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空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第4章「盗賊団編」
57/93

第五十三話「連行」

 落とし穴


 現在、ロベルト事俺と、セイランは落とし穴の中。

 中は狭く、身動きが取れない。

 そして、上には、2つの人の影。


 場所的にも……盗賊だろう。

 つまり………俺たちは。

 

 まんまと敵の罠に引っ掛かったというわけである。


 「効果あったな」

 「あぁ、2人捕らえられた、こりゃ大手柄だべ」


 上の二人、盗賊が二人で話し合っている。

 話の内容的に……手柄か?

 俺達にそこまでの価値があるとでも?


 ないない。

 俺はただちょっと強いだけの魔法剣士

 そして、普通の旅人。

 そんな金貨百枚分の価値など、あるわけが無かろう。


 セイランも………。



 (………いや、そういえば、セイランは………テラスティアの家系だった)


 テラスティア。

 氷の国の有名な貴族の家系。

 セイランはそのお嬢様………。

 

 …………大アリだ。

 金貨何百、いや、何万は行くだろう。

 これは、まずいことになった。


 「セイラン………どうする?」

 「わ、分からない…………」


 うーむ、どうしようか。

 この状況を打解する方法、脱出するための方法。

 なにか……考えなければ。

 最適な方法、解決策を。


 ロベルトは考える。

 しかし、その時地面。

 ロベルト達がハマっている地面が突然動き始めたのであった。

 それも、上へと押し上がる形で。


 いきなり動き出したもんだ、ビックリした。


 ((!?))


 ロベルト達は地面とともに、落とし穴から地上へと抜け出す。

 これは、抜け出せたのか。

 

 否


 それは違う。

 これだけでは収まらない。


 魔法の力とともに、ロベルト達と一緒に上がってきた地面、土。

 その土が、ロベルト達を囲むように、球体へと形成。

 それは、まさに球体。


 牢屋のように囲ってしまった!

 

 (なんだ、これは……魔法か?)

  

 「行けたか」

 「捕らえ食たべ、連行するべ」


 今の状況は捕縛中。

 それも、土魔法で、作られた球体の牢屋の中?

 触り心地、壁は頑丈で出られない。


 「くそっ!」


 俺は壁を叩く。

 しかし、壁はビクともしない。 

 やはり……ここは爆発魔法を使うしか…………。

  

 いや、だめだ。

 セイランもいる、それに加えてここはクソ狭い閉鎖空間。

 密着状態に等しい。

 必ず……被害が大変なことになる。

 確実に巻き込まれる。


 「おい、静かにしろだべ」


 解決策を考えていると、盗賊たちがこの牢屋を叩いた。

 暴れるのはよくないか……。


 「セイラン」

 「分かってる………素直に、従おう…………」

 「……あぁ」


 ここは素直に連行されよう。

 無駄に暴れても無意味だ。

 ……アジトにでも連れて行かれるのだろうか。


 盗賊たちは俺たちが捕らわれた牢屋を担ぎ。

 歩き出した。

 これにて連行の形となってしまった。



‐‐‐



 結構深くまできただろう。


 外を見ても、森、草や木で生い茂っている。

 周りは野生動物で溢れかえっている。

 人など、見当たらない。


 今は、山を降って居るところだろう。

 一体どこへ連れて行くと言うのだ。

 

 (はぁ……)


 それにしても、自然はいいものだ、気持ちを落ち着かせれる。

 存分に景色を楽しめる。

 こんな状況で言うのも何だがな。

 しかし、この状況だからこそ、集中できる。

 色々な物を見ることが出来る。


 一つのことに集中するのもよい。

 しかし、たまには違うものも見てみたいものだ。


 「ん、あれは」


 森の木。

 見ると、鳥たちが飛び回っている。

 数が多い、もしかしたら『家族』かもしれないな。

 

 鳥がさえずる。

 響く、透き通った鳴き声だ。

 

 「見ろセイラン、鳥が綺麗にさえずっているぞ」

 「位置的に見えないんだ」


 あ、そうだった。

 セイランは場所的に、外の景色を見ることは不可能だった。

 あー可哀想だな。

 せっかく、綺麗なのに……仕方ない。


 「と言うか、よくこんな状況で楽しめるね」

 

 皮肉か?

 まぁ、いい。

 

 「しかし、とても綺麗なものだ、よく見てみろ」

 「だから、無理だよ」

 「……なら、移動出来ないのか」


 今現在は俺が右。

 セイランが左。

 頑張れば、行ける気がする。


 「出来るけど、ただでさえ、ここは狭いじゃん、それに………密着、してるし……」

 「それは、そうだな……」


 景色に気を取られて、気づかなかった。

 今は密着状態。

 狭いし、あまり身動きは取れない。

 それに、見方によっては別の方向で捉えることも出来る。

 本来なら気づいていたが……。


 (もしかして、衰えたか?)


 頭を回転させないと。


 しかし、その時、俺達が入っている牢屋が横に揺れる。

 その衝撃は少し、大きい。



 「おっと……」

 「気を付けろ、中に二人入ってるんだ、傷つけたらどうする」

 「すまん、気をつけるだべ」


 盗賊たちは再度、持ち直す。

 


 そのおかげで、中にいる二人にも被害が及んだ。

 少し、位置がズレれ、上と下が交代してしまった。


 「頭打った」


 先程の衝撃で、少し頭を打った。


 後頭部を右手で触る。

 うん、大丈夫、言うてたん瘤程度。

 血が出るほどではないが………普通に痛かった。

 痛かったぞぉッッッ!!


 「だ、大丈夫………だよね?」


 現在、先程の衝撃で位置が変わったセイラン。

 俺の上であわあわと心配する。

 

 「大丈夫、心配ない」


 そんな大した怪我ではない。


 「それより、動けない」

 「え? あ、あ、ごめんね」


 セイランは、俺の上から少しづつ退けていく。

 しかし、完全には退けられない。

 狭いからだ、全く窮屈である。


 「ちょっと乗っかっちゃってるけど……平気………かな?」

 「まぁ、少しおm……キツイが、なんとか行くだろう」

 

 危ない危ない。

 咄嗟にデリカシーの無い言葉を発するところだった。

 気をつけないと。


 「……ん?」


 その言葉に、セイランは何やら、不満げな顔を浮かべる。

 まさか……察したか?


 「……今、なにかきk」

 「見ろセイラン! 魚が泳いでいるぞ、気持ちよさそうだ!」


 わざと声をあげ、誤魔化す。


 「……む」


 頬を膨らませている。

 多分……聞こえていた? 

 いや、とにかくそれ以上は言われていない。

 なんとか、回避できた。

 信頼は落ちたかもだけど……。


 その時、少しだけ、壁を叩く音が聞こえた。


 俺は叩いていない。

 もちろん、見ていた限りでは、セイランも叩いていない。

 となると……。

 音は外からなった事になる。


 盗賊だろう。


 しかし、音のなり方的に、手で叩いたわけでは無い。

 なんかこう……ガンガン! というよりも……コン。

 こんなような感じ。


 例えたら、

なにか……飛来物がぶつかってくる感じ。

 それもスピードを出して。


 (あ、またなった)


 二人、上を見る。

 至って変哲のない、土でできた土壁。

 変わりようの無い。


 ん、何か外から怒鳴り声が聞こえる。

 それも、人………大人の。

 一体何なんだ? 外で何が起きているんだ?


 「セイラン、外見れるか?」

 「うん、見れるよ」

 「じゃあ、頼む」

 

 とりあえず、外の状況を確認しないと。

 セイランは、ロベルトの頼み通り、外を一旦確認する。


 (先程の音からして、何が飛んできた模様……うーむ、飛来物だろうから、石……か? それとも、鳥と衝突したか」


 とにかく、分からない。


 「セイラン、何か見えたか?」

 「え、えーっと、建物……洞穴かな? そんな物が、見える」


 建物に洞穴。

 ここから考えるに……動物。

 いや、違う、建物を建てられるのは、部族……つまり、人間。

 

 (……盗賊のアジトか?)


 それだとしたら、俺達は盗賊の本拠地に連行された。

 これは……嫌な予感。

 とりあえず、確認だ。


 「周りに人とか、いるか?」

 「えっと……に、三人くらい」

 「よし、どんな格好をしている?」

 「普通よりは……ちょっと古そうな服に………変な帽子、あ、胸元が開いてる人もいる………よ。

 あと、腰に武器を構えている人も沢山見えるね、それに………何か話合っている感じかな………?」

 

 現在、俺は焦りモードに入っている。

 これあれだ、間違いない。


 「………その人たち、清潔感なさそう?」

 「普通の人よりは………無さそう」


 それ、多分盗賊だよ。


 やはり、俺達は盗賊のアジトにきてしまったのか……。

 はぁ………だるい、だるすぎる。

 土の国に行く矢先、このような羽目に出会うとは……。

 人生というものは、何が起こるか分かりやしない。


 (上手く行かないものだ)


 すると、またもや牢屋が揺れ始めた。

 今度は横ではない、上下と上下に揺れている。


 ただでさえ、セイランに乗っかられているから、キツイというのに。

 余計、苦しい。


 「あ、階段登ってるよ」

 「階段?」

 「うん、開けた階段、えっと……前には何か他より立派な建物が見えるよ」

 

 階段を登っていたのか、納得。

 それより、建物?

 セイランの話だと、他よりも少し立派だと言うこと。

 盗賊のアジトとして考えると………。


 (! 盗賊共のボス!)


 盗賊のボス的存在に報告するつもりか。

 まずいな。

 どうすれば、良いだろうか。

 脱出もできず、抵抗もできない。

 

 魔法を使うにしても、炎では二人とも丸焦げになる。

 氷は、二人とも氷漬け。

 雷は感電する可能性。

 風は気持ち良いだけ。

 土魔法は………何か使い道あるか?


 爆発は………自害するようなものだ。


 くそったれ。

 方法が思いつかん。

 一回頭を空っぽにして、1から考えよう……。

 何か、思いつくかもしれないからな。


 ロベルトは1から考える。

 少し前、大怪鳥との戦いにて、披露した技? である。


 しかし、ロベルトが考えてるときには、すでに。

 建物へと到着していた。

 時間が……圧倒的に足りない。 



 「2名だ、山で捕えた」

 「了解、姿は?」

 

 どうやら、建物の警備の人と話しているらしい。

 入口を警備している人だろう。


 「青そうな男に育ちのよい女の二人だ」

 「なるほど………いいな、よし入れ」


 扉を開ける音が聞こえた。

 どうやら、警備の人はオッケーを出したようだ。

 俺達を連れて、中へと入っていく。

 てか、それよりもさ。


 (何だよ! 青そうな男って!

 なんのことだよ、バカにしてるのか、もしや、◯玉のこと言ってんのか!

 ふざけやがってぇ……!)

 


 「そ、育ちのよい女……」


 一方セイラン顔を赤らめ、体を抑えている。

 何か、通じるものがあったのだろうか……気になる。


 警備員らしい人が、俺達を運ぶ二人を案内する。


 部屋の内装は、聞く所によると、普通の木造の家と同じらしい。

 つまり、生活的な家という事だ。

 ……金目の物を除けばだが………。


 「あ、あの金ピカのネックレス知ってる」

 「へー、どんなの?」

 「あれは……心華の宝石が埋まってる物だね、ざっと二万金貨は行くよ」

 「は!?」


 この様に、驚愕する事もあった。

 セイランに聞くと、他にも高値の物が数々あったらしい。

 相当な盗賊たちだな……。


 それより、高値の品物か。

 なるほど……大体一つ1000金貨以上のものばかり……。

 うむ、なるほど。

 金になるものばかり……。


 (盗んじゃおっかなぁ?)


 「………」

 

 いやいやいやいやいやいやおやおやおや……。

 だめだだめた!

 盗賊から逆に物を盗んで、お金に換金するなんて。

 悪党のやる事だ。

  

 俺は違う。

 悪党ではない、犯罪起こさないし、平和を望んでいる一般男性。

 ただの一般人。

 そのような事に、見惚れるほど、甘くはない。

 

 まぁ、グラスさんなら、一瞬で目が$に変わっていただろう。

 突然『盗賊を襲う』とか言って、奇襲に向かっていく。

 そんな可能性が存在することに恐怖。

 絶対にだめだ……だめだめ。


 でも、一回だけ見てみたいな(位置的に見えない)。


 すると、またもや扉の開く音がした。

 ボスの部屋か?


 「行くぞ」

 「気をつけないと、落ちるぞ」

 「大丈夫だべ」


 その時、下へと落ちる感覚あった。

 ビックリした………先程から考えて、これも階段だろう。

 下に下ってるようだ。


 それと同時に穴から入る光が少なくなってきた。

 暗い場所に入ったのか。

 多分松明が少ないところだ。


 「セイラン見えるか?」

 「うーん、暗いから………よく見えない」


 やはりか。

 どうやらここは……地下?のようだ。

 うーむ、光魔法を使うか?

 いや、それだと盗賊達にバレる、どのみち動けないか。

  

 うん? また扉の平開音。

 でも……今度は、鈍い? 普通の扉じゃない音のような。

 なんだろ……。


 「下ろすぞ」

 「いいだべ」


 そうして、二人が入った簡易の牢屋は地面へと降ろされる。

 ようやく、運び終えたようだ。

 

 それにしても、暗いな?

 ここに……ボスがいるのか?

 いや、それにしても………なにか、様子がおかしかった。

 それに雰囲気も……。


 なんだろう、罪人になった気分だ。


 「おい、お前ら」


 そう思っていると、外から声が聞こえた。 

 少し起き上がり、穴から外を見る。

 外は盗賊が腰をおろして、唯一の穴に手を置いている。


 「少し伏せておけ、危ないぞ」


 そう言うと、盗賊は立ち上がる。


 何なのだ?

 俺とセイランは指示に従い、一度伏せる。

 これで……よいのか?


 「何………起こるの?」

 「さぁな」


 すると、盗賊が腰の剣を鞘から抜く。

 その剣の刃は鋭かった。

 それは……とても鋭い……鮮麗された物。


 それをこちらへと構える。


 ((え?))


 そして、力をためたあと、よこに大きく剣を振った。


 それは……突然のこと。

 剣を大きく降った、多分、『死』を感じた。

 死ぬ感覚が少しだけ分かった。


 しかし、生きていた。



 気づいたときには、俺達が入っていた牢は真っ二つに割れていた。

 もちろん横にだ。

 

 俺とセイランは唖然とした。

 それと同時に初めて開放的な空間を得た。

 盗賊たちの姿、そしてこの場所に気がついた。

 

 「………牢屋?」


 ボスの部屋だと思っていたもの。

 それは、ただの牢屋だった。


 盗賊たちはこの牢屋から出ていく。

 そして綺麗に牢の扉を閉め、鍵をかける。


 「そこにいろ」


 盗賊たちは俺達に言った。

 

 「用は奥の樽、寝床は………そこら辺で寝ておけ」


 そういった。

 後ろを振り向くと、奥の方に貧相な樽がある。

 しかしベッドのようなものはない。

 あぁ、なるほど………。


 「あの、食事は?」

 

 失礼だと思うが、一応聞いておく。

  

 「食事? あぁ………明日まで待て」


 明日!?

 今日最後に食べたのが………昼くらいだから……。

 夕飯抜きってこと!?


 いや……飯くれるだけマシか………。


 「よし、飯食いに行こう」

 「うまいのたのむだべ」


 それで、盗賊たちは飯を食いに行くのか。

 全く……はぁ………何故こんな事に。


 そうして、盗賊たちは牢屋から去っていった。


 急な展開。

 牢屋での生活が出てしまった。

 何故こんな事に。


 「セイランどうするか?」

 「ロベルト、まずいよ」



 俺達二人は牢屋に閉じ込められてしまった。


 

 

 


 

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