第七話「勇者とリシア、そして迷子」
長くなりました。
―――「兄は私に、勇者を教えてくれました」
『勇者レッドと魔王の戦い』
旧時代
昔々あるところに、悪を望み、悪の限りを尽くす魔王がいました。
魔王は人が住む、町を侵略しては、建物を破壊し金を奪っていきました。
その後、魔物たちを城に住まわせ、闇の帝国を気づきあげました。
そのおかげか、城はすっかり衰退。
人々は徐々に景気を失くしていきました。
しかしその時。
一人の人間が突如として現れました。
その人間は城を襲う魔物たちを次々と打ち倒し、人々を魔の手から救いました。 城の人々はその彼を称賛し、勇者と崇めました、次第に景気も戻っていきました。
勇者の行動に苛立ちを覚えた魔王は魔王軍直属の暗黒の魔物を次々に勇者に送り届けてきます。
しかしながら、その軍勢にも勇者は立ち向かう。
遂には撃破しました。
魔王は本格的に勇者との戦いを決め
勇者と魔王の戦争が始まりました。
勇者は旅の過程により、大戦士、魔法使いなどと会い、共に、旅を続けていきました。
戦争による、被害は多く、城や街が次々と魔物により侵略されていきます。
勇者は傷ついていきましたが、立ち向かいます。
それは人々のため、平和のために。
人々はその勇者の行動に奮起し魔物に向かい、必死の抵抗をしました。
戦争が長引き、多くの死者や負傷者が多く出ました。
しかし、この戦争も終わりが近づいてきたのです。
勇者と魔王の一騎打ちです。
どちらも奮戦しあい、攻撃を繰り出し、猛攻を繰り広げます。次第に勇者が批正になっていき、遂には倒れてしまいました。
魔王は勝利を確信、高笑いを上げたあとトドメを刺そうとしました。
その時聖なる龍が舞い降り勇者を守り抜きます。
一度は防がれましたが、ここは魔王、次々と攻撃を繰り返し、そのたびに龍が傷ついていきました。
そして遂には龍も力尽きてしまいました。
勇者はなんとか、一命をとりとめ、立ち上がろうとします。しかし、上手くいきません。
魔王は立ち上がろうとする勇者に何かを呟き近づいて行きます。
誰もが見ることしかできなかった、そのとき。
人々の中から1つ、声が聞こえてきたのです。
その声は勇者にも届きました。
その声は勇者を応援している声であったのです。
人々は一人の応援に気づき自分たちもと、次々に応援し始めます。勇者は涙を流し、必死に立ち上がり、魔王と向き合いになりました。
勇者は最後の力を己の剣に決めていきます、魔王もそれをみて己の拳に闇の力を徐々にためていきます。
最後の決着がつこうとしていた。
『聖なる力』と
『闇の力』が限界に達したとき!
勇者と魔王は同時に突進し最後の一撃を入れます。その攻撃は規模が大きく、あたりは一瞬にして煙に包まれました。
煙が徐々に収まっていたとき、勇者と魔王は二人して互いに背を向け合う形になっていました。
すると魔王に聖なる光とともに亀裂が走り、勇者に何かを呟き、灰となり消え去りました。
人々は勝利の雄叫びをあげました。
しかしその時勇者が剣を落とし、膝をつき倒れてしまいました。
人々の中から、何人か人が走り出し、勇者の下へ向かいました。
勇者は最後に何かを呟き、そのまま幸せそうに息絶えました。
勇者の勝利、魔王の勝利ではなく。
相打ちとなってしまいました。
その後
勇者の栄光を称えた祭りが毎年行われるようになり人々は平和な暮らしを送っています。
勇者の遺体は生命の木に弔われ、剣は木の中心に飾りました。
剣には聖なる力がある。
そのため、生命の木はすくすくと育っていきました。
この話は本当にあったことであり、伝説となっているのである。
勇者は数々の伝説を残し死と引き換えに人々に平和をもたらしました。
今の平和があるのは勇者のお陰でということを皆に覚えてもらいたい。
この本を、書いた私がそれだけを願っている。
彼……勇者はとても素晴らしい人だった。
私の経験した人生で1番の。
最高の冒険譚である。
著作 ショウ・ギルガンテ 編集 アトリス探求協会
※一部割愛
「ちゃんちゃん……」
わぁ、と私は目を輝かせた。
キラキラとした音が、きっとこのときの目に宿っていた。だって、その話はかっこよくて、やさしくて、つよくて。
――
まるで、お兄ちゃんみたいだったから。
まほうつかいと、せんし。
ひとをたすけて、なかないこにはニコってわらってくれて。
わたし、ゆうしゃさん、すき。
だって、おにいちゃんとおなじだから。
「勇者レッドは、やさしくて、すごく強かった。みんなを助けた」
そういって、ロベルトおにいちゃんはとなりにすわって、わたしに本をよんでくれる。とってもおもしろい、それでキラキラしてる。
「ね、おにいちゃんもゆうしゃなの?」
きくと、おにいちゃんはへんなかおして、わらった。
くすくすじゃないけど、おとうさんとおなじ。
「うーん、ちがうかな。お兄ちゃんはこの村の男の子。勇者じゃないなー」
「ほんと?」
「残念だけどね」
おにいちゃんはゆうしゃじゃなかった。
こんなにやさしいのに、ふしぎ?
「でも、リシアのことは勇者みたいに守るよ。大切だから」
それをきいてうれしくなった。
ずっといっしょにてくれて、ずっとまもってくれるんだって。
あ、でも……。
「ずっとはむりかも」
って、おにいちゃんいった。そういった。
すごくさみしくて、かなしくて。
くちびるがぶるぶるって、ふるえた。
なみだがぼろぼろ、でてきた。
「やだ……やだよ。リシア、まもってよ……おにいちゃんは」
ないちゃった、なかないこ、はリシアだったのに。
「ちがうちがう、そうじゃないよ、なかないで!リシアのことが一番大事だから言ったんだよ!」
あわわてて、おにいちゃんはあたまをなでて、ほっぺをぷにってしてくれた。なみだ、もゆびでふいてくれた。
りしあのほおは、ふくらませたまま。
「リシア、聞いて」
「ぇ?」
おにいちゃんがリシアをじっとみる。
「お兄ちゃんは勇者じゃないから、人々、みんなを守れるほど強くない。ずっとは守れない。でもリシアのことは守れる、兄だから。それでもお兄ちゃんにだって、リシアを守りきれない時がある、お母さんに叱られてるときとかね」
あ。
うん。
おかさんにおこられたとき、おにいちゃんはじっとこちらをみてた。
おにいちゃんでも、おかあさんはこわいのかな、びっくり?
「だから……ね、リシア」
「うん」
「リシアがね、誰かを守れる、優しい人になってほしいんだ」
「リシアが……」
「そう、ほら。この勇者のようにつよくて、やさいくて、みんなを守れるヒーローみたいな人。リシアにはなってほしい、それだけでおにいちゃんすっごく嬉しいんだ」
ゆうしゃ、に、なる?
「ゆうしゃ、にリシアがなる?」
「勇者になれ、ってことじゃない。勇者みたいにやさしく、つよくなってほしいんだ」
「………」
リシア。
ゆうしゃみたいな人になる。
なれるのかな、ないちゃったのに、おにいちゃんがいないとさびしいのに。そんなリシア、つよくなれるかな?
「リシアになれる……?」
「なれるさ。だって、おにいちゃんのいもうとだから」
むねがぽかぽかあたかかくなった。
ゆうしゃってえらいひと。
でも、だれかをまもることは、えらくなくてもできる。うれしいことなんだっておもった。
つよいことだけじゃない。
やさしいことはうれしいこと。
おにいちゃんの「なれるよ」が、今でも私の中に残ってる。
だから、わたし――
やさしい勇者になりたいの。
だれかをまもって、ないてるこをわらわせる。
おにいちゃんみたいになりたい。
そうおもえたのは、ロベルトおにいちゃんがいてくれたから。
おにいちゃんは、ゆうしゃじゃないけど。
リシアんお勇者は―――ロベルトお兄ちゃんだから。
‐‐‐
この本を書いたショウ・ギルガンテと言う人物。
ショウ・ギルガンテといえば旧時代の魔法使いであり。
人類史上初めて魔法を使ったとされる人物だ。
今ある、数々の魔法の祖とも呼ばれているほど、魔法に詳しかったのである。
まさに『動く魔法書』
そんなギルガンテさんが、この本の、あとがき部分というか。
なわだか最後。ギルガンテさんは、勇者を想うような事を書いていた。
彼は………素晴らしい人だった。
まるで、勇者の事を知っているかのような口ぶりだ。そういえば、この物語にも、魔法使いは登場していた。
もしや……その魔法使いが、ギルガンテさんなのだろうか?
そんな兄であるロベルトは、また本を手に取る。
『回復魔法』の本。
オーロラを見に行ったときに買ってきた本であり、読破した。
現在初級魔法のヒールを使えるようになったのだ。
この魔法を唱えることにより、傷を治すことができる。
初級なら、切り傷、打撲など。
中級なら、骨折、大量出血など。
上級ならば、身体欠損などを治せる。
魔法力があるならば、単体ではなく、全体にもかけられる魔法。
これは全ての魔法に存じる。回復魔法あれば、どんな怪我でも直せるというわけか、凄い。
使えればの話だが……。
剣術だけではなく、魔法の練習も増やすことにする。そう決めた。
……遠くでリシアの姿が見える。
勇者の話に憧れてよく村の中を探検するようになった、探検するのはいいけど……あんまり遠くにはいかないでな。森にはモンスターも居るしね。
‐‐‐
迷子になった。
あ、いや俺がじゃない。
俺の妹リシアが迷子になった。
外で散歩してくる、って言って出かけてから、そのままというわけだ。
俺も最初は止めたのだが、妹に大丈夫と言われたから。
それにリシアは勇者の冒険記を読んだことにより、本好きに。そて冒険が好きになった。
今日も、色々なところに行って冒険するって言っていた。
妹の言う事を俺も優先してあげたいと思って、ついていかなかった。
だが、それが仇となり、現在迷子になっているのだ。
今は村から少し離れた野原に来ている。
最初は村の周りを探してみだが、母親の話によると、『リシアちゃんは見ていない』とのことらしい。
つまり、この村よりも、遠くに行ってしまった可能性がある。
今現在は家族総出で探している途中だ。
森の方面は兄、リベサス。
あそこの森はあんまり危険な魔物はいない。そこで、足の早い兄が捜索。
川の付近、湖は母さん。
もしかしたら、川で、魚を見に行ったりしているのかもしれない。
川は村から一番近いので、母さんに行ってもらった。
残りは俺と父さんで探している。
「ロベルト! 辺りに人影は! 何か動いているものは!」
「だめ、見つからない! この辺りにはいないよ!」
野原の草などの中で、眠っているかもしれない。
もしくは木のそばでゆっくりと。
俺の大切な妹のためにも、早く探してあげたい!
(!!!)
まずい、もう空が夕焼け色に染まっていく!
気づけば、夕方。
空は澄んだ青空から、熱い夕焼けに染まり、夜が近づく。夜が近づけば、それほど妹も危なくなる。
危険が……迫る。
夜は寒い、それに、まだ妹は4歳という子供である。
もし、凶暴なモンスターにでも襲われてしまったら……。
ヒョッ………。
体に鳥肌が立つ!
うぅっ、考えたくもない。
妹がモンスターに食わ……いやいや、流石にそんなことはなってはならない!
だが、夜は刻一刻と近づいて来ている。どのみち早くしなければ。
しかし、その時に限って、上手く見つからない。
まったく………人生というものは苦難の連続だな!
「リシア! どこいったんだぁぁぁぁ!」
‐‐
「お兄ちゃんぁぁん! お父さん! お母さん! どこいったのぉぉぉ!!」
村から離れた、野原の頂き、リシアは迷子になり、トボトボと歩いていた。
兄であるロベルト、リベサス、親であるギデカルドにフリナ。
家族の名前を読んでもまるで返事もなく、音もしない。
あるのは、夕焼けに染まる中、吹き続ける風のみ。
その風はリシアをまるで包み込むような。しかし、それと同時に、無力を煽るような風。
リシアは歩き続ける。
家に変えるため。
しかし迷っているため、家とは真逆の方向に向かってしまい、どんどん離れていく。
このままでは、隣町についてしまう。
リシアの体力はそろそろ限界に近かった。
もう1時間くらい歩き、大声で家族を呼び叫ぶ。しかし、幼い体はその行動に耐えきれず、疲労が溜まっていく。
いずれ、倒れてしまう。
そのことはリシア自身薄々わかってはいる。しかし、家族を探すのに気を取られ、休むにも休めない。
「ふぅ、はぁ、はぁ……はぁっ……ぅっ……うぅっ………っ」
体がしんどい。
息が荒げてきた。
いくら歩いても、家族は見つからない、いくら探しても。
その事に気づいているが、諦めきれず歩いているのだ。頬に涙が垂れ落ちる。
いない、探しても。
ここは、野原、見渡しも良い、ここなら探しやすいはず………。
しかしいない、見つからない。
「うぅっ……っう…………」
体力的、精神的にも限界が来て、野原の頂き、見渡しの良い場所。
ついにはうずくまってしまう。
今はただ、泣くことしかできない。
『なぜ、こんなところまで、来てしまったのだろうか……』
家に引き返せばよかった。
後悔しても遅い。
風は吹く、どこまでも、夕焼けに染まる空を称えるかのように。
そして、一段と強くなる。
いつもよりも拭いていた風が、強くなり、吹き起こる。
風が、リシアとその一体を包み、吹き起こる嵐のように、周りを晴らす。
その風は、まるで誰かを歓迎するかのような、心地よさだった。
不意にリシアは後ろから足音が聞こえてきた。
そして、それは自分自身のすぐ後ろで止まる。
足音は人の音。
何者か、もしかしたら家族かもしれない。しかし、家族なら自分を抱きしめてくれるはず。
それならば、一体誰なのか?
リシアは涙でグシャグシャになった、顔や頬を手で無造作に拭き、後ろにゆっくり振りかえる。
そして、リシアは後ろにいた人物の顔をみた。
その瞬間、リシアは一瞬だけ、ほんの一瞬不思議な体験をした。
まるで、これは奇跡、いや運命なのか?
ありえない、そう思ったが、自分自身の心がそう言っている。
不思議な出会いと、晴れていく顔、リシアはその人物を見つめた。
‐‐‐
「いない………」
ロベルトとギデカルドはその後もリシアを探したが、
まったくと言って、見つからない。
最悪な予想をしつつも、一握りの希望を追いかけ、リシアを探す。
必ずどこかにリシアはいるはずだ。
そう思いながら。
大きな野原、草のしげる大草原。
そして見渡しがいい、頂き。
ここから、見渡せば、見つかりやすいはず。
もう、夕焼け色の空が薄くなりつつある。
このままでは……夜になってしまう。
どこだ、リシア、本当にどこいったんだよ! 出てきてくれよ!
リシア!!!
「はっ!」
そしてロベルトは、向こう側の川の奥に何やら物体? を見つけた。
そこへと導かれるままに。
あれはなんだ?
「父さん、あれ……」
「あ……なんだ?」
草原を掻きむしって、あたりを隈なく探していた父親に問いかける。そして、俺が見つけた方向に指をさす。
「……あれは………! リシア!?」
「えっ!?」
どうやら、何かの物体だと思っていた、ものは、リシアだった。
見つけた。
やっと見つけた! リシア!
俺はすぐさま、走り出す。
リシアは川のそばの木の麓にもたれ掛かっている。
多分寝ているのだろう。
当たり前だ、リシアはまだ4歳、体力がなくなったのだろう。
(早く行かなきゃ!)
そう思い走っている途中、何かが横を全速力で通り過ぎる。
通り過ぎたあとは風が舞っている。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
その物の正体は実に父、ギデカルド出会った。
凄いスピードで走っていく。
(て、はや!? 早すぎ! 車かよ! どんなスピードで走ってるの!?)
しかもスピードがまったく落ちていない!?
しかし、ここで重大な事に気がつく。
(まずい!)
この先は川、スピードを緩めなければ、川にちょくで突っ込んでしまう!
このままでは、川が危険だ!
しかし、ギデカルドは一向に足を緩めない。
それどころか、次第に強くなっていく。
本当にスピードを緩めない、むしろ、早くなっている!?
父さん、何をする気なんだァァァ!
(ま、まさか……)
もしかして!
か、川を………川を飛び越えるきかァァ!!!
そんなことできるのか!
10メートル以上あるぞ!!
川までもうすぐ、全速力で駆け巡るキデカルド、そして会合する。
キデカルドは大きくジャンプをした。
(無理? いや、飛び越える!!)
(飛び越えたァァァァァ!!?)
キデカルドはそのまま、川を大きく飛び越え、綺麗に着地した。
リシアの下へと近づき、様体を確認。
その後ポケットからハンカチを取り出し、顔を拭いたあと、リシアの様子を確かめる。
なんとかリシアは無事だった。
「ん……ううっ」
「! おきたか! リシア!」
リシアが、目を覚ます。
目を覚ました景色は、自分を呼ぶ、父親の姿だった。
「あ、お、お父さん………」
「リシア! 無事だったんだな、よかった! 全く本当に……!!」
そう言って、ギデカルドはリシアを抱きかかえ、包み込む。
父親は先程走ったせいか、体温が暖かい。
しかし、その暖かさが、リシアにとっては心地よかった。
「……リシア」
ロベルトも、なんとか魔法を駆使し川を渡り、リシアのもとに到着した。
その後はロベルトにめちゃくちゃ心配された。
申し訳ないと思った、でも、それだけ自分を思っていてくれて嬉しい。
大切に思っていてくれてくれて。
リシアはそう思った。
‐‐‐
家に帰宅し、家族全員が揃った。
揃った時間は、探し始めてから、4時間後の、『午後7時だった』
リシアはこのあと、家族に謝り、多数の説教を食らった。
精神的に疲れていたため、途中で頭が周り、倒れてしまった。
しかし、ある話として、リシアによると、迷子の途中……自分を助けてくれた、優しい人にあったらしい。
しかも、その人はまるで勇者みたいな風格をしていて、カッコよかった、と。
リシアにとって思い出に残ることになるだろう。
「優しい、勇者みたいな人……か」
「リシアとあった人のことか?」
ロベルト、リベサスは二人でリシアを助けたらしい人について語っていた。
「どんな人なんだろう」
「勇者みたいな、だから冒険記に出てくる勇者レッドみたいな人じゃないの?」
勇者レッド。
聖なる大剣を背負い、純赤のマント、金の冠、そして鎧を来て、魔王と戦った、伝説の勇者。
よく知ってる。
「でも、そんな人が、この村ににいるのか? そういう話なんだ」
「あぁ、まぁ、こんな狭い村じゃいないだろうね」
そんな人、見たこともない。
いたとしても、他国か、アトリス王国だけだろう。
仮に来ていたとしても、一人じゃおかしいし、目立つだろう。
「そんなことより、まずは助けてくれた事を感謝するべきだよ」
「そうだな、そうだったよ」
どんな人だろうと、結局は妹を助けてくれた。
勇者みたいな人、凄い風格。
「俺も、勇者みたいに、何かを守ったり、戦ったり、できるかなぁー」
「守れは、してるだろ、ロベルト妹大好きでしょ」
うっせぇ、一言余計。
でも、守れている、そのことは事実だ。
そのことは俺にとっての誇りであり、目標でもあるのだから。
決して、シスコンだから、守りたいとかそういうのじゃぁ、断じてねぇ。
「だから! 俺は決意する! 妹リシアを安心させるため―――」
「はーい寝るから火消すよー」
部屋のランタンに灯っていた炎が消え、あたりは真っ暗闇に染まる。
先程まで明るかったのに、一瞬で。
「あ」
気づいたときには、もう遅い。
寝る時間である。
ロベルトが気づいた時には朝を迎えていたようだ。
生命の木(後の生命の大樹)
詳しくは第三話を
勇者レッド 冒険記に登場する勇者、聖なる剣で魔王を倒し、平和を迎え入れた人間
この物語の主人公!




