表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第五章 土の国編
83/93

第七十八話「太守閣」

(堅陣龍……)


 俺は思っていた。

 堅陣龍ゴライアスを、この国との関係を。

 そして、この事態を。


 あの人と、ハグワンドさんから話を聞いて考え込むロベルト。


(考え込んでいるのぉ)


 ハグワンドは考え込むロベルトを見て思った。

 この若い年にして、こんなにも落ち着き考えている。

 彼の目は真剣そのもの。


(どうにも、17という年令には見えんのぉ)


 精神が研ぎ澄まされているようじゃ。

 最新まで成人もしてなかった事は思わん、そう思っていた。


 ロベルトの事は話で聞いていたので、知っている。

 

「むぅ………」

「………」


 ロベルトは考え込み、ハグワンドはそれを見て唸っている。

 しゃべりにくい空気だ。

 

「重い空気ね」


 その空気を壊すかのごとく、先程の女性が間に入っくる。 


「堅陣龍の事でしょうけど」

「うむ。まぁそうじゃな」

「私達にとっても突然の事。無理もないわね」


 女性はそう言う。

 

「それより。私は彼に用があるの、すこし借りるわね」

「あぁ」


 ロベルトに用があるとのこと。

 なんだろうか、彼女とロベルトはあったことのない初対面。

 なのに、何があると言うのだろうか。


 彼女はロベルトに近づき、後ろから話しかける。


「ちょっと」


 誰かに話しかけられた気がした。


「あなたに用があるの」


 用、だって?


 俺になんの用があるんだ。

 さっきの堅陣龍のことか、いや……俺に聞いたと所で、意味はないだろう。


(分からない)


 とりあえず、俺は一旦考えるのを辞め、後ろに振り向く。


(あ……)


 そこには先程すこし話した、あのお偉いさんがいた。

 その人が俺になんのようで……。


「貴方に用があるわ」

「俺に、用……?」

「えぇ。話したいこと、聞きたいこと……それと、あと少し」

「はぁ」


 なんだ、事情調査か?

 いきなりそんな事言われてもなぁ……。


 でも、断るわけには行かないし。

 相手はこの国のお偉い方。

 断ったらなにされるか分からない、怖い。


「聞いても?」

「……分かりました」

「少しどけ時間を取るけど、構わないわね?」

「えっ、あ、まぁ……大丈夫です」


 そうして、俺への質問攻めが開始された。

 


 Q1「まず最初の確認……。貴女の"名前"を教えてくれないかしら」


 そういえば、まだ名前すら言っていなかったな。


「ロベルト・クリフ。17歳です」

「ふむふむ」


(ロベルト・クリフ。特に偽る様子もないし、ドワーフの人が言う名前と一致する、名前は合ってるわね………それと、17、若いわね)


 女性は軽く考える仕草を見せる。

 その数秒後、ロベルトに向かいこう言う。


「名前は確認したわ。それと、次の質問の前に、私の方からも名前を言っておくわ」

「あ、名前……」


 そして、女性はどこからか紙を取出し、それに何かを書き込む。

 

 それにしても、紙か。

 それも結構高そうな紙だ。

 国のお偉いさんは伊達じゃないということか。

 お金沢山なのだろう、分けてほしい。


 女性は書き込みが終わったあと、その紙を俺の目に入るように前に出す。

 その紙には……。


「……ニヴェリー?」


 そう書かれていた。


「そう。私の名前はニヴェリー、覚えておきなさいね?」

「えっ、はい……」


 流れに流されてしまったな。

 それより、また1文の名前。

 俺やグラスさんみたいに、◯・◯ではないのだろうか。


(あーもしかしたら、国ごとに違うのだろうか)


 考えていると、ニヴェリーさんにより次の質問に進められた。


 Q2「貴方は旅人のようだけど。なんのためここに来たのかしら?」


 次は行動目的か。

 旅人に聞いても旅で来ていますと思うが、いいのだろうか。 


 まぁ……でも、ここは答えておこう。

 それに聖水もあるし。


「えー、この国に来たのは主に……人探し。そして聖水を届けるために」

「ふむ……ん、聖水?」


 聖水の部分になにやら、感づいたようだ。

 こちらを見ている。


「えぇ、俺の仕事で土の国のための聖水をととげるために」

「聖水は、どこにあるのかしら?」

「聖水は……あー、宿ですね」


 今は手持ちにはない。

 バックもない、肩の剣しかありません。

 まぁ……今日は良い気分で外にお出掛けに来てるからな。


 そして良い気分でお出かけして、偶然ハグワンドさんと出会って。

 楽しく食事中に地震発生。

 その後に、堅陣龍が渓谷に現る。


 いきなり過ぎて分からない。

 それにニヴェリーさんもだ。


(! もしや、この人があいつが言っていた刺客……?)


「その聖水を用意できるのは。アトリス王国、生命の大樹付近の街、貴方はどちらかしら?」

「アトリス王国から来ました」

「わかったわ。では、聖水は……そうね」


 女性が腕を組み考え始める。

 そして、少し上を向いたと、こちらに向き直りこう答えた。


「それなら、今日の夜。私たちの本拠点へと参ってほしいわ」

「本拠点?」

「えぇ、拠点へと参り、私の元へ聖水を届けに来て貰えるかしら」


 本拠点か……。

 そこに行き、聖水を届ける。

 これで目的は完了でいいのかな?


(よし、いいぞ)


「貴方も」

「儂もか……」


 どうやらハグワンドさんも本拠点に呼ばれるらしい。


「あの、ちなみに本拠点って、どこにあるんだ?」

「立派な建物。見れば分かるわ……それじゃあ、よろしく頼みますよ」


 そう言われでもな。

 あ、行ってしまう。

 早い、歩くのが早い。


(行ってしまった……さて、夜か) 

 

 俺とハグワンドさんで行くことになる。

 ローバンさんは無理だろう、指名手配中だし。


 セイランは……いなかったんだった。

 どこに行ったのだろうか。


 それよりも……。


(また用事を作ってしまったな)




‐‐‐




 夜


「それで、行くのか?」 

「はい」


 夜、少し支度したあと、ローバンさんと話し合っていた。


 夜といっても、まだ薄暗い。

 完全に真っ暗というわけではない。

 まぁ……真っ暗でも、炎の光で明るいけど。


「大丈夫か?」

「なにがです?」

「そのニヴェリーという者、俺の知ってる限りだと、そんないい人ではないが」

「そうなんですか?」


 そんな話初耳だ。

 だが、見た感じだと、美しくていい人そうだけど。


「まぁ、お前次第だ。行ってみなければ分からない」

「そうですね」


 そんな他愛のない話を続けていくうちに、時間が過ぎていく。

 そしていつの間にか、7時を回っていた。


(もうこんな時間か……)


「では、そろそろ」

「あぁ、時間的に急いだほうがいいぞ」


 それは確かに。

 少し急ぎ目に行こう。

 夜は暗いし、迷ったら困るけど。


 最後に荷物の確認。

 うん、バック所持、よし。

 護身用剣、よし。

 そして、土の聖水、よし。


 準備は整った。


「行ってきまーす」


 俺は出発した。

 ここからは猛スピードだ。


 素早く扉をしめ、廊下を音を立てないように走る。

 そして階段を素早く降りる。

 転ばないように。


「出かける」


 走りながら、一言宿の受付に挨拶して扉を通る。  

 扉は閉める。


 外は夜、真っ暗。

 まぁ、火が灯ってるので、多少は明るいけど。

 だが、それだけでは心もとない。


 なので炎魔法で、手のひらに炎を浮かせる。

 これを最大限に使う。


 そうすれば、周りの光となれる。

 遠くからみたら火の玉にしか見えないが、不安だからね。


 さて、本拠点の場所。


 ローバンさんから聞いた話ならば、今いる右渓谷のどこかにあると。


 あと、炎が灯っており、立派で派手な建物なのですぐ見つかるらしい。


 俺が立っている右の上側。

 あっちに何か、すごい明るい光が薄ら薄ら見える。


(あそこだ、あそこにある)


 上なので、階段を一気に登り上へと上がっていく。

 登り切るのに胆力が必要。

 足がつかれる、だがここでは終わらない。


(まだまだ!)


 勢いよく登り続け、登りきった。


 少し膝に腕をつけ、少し息を何度かはいたあと。

 急いで走り出す。


 走っている途中、前方を見ると、地面にそれらしい看板が立っていた。


(はぁ……はぁ……なんだ……これ?)


 俺は立ち止まり、その看板を見る。


 『この先、『天地の太守閣』天に広く、遥かな大地、天と地の大きな力を表した建物。

 一人の天主。

 下に2人の準主にて管理されています。

 御用の方は、入口にて』


「ここだ」


 この看板のある先、そこに大守閣はある。


 一人の天主がニヴェリーさんだろう。

 その下に準主が居るのだろう。


 そうと決まれば、早速行ってみよう。


 あの光の先へ。


 俺走る、そして走り抜けると、渓谷が大きくごっそり削られた場所に到着。

 

 そしてそこに太守閣はあった。

 文字通り大きく立派、そして派手!

 とても印象に残るような見た目、大きさを誇る建物。


 これがそうだ。


「来たぞ、太守閣!」


 大守閣に到着した。


 ここからみてもとても立派だな、重要な場所だってひと目で分かる。


 ニヴェリーさんの話だと、たぶんここにいるはず。

 入口から入って、ニヴェリーさんの下へと向かう。


 そういえばどこに居るかは分からないな……聞けばいいか。


 よし、やる事は決まった。 

 さて、太守閣に入るとしよう、入る許可はもらっている。


 太守閣へと向かい歩き出す、入口はあの扉だろう。

 目立っているので分かりやすい、配慮は万全のようだ。


 扉はオレンジ色の模様に木出できた頑丈な扉。

 土の国らしい装飾もされている。 


 扉を押し、開ける、中に入ると広い空間に出た。


 壁に松明が掛けられ、天井にはシャンデリラ、合ってはないけど綺麗。

 そして真ん中に大きな柱、それを囲うように曲がったカウンターが置かれている。

 受付は3人か。


 周りには物を置くための台、そして何かの資料。

 周りにも人だ。

 そして目に入るのは右側と左側に見える大きな螺旋階段(らせんかいだん)


 中もバッチリ……っと、早く受付に聞きに行こう。


 受付は3人、まぁ……俺の正面の人でいいだろう。

 受付カウンターに向かう、並んだりはしてないので早く行けた。


「すみません」

「あ、はい。ようこそ太守閣へ」

「えぇ、あの……用がありまして、大事な事なんですが」 

「はぁ……」


 ふと思った、ニヴェリーさんはお偉いさん。

 そう安安と名前を出したり、この事を大きく言っていいのだろうか。

 

「あの、少し小声でお願いします」

「はぁ……はい」


 俺はカウンターに右腕を置いて、受付の人に近づく。

 そして右手でコソコソと喋る、周りからみれば、密談だな。



さて、ニヴェリーさんは天主だったな。


「実は……私、かの天主殿に、ここへ呼ばれているのです」

「えっ、ええ!?」

「あ。静かに」

「あ、すみません……」


 ちょっと声が大きかったな、まぁ……驚くのは当然だろう。


「そ、それは本当ですか?」

「えぇ、今日の夜、こちらに参れと言われたもので」

「えぇ? ど、どういうことですか?」

「はぁ?」


 伝えた、だが話がなんだか、合わないような感じだ。


 受付の人は、どこかおかしな顔をしている。

 

「だから、今日の昼頃にそう言われて」

「ですが……天主様は―――」



「天主様は現在、アトリス王国へと向かわれております」


 はい?


 え、どういうこと? アトリス王国だって?


 ここ、土の国だよな……でも、今日見たよな、地震のときも。

 あんな流暢に話していた……あれは幻覚だったのか?


(ちょっとわからないな)


「ですが……今日の昼、見かけましたので」

「えぇ……? えっと……なにを?」

「なにって……地震のあと、私はこちらへ参れとと言われました。お偉いさんである女性から」

「…………あぁ!」


 女性は、俺の言葉を聞いたあと、少し考える。

 そして、突然なにかに気づいたかのように声を上げた、分かったか。


「ふふっ、あなた勘違いしてますよ」

「勘違い?」


 勘違いだって、なにをだ?


「貴方は、ニヴェリー様の事を言っているのですよね?」

「あ、あぁはい、そうです」

「ニヴェリー様は天主ではなく、準主なのですよ」


 あぁ、そうだったのか。

 てっきり、この国の管理とか言うものだから、ずっとトップだと思っていた。

 

 じゃあ、この国の実質トップは誰なんだ……?


「ちなみに。天主様はニヴェリー様のお父君なのです」


 お・父・さ・ん・かよ。


 はぁ……恥かいてしまった、こんな勘違いをしてしまうとは。


 ロベルトよ、なんて情けない。


「さて、準主様に、用があるのですね……?」

「はい」


 そうだった、さぁ、用を済ますとしよう。


「見たところ……配達員、貿易、どれにも見えませんが……」


 そう言って、俺の姿を隅々まで見る、そんなジロジロと……。


「まぁ……いいでしょう。一旦人を通します。少々お待ち下さいね」


 そう言って、受付の人は、人を呼び、先程のことを伝える。

 伝え終わったあと、その人は階段を伝って上へと上がっていった。


 ニヴェリーさんは上にいるのか。


 そして数分経ったあと人が戻ってきた、受付に事を伝えている。


「……そうですか、ありがとうございます」


 一言お礼を言うと、その人は持ち場へと戻っていった。

 受付の人は、こちらへと向き直る。


 そして一言。


「許可が出ました。準主様の部屋は。3階右廊下、その扉の奥に居ます」


 ちょっと複雑だな、てか3階か。


「正式な場所なので、品の悪い事はお辞めに、それでは。ニヴェリー様がお呼びです」

「あぁ、ありがとうございます」


 お礼を言ったあと、右側の階段から登りに階へと向かった。


 

 二階は、またもや机や物、荷物なことで一杯一杯だ。

 仕事天国ということか、大変だな。

 

 よく見たら、変な鉱石もある……それを見たり触ったりしている。

  研究なのだろう、物質の。


 長くは見てはいられないので、続く階段を登り3階へと急いだ。


 3階に着くと、3つの方向に廊下が分かれていた。

 

(ニヴェリーさんは、右だな)


 こちらから見て、右の方向の廊下を歩く、歩いていると扉、そして。

  

 一人の人物が見えた。


 見た感じあの人は男の人、先客が居たようだ、挨拶しよ。


 俺は後ろから近づき、声をかける。


「あのぉ……すみませんー」

「!」


 俺の声に驚いたか、男の人は後ろへと振り向く。

 若い人だ、整った顔をしている。

 服装は土の国模様の服みたいだか、全体的に黒い。

 ひと目で分かるが、俺より身長が低い。


「ここ……ニヴェリーさんの、部屋で合ってますか?」

「………あぁ」


 良かった、合っていたようだ。


「お前は誰だ?」


 ちょっと疑われてるのだな、まぁそれは仕方ないか。


「俺はロベルト・クリフです」

「ロベルトか………どうやって近づいた」


 力強い目、タカのような目だぜ。

 こちらを鋭く捉えている、俺、何かしたか……?

 

(何もしてないよな、うん。だよな)


 心に聞いても、何も無い、なんで疑うのだろうか。


「ただ、後ろから」

「そうか」

「それより、貴方もここに用が」

「あぁ、呼ばれている」


 同じだったようだ、それなら今なにをしてるんだ?


「今は?」

「待っているとこだ」


 待っているところか、中でなにか準備でもしてるのだろう。

 俺も、部屋に誰かが入るとき、少し待たせる。


 部屋が散らかっていたら、見映えが悪いだろう。


 と、思っていると、部屋の中から声が聞こえた。

 ニヴェリーさんだろう。


「入るぞ」

「あぁ」


 男が扉を開け、中に入る。俺もあとに続く。


 中に入ると、またもや豪華な内装、色分なものが置かれている。 

 そして中央には高級そうな机、イス、そこにニヴェリーさんは座っていた。


 社長室だな。


「よく来てくれたわね、アラン。そしてロベルト」


 ご丁寧にお出迎えどうも。


 あと、あの若い男はアランというのか。


「10分待った。先に用を言ってもらおうか、準主さん」

「えぇ、そのつもりよ」


 そう言って、ニヴェリーさんは、資料を持ってくる。

 ちなみにだが、席からは一切動いてない、棚や机の上の資料を素早く持ってきているのだ。


 それも慣れた手つきだ。


「貴方宛の手紙よ」


 先程の資料を、アランのもとに届くよ飛ばす、ゆらゆらと。


「なんだ?」

「冒険者の貴方にとって、大事な手紙。よくみなさい、重要よ」

「………」


 アランは手紙の中を隅々まで見渡す、そして段々顔色が赤くなっていく。


「なんだと!」

「!?」


 そして、いきなり叫びだした。


「待機、ここで? ふざけるなよ、何ヶ月待ったと思っている。なぜここにいかなければならない!」

「仕方ないわ、冒険者協会の伝言なのだから」


 そう言うとまたもや、アランの顔色が赤くなった。

 色々とあるようだ、関わったら面倒臭いことになる。

 

「……あんたの権力ならどうにでもできるだろう」

「その後が怖いのよ。相手は冒険者組織……つまり、アトリス王国」


 冒険者組織。

 アトリス王国が大々的に始め、今では全世界に広がった組織。

 基本的には依頼式、冒険者は依頼をこなし成形を立てるのだ。


「くそ……いつまでこの国にいればいいんだ」

「一ヶ月は居てもらうわ」


 アランは大きく舌打ちをして、後ろへと歩き敷き詰められた本に腰をおろした。


 囚われているのだろう、組織からここにいろと。

 囚われ……ということは、遠征班なのだろう。


「さて」

「あ」


 俺の番か、よし。


「では、クリフさん」

「あ、はい」

「用……その前に、聖水をこちらに」

  

 おっと、そうだった。


 俺は鞄から慎重に土の聖水を取出し、慎重にニヴェリーさんに渡す。


 よし、行ったか。

 これでいいだろう、聖水。

 

「………確かに受け取ったわ。さて、本題に入ろうかしら」


 聖水を棚に収納したあと、こちらに向き直り腕を組む。

 

 どこかの父親のような手の組み方だ。


「クリフさん。あなたは力気、魔力をご存知?」

「そりゃ、基礎知識なので」


 子供の頃に習うこと、貧乏な子供でもそのくらいは知っている。


「では、あなた力気、そして魔力を認識できますか?」

「できます」


 戦闘中にさんざんやる事だ、慣れている、集中しないとできないけど。


「ふむ……では、後ろの男の力気、魔力を測ってみてください」

「あぁ?」


 ニヴェリーの言葉に、アランが唸り声を上げた。


 ちょっと怖いけど、測ってみるか。


 俺は後ろを向き、アランに集中する、「測るのかよ……」という言葉が聞こえたが、気にしない。


 集中し、相手の力気、魔力を測り、実力を捻り出す。


「む……」


 お、湧き出てきた。

 

 力気、魔力のオーラが溢れ出てきている、全体的に力気が多い、魔力も少し感じるぞ……。


 このオーラ的にも強い、見た目が若いのに反して、凄いな。


「測れたかしら」

「えぇ」

「では、私も測ってもらいましょうか」

「えぇ……」


 疲れるんだよな……。

 

 俺は再度測る、結果的にはアランと真逆であった。

 魔力が多く、力気が少し。


 人によって戦士タイプ、魔法使いタイプがあるのだ。


「測れたわね、お疲れ様」

「あぁ」


 一度に魔力や力気が多い人を測ると、とても疲れる、精神にくる。


 読み酔い、というやつだ、なかなか厄介なんだよな……頭ジンジンする。


「測ってもらったけど……読みは、他人だけじゃなく、自分でも測れるのよ?」

「えっ?」


 自分で測れるのか? 力気とか、魔力も。

 本当なのか? だって、普通水晶玉を使って測らないと無理だ。


 それを、自分で測るのかよ、ここでか?


「なにを教えようと言うんだ」


 アランが口を挟む、しかしニヴェリーはそれを無視して話を進める。


「自分で測れると楽でしょう、ぜひやってみたい。そう思うでしょう」

「それはまぁ……本当に、できるのか?」

「えぇ。でも、それなりの集中力と見極める力が必要だけど」


 結局は相当な訓練をしないと無理なのか、それもそうか。


「でも」

「でも?」


「簡単に測る方法があるのよ?」


「……!」


 本当なのか、それは。

 

 なんなんだ、その方法、急に気になってきたぞ。

 知りたい、知ってみたい。方法があるのならば、それは。


「それはなんだ……!」


 ニヴェリーさんが薄く、口をニヤつかせる。


「それは―――」


 その時、ドアがトントンとノックされた、誰か来たようだ。


「入っていいわよ」

 

 ニヴェリーさんが、手を机に置き、外に聞こえるよう言う。

 それに応じてドアが開かれ、中に人が入ってくる。


 従業員だろうか……あの耳はエルフか。


「わっ」


 その人は、俺とアランを見て、驚く。

 

 すみませんね、俺達いま、取込み中なんですよね、はい。


「言っていいわよ」

「あ、はい。ゔん……ニヴェリー様、そろそろ、会議のお時間で」

「あら、もうそんな時間。分かったわ、ありがとうね」

「い、いえ」


 報告の後、あの人は、扉から出ていった……会議か。


「会議あるんですね」

「それはもちろん。私はこの国の管理者なので、国の行先を決める会議は必須なのです。貴方も体験しますか?」

「えっ、いいんですか?」

「もちろん」


 まさか、会議を体験していいとは……よい時に訪れたものだ。


 貴重な体験だ、行く他あるまい。


「ならば、ぜひ」


 俺はそう答える。


 会議か……楽しみだ。


 ワクワクしてきた。


 心のなかで、がっポーズを取った。


「アランさん。あなたもよ」

「あぁ」


 アランさんも一緒に行くようだ、さて会議か……どんな感じなのだろう。


(国の会議だし、国会みたいな感じなのだろうか……まぁ、詳しくは見てからのお楽しみだ!)


「では、着いてきて。会議所は一階よ」


 そう言って、二ヴェリーさんが扉を開け、歩き出した、アランさんもその後についでいく。

 俺も行くとしよう。




 次回! 五章 土の国とゴライアス



 


 

 

 

 

 

 

 

 


 

 



 

 

 

良ければ☆評価、ブクマ、イイね、ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ