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空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第五章 土の国編
78/93

第七十三話「帰宅」

「ようやくだな」


 ローバンさんと数時間ぶりに再会した。

 地脈に行ってから、あってなかったからな、久しぶりだ。

 ローバンさん、今まで、何をしていたのだろうか。


「探したぞ。地脈に行ったと思ったら居なくてな。それで探したら、まさかこんな所に居るとは」

「こっちもです。朝からどこに行ったかと」

「少し……知り合いと飲み交わしていたところだ」


 酒飲みか。


 どちらも相手の状況を分かっていなかった。

 面倒くさい。

 出る前に、話し合っていれば良かった。

 

 あ、そうだ。

 そういえば、セイランはどこに行ったのだろうか。

 出かけてくると言っていたし。

 もう帰ってるだろう。


「で、だ……」


 そう言うと、ローバンはロベルトの後ろに目をやる。

 それに気づき俺も後ろを見る。


 後ろには、ルーシェ。

 その後ろでは、ミラ達が遊んでいる。


(おっと……まずい)


 ルーシェが不安そうな目でこちらをみている。

 誰……? 見たいな顔だ。

 ローバンさんもルーシェ達を見ている。

 なんとかしないと。


 片手で”大丈夫”のマークをとる……分からないか。

 よし、まるならば分かるだろう。

 

 ◯を意識し、ルーシェめがけて取る。

 うん……頷いてくれた。

 まぁ、これで分かっただろう………あとは……。

 

「えっと」

 

 ローバンは、子供達から視線を外し、再度ロベルトに話しかけた。


「その子達は」

「っと……ちょっと、野暮用で、あの子たちの子守をしてまして」

「そうか」


 ローバンは、腕を組み、少し考える仕草を取る。

 直後、顔をこちらに向け、言葉を放つ。


「誘拐か」

「ちょっと!?」


 誘拐なんてそんな。

 絶対違います、そもそも、俺はそんな事はしない。

 いや、確かに、疑う所は充分あるけど。


 それでも。

 俺はそんな事しない。

 第一、こんなに誘拐できる訳が無い。


「冗談だ」


 少し笑ったあと、そう言った。


 よ、良かった。

 冗談で良かった。


 危うく、警備の人に突き出されるとこだった。

 いや、それだとローバンさんも危ないけど。


 とにかく、事情を話さないと。


「これは……ちょっと用事で、見守りとして、ここへ来ていました」

「そうか。そんなにたくさんか」

「はい、任された……感じです」

「大変だな、それに土の市場か」


 土の市場は人が多い。

 来るのは大変だった、ミラを除いて。

 人が蛇のようにぞろぞろしていて、全く移動できないのだ。

 

 前世で見た交差点のような光景でビックリした。


 いろんな人がいて、沢山人がいて。

 大変だった、うん。


 ん、待てよ。

 なんで、ローバンさん来てるんだ?

 変装していたとしても、何故わざわざここに……。


「バーンさん、大丈夫なんですか?」

「なにがだ」

「いや、ここ、人多いですけど」

「あぁ。お前を探すのに危険を犯してまで、ここには入りたくなかったが、生憎。ここが最後でな」

「なるほど………」

「手間がかかった。なにせお前からは、力気も魔力も感じ取れん。

 相当時間がかかった」

「それは……すみません」


 一旦、ローバンさんのもとに帰るべきだったか。

 いや、まずそもそも場所が分からないか。

 だとしたら……しょうがない?


「大丈夫だ。それよりも、聞きたいことがある」

「聞きたいこと?」


 聞きたいこと。

 俺にか、なんだろう。


 少しだけ、間が空いたあと、ローバンさんは喋った。


「セイランを見かけてないか?」

「……セイラン?」

「そうだ」


 セイランだって。

 見かけていない、一度も。

 ローバンさんも見かけていないのか。

 俺を探す過程の中で、一度も?


 セイランはローバンさんの後に出かけた。

 そこからは分からない。


「……いえ」

「そうか………」


 二人とも押し黙る。

 セイラン、どこへ行ったんだ?


「ロベルト」


 突然沈黙を破り、ローバンさんが話しかける。


「なんです?」


 それに素早く答える。


「子供たちの事だが。もうそろそろ、帰らせたほうがいいぞ」

「帰らせる?」


 出てきた言葉。

 それは、子供達を帰らせるとの事だった。


 なんでだろう。

 時間的に帰らせたほうが良いのだろうか。

 それか、他にも……。


「なんでですか?」

「夜に近いからだ」

「あぁ、そういうこと……」

「あぁ、夜は、危ないからな。それに、ここは風の国みたく、治安は良くはない。夜遅くまで子供を連れていたら、盗賊、もしくは裏の住人に襲われるだろう」

「盗賊、裏の住人……」


 いきなり怖いな。


 でも、あり得るな。

 未成年の子供5人を、こんな遅くまで連れてはいけない。

 危ない。


 いや、ここは土の市場だから。

 夜のほうが祭りも合って、楽しさが上がるんだけど。

 あいにく、俺は保護者じゃない。

 こういうのは”親”と来るべきだからな。


 親じゃないから、俺は子守だから、責任持って見とかないと。

 先ほども言っていたが。

 盗賊、裏の住人に、襲われる可能性も、あるにはある。

 慎重に気をつけよう。


(もっとこう、慎重に……うぉー……ってかんじで)


 これだと、俺が危ないな。


 さて、ローバンさんの話だと、連れて帰ったほうが良いとのこと。

 俺もそう思う、うん。

 

 だけど、ここで一つ問題が発生。


 それは何かって?

 それは......子供たちのこと。

 

 子供たちは楽しんでいる。 

 ミラもリオネもネミもルルとルーシェも。

 全員が楽しんでいる。

 この、土の市場で、思う存分にはしゃいでいる。


 それを横から”帰る時間だよ”と言って、素直に聞いてくれる。

 簡単ではない。

 絶対断られる、そう確信している。


 説得はできないだろう。


(一応……ローバンさんにも話してみよう。コソッとな)


「バーンさん、少し話で」

「なんだ」

 

 ローバンさんに近づき、耳元でコソッと事情を伝える。


 伝えた後、ローバンさんは、少し苦い顔をしていた。

 

「なるほど」

「どうするんですか……」

「時間を待つか、説得するか……どちらかを選ぶほかない」


 うーん、そうだな。


 説得は……難しい。

 かと言って、夜遅くまでここにいるのは……危ない。

 土の市場といっても、絶対安全ではないからな。

 

 うん。


「一回、話してきます」

「そうか、行って来い」

「はい」


 俺はローバンに小さく一礼したあと、後ろに振り返る。

 ルーシェが不安そうにしている。

 心配させたな。


 ルーシェにゆっくりと近づく。

 

 それに気づき、ルーシェは内心ドキッとする。

 徐々に距離は縮まり、目の前。


 咄嗟に目が合い、顔を反らしてしまう。

 

「ルーシェ」

「! は、はい」


 ロベルトは、ルーシェに静かに語りかける。

 名前を呼ばれ、すぐさま、ロベルトに向き合う。


(見えなかった……)


 向くの早いな。

 それより、言わなくては。


「言わなくちゃ、いけないことがあるんだ」

「い、わなくちゃ、いけないこと……?」

「あぁ、大事だから、聞いてて」


 いきなり、真剣な顔と、追真な声でそう言うロベルト。

 それを見つめるルーシェ。

 

 人から見れば、ある種の一大イベントに見える。

 そう、告白現場だ。 


(そこまで真剣になるとは……それより、少し近いな)


 遠くから見てみているので、よくわからないが。

 真剣さんは伝わってくるのである。

 これは、魔力でも力気でもない。


 

「そ、それは……なんですか?」

「それは……」


 ゴクリ。


 息を飲む。

 ロベルトの言葉を今かと待つ。

 そして、今。

 ロベルトは放っする。


 ゆっくりと呼吸を吸い、ルーシェに話した。


「実は……」

「実は……?」

「実は、時間の問題で、早めに帰らなくちゃって、話になったんだ! 説得したいけど多分無理だと思う、だからルーシェ、君にも協力を願いたいんだ、頼む」


 言った。

 ついでに協力も頼んじゃったけど。

 まぁ流れだ、仕方ない。


「あ、えっ?」


 思っていた事と違い唖然としてしまう。

 上手く言葉が理解できなかった。

 そのせいか、ルーシェはロベルトの前で固まってしまった。


「......ルーシェ?」

「......」

「おーい」

「......」

「あーっと......」

「......」


 ダメだ、固まってしまった。

 そんなに固まるほどの話だったのだろうか。

 もしくは、突拍子すぎて、驚いた、とか。

 いや、ないか。

  

「......はっ!?」


(あ、起きた)


 固まりが溶けたようだ。

 よかった、正気に戻ったか。


「大丈夫か?」

「えあ、あ、はい......あの、さっきのは」

「あぁ、言葉の通りだ」


 ルーシェに手伝って欲しい。

 多分俺一人では無理だ、聞いてくれないだろう。

 しかし、長女のルーシェならば、可能性はある。


「もう......帰るんですか?」

「時間的にな......で、話なんだけど」

「......いいですよ」

「あ、いいの?」

「.........はい」


 早く決まった。

 いいのか。

 こういうときは長女だから、下の子のためにも止めるのかと思った。

 止めたら困るけど。


「あーじゃあ、さっそく、いいか?」

「はい!」


 元気だなぁ。


 さて、行くか。



 俺とルーシェはミラたちの元へと向かう。

 ミラ達がいる芝生に入り、木のもとへと向かう。


 まだ楽しそうにしている、みてて心地よい。

 ソレを今から......こわすとなると心が痛む。

 子どもの遊びを止めるときの親もこんなかんじだったのかな。


(さて、もうすぐだ。いくぞ......!)


「ミラ」

「?」


 ことらへと向く。

 すると、途端に疑問げな顔に変貌。

 こちらへ見てきた。


「なんにゃ、なんのようにゃのです」

「あーそれはな」


 言いにくいな。

 言いたくないけど、この時間帯だし。


「なんにゃ、お前! と、ルー姉。なにしにきた、にゃのです」


 うぉ、近づいただけでこれか。

 そういえば話し合いの途中だったらしいし、怒るのも仕方ない。

 さて、言うか。


「ミラ、そろそろ帰るぞ」

「......にゃ!?」


 一瞬止まった後、盛大に驚いた。


 そりゃ驚く。

 いきなり帰ろうだ。


「な、なんでにゃ! まだかえるじかんじゃにゃい!」

「いや、もう結構暗くなってきたから」

「暗くても、遊ぶ! にゃのです!」

「悪いが......ダメだ」

「むー......ルー姉も、なにか言って! にゃのです!」


 突然振られるルーシェ。

 

「え? えっと......」

「.........」

「えーっと......遅いから、帰ろ? ね?」


 ルーシェ......。

 まぁ良い、これでミラも聞いてくれるはず。


「にゃぁぁんんでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


(うっ)


 ルーシェの言葉を聞いた瞬間、驚きの表情を上げた後、歯を噛み締め、大きく叫んだ。

 口を開けて、大きく。

 それはリオネたちにも聞こえた。


 それに気づいたリオネは、ネミとルルに話した後、コチラへと走ってくる。


「!? どうしたの、ミラ?」


 ミラに話しかける。

 

「ミラ、どうしたの」

「んんー!! 二人が帰るって!」

「え、帰る? どこに?」

「家!」


 その言葉を聞いた後。

 信じられない! という表情を浮かべて、こちらへと向いてくる。

 そんな顔しないでくれ、心が痛む。


「お兄さん、と......ルーシェ姉さん。二人が言ったの?」

「そうだ」

「そう......だね」


 またもや驚愕の顔になる。

 結構驚くな......。


「え、うそなんで、ルーシェ姉さん、本当に?」

「うん、帰るよ」

「......いや、違う。ルーシェ姉さんは、そんな事言わない、誰かにいわされてるはず......!」


(ギクゥウッ......!)


 まずい、核心を突かれた。

 まさか、ここまで読めるとは。

 流石に......無理か?


「......いや、私も、ロベルトさんと同じ考えだよ」

「!」

「え、うそ」


 え、うそ。


 ルーシェ、なぜそんな嘘を......。

 ハッ、そうか!

 俺に合わせてくれているのか!

 子供たちのためを考える、俺の考えに。

 

 ははっ、なるほど......。

 まったく優しい子だ。


「本当なんだね」

「本当だよ」

「......そっか、そっかー! じゃあ! 仕方ないねーミ・ラ!」

「にゃ!?」


 ルーシェの言葉を信じ込んだ、リオネは素直に納得し、ミラを挑発し始めた。


「夜は遅いのもしかたないよ、今日は、引いておこ?」


 言葉遣いは相変わらずだが。

 でも、彼女はまだ8.9そこら、そんな年でここまで頭が回るだろうか。

 俺がただただ、この世界の知識の基準を、まだ知らないだけかもしれないが......それにしてもだ。

 まぁ多分......彼女は天才肌なのだろう。


「ううー!!! や!」


 それでもミラは、がんに断り続ける。


(これは......困ったな)


 頭に手をやり、髪をいじくる。

 なんとも、上手く行かない、どうすればよいか。


 そう悩んでいると。

 突然、横から肩に手を当てられ、押しのけられた。

 ルーシェではない、その正体は。


「バーンさん」

「まぁ任せろ」


 ローバンであった。


 ローバンさんはそう言うと、ミラとリオネに近づいていく。

 

 現在ローバンさんの正体は知られておらず、変装のため、奇怪な仮面をつけている。

 はたから見れば、変な人。

 一応、体のガタイと服でカバーは出来ている。

 それでも......すこしこわい。


 とくに、幼い子どもに取っては、大きい変な仮面をつけた、見知らぬおっさんが近づいてくるというわけだ。

 怖い、見ての通り。


 奥のネミとルルも震えてる。

 ルーシェは心配そうに見ている。

 リオネは若干強張ってる。

 で、ミラは。


「にゃん、だれ! にゃのです」


 強いな。

 この仮面をみて、怖がらないとは。

 強い精神力を持っている。


「バーンだ」

「だれ!」

「ロベルトのお友達だ」

「お友達!」


 お友だちって。

 そこまで仲良くはないし。

 なにより、そういう関係ではないけどな。


「お友だちがなんのよう、にゃのです!」

「ちょっとな、そこのロベルトに代わって伝えに来たんだ、夜は危ないから帰ろう、と」

「何回も言うな! ミラまだ帰らない、にゃのです!」


 ロバーンさんでも、ここまで譲らないとは。

 これは激戦だ。


 ミラの言葉を聞いて、右腕で、あごひげを触った後、ミラに向け答える。


「夜は危険だ。暗くて危ない、周りも見えない」

「ミラは、目がいい、にゃのです! 余計なお世話にゃのです」


 あ、そうか。

 猫は夜でもよく見えるのか。

 まぁ、猫だし、獣人だし。


「それならば、君を、子供を襲ってくる怖い人たちのことが、よーく、分かるはずだ」

「怖い人達?」


 食いついた。

 すごい、このまま。


「そう、人をさらったりする、悪い人だ」

「ミラ、そんなの楽勝で勝てる、にゃのです!」

「はは、そう簡単にはいかない。子供を攫うからには、盗賊たちも強いだろうからな」

「ん、そう?」

「そうだ」


 実際、カサドラ盗賊団の。盗賊たちも強かったからな。

 炎の国の兵士をあんなふうに相手にしていたのだ。

 強いのは当たり前。


 ヴァスたちは、元気だろうか。


「それに、盗賊たちだけではないぞ?」

「にゃ?」

「怖ーい、そうだな、幽霊とか……もしくは……うん”魔人”とか」


 魔人か……。

 この国にはいないだろう、そんなやつ。


「にゃ……うん? 魔人って、なに? にゃのです」


 一方、ミラは魔人を知らない様子。

 知らない子も居るもんだ。


「魔人? ふふ、教えてやろうか」

「教えろ、にゃのです」

「ふ、魔人とはな、嘘つきで、とても恐ろしく。人に化けて人間を喰ってしまう怪物のこと。魔人にあったら、君も、食べられちゃうかもしれないぞー?」


 恐ろしさ感じさせる仕草をしながら、ミラたちに伝える。


「ひいっ!?」


 ミラがびっくりしている。

 やっぱり怖いか魔人。

 なんたって、人を殺して食べる。

 それだけで怖いからな、彼女は獣人だけど。


 ミラの他にも、リオネやネミたちもびくびく震えている。

 ルーシェも少なからず、怯えている。

 うん、純粋な子供だな。


「ミ、ミラ。今日は仕方なく、仕方なく帰る! にゃのです」


 ちょっと言い訳してるが、強さは溢れ出してるぞ。


「よし、こんな感じか」


 ミラたちの説得? を終えたローバンはこちらへと戻ってきた。

 それにしても。


「バーンさん、子供に、慣れてますね?」

「そうか? 未経験なんだがな」


(それは、本当なのだろうか)


 真相は分からない。

 知らなくて良いだろう。

 さて、ミラたちと帰ろう。


(やっと帰れる)



‐‐‐



 あの後ミラ達と一緒にタータスさんの元へと帰った。

 タータスさんは心地よく出迎えてくれた。

 だが、一瞬だけ。

 不審な目で、ローバンさんを見ていた気がする。

 気のせいだろう。


 夜9時近くまで、家で紅茶を飲まさせてもらった。

 まだ、口の中でいい香りがする。


 さて、そろそろ帰るときだろう。



「ロベルト、それにバーンさん。子供達をありがとう」


 玄関にて、タータスさんは。、俺達にお礼を申し出る。

 実際、俺が礼を引き受けたから、全然いいです。


「いえいえ」

「子供達は、元気で何より、お前さんのおかげだ」

「そこまで言わなくても」


 少し照れてしまう。

 そんなに褒められたら……ね。


「バーンさんも、わざわざ来てくださりすみませんね」

「いえ、なにせ”依頼”なので」

「ハハッ、ただの恩ですよ」

「それは、失敬」


 夜は遅い。

 もう9時だ。

 いつの間に、こんな時間になってしまったのだろうか。

 早く帰ろう。


「それではこのへんで」

「夜も、遅いので」

「それはどうぞお気をつけください」


 俺と、ローバンさんは、タータスさんに一礼する。

 それと同じタイミングで、タータスさんもお辞儀する。

 さて、帰ろう。


「あ、あと、一つ」

「ん」


 帰る直前で、タータスさんに呼び止められた。


「何でしょう」

「夜の出歩きについてですが」


 夜の出歩き。

 あー、なるほど。

 危険だから、教えてくれるのか。


「先ほど知ったのですが、ここ最近、盗賊や……得体の知れない者が、多数目撃されてるとのこと。なので、充分お気をつけを」


 注意警告だ。

 うん、優しい。


「それは、気をつけるとしましょう。ですが、私もロベルトも、人並み以上に強いので、ご安心を」

「それならば」


 上級剣士が二人。

 そして片方は魔法も巧みに使える。

 うん、これだけでとても良い。

 二人でパーティを組めるほど。


 ここには回復のセイランが加われば、完成だ。

 3人、無敵のパーティ。

 

(ちょっと、名前欲しくなってきたな)


 あとで、考えておこう。


「では、またいつか」

「はい、また」


 そう言って、俺とローバンさんは、扉に背中を向け、歩き出した。

 さて、帰ろう、宿に。


 宿主……もしくは、セイランが、待ってるかもしれない。


 久しぶりの帰宅。

 早くベッドに入りたーい!


 

 

 

 

 

  

 


 

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