2話
サラマンダーは全身から熱を放出させて近づくものをなぎ倒し、ブレスで鬼に攻撃を仕掛ける。
スケルトンは氷の槍を周りに出現させて全体攻撃をする。
ゴブリンはざっと見たところ、400体ほど見えるが次々と倒されていき、
鬼は攻撃をものともせずスケルトンとサラマンダーに重い攻撃を繰り出している。
俺はあまりの光景にあぜんとした。
魔物が出ることは魔力や氣の存在を感じ取った時点でなんとなく予想はしていた。
しかし、普通こういったファンタジーものはゴブリンやスライムといった雑魚敵から徐々に強くなっていくもんだろ!
確かにゴブリンはいるが、数が多すぎるし、ゴブリン以外にも明らか強そうな奴らが三体もいるなんてこんなクソ展開誰も喜ばねえよ!
そう独りごちるが、その顔には喜色が浮かんでいた。
気づいたときには体が動いていた。そう言うんだろうか、俺は氣を練り、戦闘態勢に移っていた。
あの三体はこちらを一瞥し、そのまま互いに攻撃しあい、ゴブリンは棍棒を構えてこちらに集まってくる。
ゴブリンは見たところ人間の子供程度の身体能力、しかし、屈強な男だとしても大勢の子どもに押されたら踏ん張ることはできない。
知能が低いのか、まとまって集団戦法を仕掛けるわけでもなく、それぞれで俺に飛びかかってくる、
氣を使うことでそこらのアスリートより高い身体能力を得た俺でなければ数の暴力でなすすべもなく殺されてしまうだろう。
俺は回し蹴りやヤクザキックで次々と襲ってくるゴブリンを蹴り飛ばしていく。ほとんどが一撃で沈み、そうでなくても十分な距離引き離すことができる。
普通だったら生き物を殺す感覚に不快感を覚えたかも知れないが、興奮状態であったためかそれとも人間性の問題か、気にならず、〝氣〟のお風で持久力もアップしているから疲れは感じられない。
今、こちらに向かってきているのは400ほどいた全体の5分の3程度だ。つまり240体のゴブリンを相手にし、その上でこいつらを倒したあとのあの三体と戦えるだけの力を残さないといけない。
まあこの調子ならゴブリンの方は問題ない。
あの三体も互いに削り合ってただではすまないだろう。
思考を巡らせている間に周りにいたゴブリンの数は70体ほどになっていた。
余裕ができてきて気づいたことがある。それは俺の身体能力が戦い始める前のときより上がっているように感じるのだ。
戦いの中で氣の練度が上がったおかげ、確かにそれもあるかもしれない、しかし嫌な予感がよぎった。
これはレベルアップのような現象は人間だけにもたらされるなんて都合のいいことがあるのか?
やばい!!
おそらくレベルアップで強くなれるのは俺だけではないはずだ!俺は急いで残りのゴブリンを倒し、三体の方を見た。ちょうど鬼がスケルトンの頭を握りつぶす瞬間だった。
そして鬼の筋肉が膨れ上がり、咆哮をした。明らかにさっきとレベルが違う、三つ巴で互角に見えていたサラマンダーが防戦一方になっていた。地面を溶かすブレスを再生能力でゴリ押す、全身からでる熱波ではダメージを与えることもできず、倒されるのは時間の問題だろう。
突破口を探そうと辺りを見回すと珠を見つけた。
その場所は魔物たちが争っていた中心で、よく見るとそれから大量の魔素が出ているのが見て取れた。
何もしないよりか、一か八かかけてみるしか無い!
俺は珠に向かって走り出した。




