伝説のガンマンがやってきた
私に撃ち抜けないものなどない。好きな言葉は一撃必殺。好きな銃はスノーエンジェル。好きな食べ物ははちみつをかけたヨーグルト。さてさて、今回のターゲットは誰かな?
「そこのお嬢さん。このへんに吸血鬼が住んでる家があるらしいんだがどこにあるか知らないかい?」
「お姉さん、それ多分私のことよ」
「え?」
これがあの『はじまりの吸血鬼』なのか? うーん、まあ、吸血鬼だからな。見た目で強さを判断するのは困難だ。
「それで? お姉さんは私を殺しに来たの? それとも私の遊び相手になってくれるの?」
「お嬢さんはどちらをお好みかな?」
「お姉さんができそうな方でいいわよ」
「そうか。じゃあ、私の得意な方を選ばせてもらうよ」
「そう。じゃあ、私についてきて。やりやすい場所があるから」
「分かった」
ここは『刹那の隙間』。
「いつでもいいわよ」
「そうか。では、一撃で終わらせてあげよう。スノーエンジェル! キラーモード!!」
「答えはイエスだ」
「雪みたいな色の銃ね」
「正解。これは雪でできているのさ。ちなみに作り方は乙女の秘密だ」
「へえ、そうなの」
「一撃必殺! 撃ち抜け! キラーバレット!!」
この弾丸は必中かつ必殺。当たれば生物だろうと言葉だろうと確実に死ぬ。だからこれを防ぐ術はない!
「残念。私以外の吸血鬼だったら殺せたかもね」
「な、なんだ! 今のは! 見えない壁にでも当たったのか!!」
「正解。私の周囲にはいつも見えない壁があるのよ。ちなみに作り方は乙女の秘密よ」
「そうか。では、私はこれで失礼する」
「このまま帰ったらお姉さん組織の人に殺されちゃうよ」
「だろうな。だが君と会えた。私はそれで満足している」
「ふーん、そうなんだ。でも、私はお姉さんとまた会いたいって思ってるよ」
「それは嬉しいが失敗は失敗だ。素直に死を受け入れるよ」
「ダメ。死なないで。死んだら許さない。えいっ!」
「……! お嬢さん、今私に何をした?」
「お姉さんの命を私のものにしたんだよ。これでお姉さんは私が死なない限り死ねなくなった。よかったね、お姉さん」
「は、ははは、すごいな、君は。だが私は諦めない。次こそ君を仕留めてみせるよ」
「期待せずに待ってるからいつでも来ていいよ」
「ああ。では、また会おう」
「うん」
「……変わった人だったな」
「私を受け入れてくれたアユムよりかは変人じゃないよ」
「そうなのか?」
「そうよ」
「そっかー。じゃあ、帰るか」
「うん!!」




