す。


氣と呪力を混ぜた黒い氣で範囲攻撃をすると離れていくが、この攻防のたびに1枚の護符を削られる


すべての護符を使い切る前に術を完成させることができれば導馬の勝ち、できなければ負け


そして、25分後、

護符が最後の1枚になったと同時に導馬の術が完成した


『これを喰らえ!羅刹!!』


『なんだ?!』


周りを囲むカースジャンカーゴブリンは手に持っていた呪物をかかげ、その場に倒れ始める


呪物からは鎖が伸び、羅刹に向かって伸びてゆく

羅刹はこれを弾こうとしたがすり抜けていく、この鎖は見た目だけであり、この術は発動した時点で陣の中にいるものに効果を発揮し、防ぐにはそもそも当たらないか、その術の効果に対して耐性を持っていなければ不可能な代物だったのだ

最後に発動した呪術の効果は死に至らしめるようなものではありません

くだらない効果だけど、羅刹が嫌がるものです。

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