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空中要塞グレイシアス   作者: ホワイトボックス
第三章 風の国編 闇に呑まれし大怪鳥
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第四十七話「大怪鳥を止めろ:前編」

 大怪鳥目掛け飛んでいくロベルト。



 風圧と爆発による風圧を利用して上空へと上がっていく。

 なんとも無謀な方法だが、これくらいしか早く終わらない。

 いや、これくらいしか思いつかない。


 しかし、爆風もあるが、やはり、大怪鳥には届かない。

 徐々に減速し始めた。


 (………やってみるか)

 

 頭の中。

 今現在ちょっと思い付いたこと。

 それをいま、実践しようと試みる。


 行けるかどうかは、分からない。

 しかし、やるだけやってみよう。


 俺は、足にまたも爆発魔法をため始める。

 減速中の中、爆発魔法がエネルギーとともに足に宿る。

 それを、解放寸前まで貯める。


 そして、この時!

  

 手から、少し長い板のような物を土魔法で作る。

 両足がつくよう。

 よし、一瞬で作れた。


 爆発は貯まる。

 そして、先程の板を両足の下に移動させ、足場にする。

 空気抵抗のある中で、少しの間、足場担ってくれる。


 (さぁ、もう一度)


 準備のため、こらえる。

 その時、上空を探し、大怪鳥を見つけ出す。


 嵐の中、竜巻、風吹き起こる中。

 確かにだが、大怪鳥がいたような気がした。

 姿ではなくとも、影でも。

 

 ロベルトは集中した。


 減速が終わり、落ちる。

 その時、溜めた爆発魔法と土魔法の板を利用。

 二度目の会心。

 ロベルトはまたもや、爆発魔法を起こし、爆風で上空へと上がった。

 

 ロベルト史上初の『2連続爆発移動』である。



 「飛んだ……!」


 あとは、大怪鳥の元へ行けば。


 ロベルトは爆風とともに空を飛ぶ、そして段々と。

 大怪鳥の元へと近づく。

 そして、ようやく。

 大怪鳥の姿がはっきりと見えた。


 (やはり、あの時変わらない……)


 変わったのは精神状態か。

 ……まぁいい、どのみち止めるだけ。

 でなければ、大怪鳥は軽々と止められない。

 今の状況を考えてな。


 フィオネには悪いが、仕方無い。


 

 その後はもう一度、先程の方法を使い空を飛んだ。

 お陰で、俺と大怪鳥の距離は十メートルに迫るくらい近づいた。

 この調子ならば、行ける。


 しかし、ここで問題。

 それは魔力の消費量だ。

 今現在、使っている爆発魔法、これ。

 魔力消費量がかなりッ、多いッ!!


 しかも、それを3発だ。

 この調子ならば、大怪鳥には追いつける。

 しかし、その分、魔力がなくなる時間が早まる。


 魔力が無くなる。

 飛べない→落ちる→死亡→End


 (それは、不味い、何としても避けたい展開だ)


 そう思ったので、俺は違う魔法を使うことにした。


 それは、紗々羅巍島で見せたあの魔法

 ヴィクセルとの戦いで、見せた、あの魔法。

 

 そう! それは。

 『ロープ型の魔法である』


 これならば、簡単には切れないし、手軽に放てる。

 それに距離も長い、便利。

 汎用性も高い。

 

 俺は、手に土と生命の魔法を、貯める。

 そして、放った。

 生命と土のエネルギーが流れるとともに、ロープ型の魔法が発射。

 狙いは大怪鳥の、脚! 爪!


 爪に向かい、ロープ型魔法が向かう。

 さぁ、巻き付け!


 そして、見事、放たれたロープ型の魔法は大怪鳥の爪に巻き付く。

 生命と土の魔法で、取れないよう頑丈に巻き付ける。


 その瞬間、反動が体に来る。

 一瞬動きが止まったせいだろう。

 今現在は大怪鳥に魔法を引っ掛け捕まり移動中。

 結構早い、それに激しく揺れる。

 

 (だが、これくらいなら……近づける)


 折れは慎重にロープ型の魔法をつたい、前へと上がっていく。

 慎重に一歩ずつ。

 いつ、切れるかわからない、その前に……行動を起こす。


 その時、大怪鳥が雄叫びを上げ、急降下する。

 

 「うおっ……!?」


 いきなりの急降下。

 それに驚き、右腕が離れ、左手でだけが空へと揺さぶられる。

 まさに、絶体絶命。

 命綱は、左手のみ。


 不味い、落ちる、だが……耐えるッ!

 ………危ない、今片腕だけだった……。

 落ちそうになったが、なんとか堪え、ロープを伝っていく。



 (来たぞぉ……)


 ロープを伝い、今まさに大怪鳥の体は身の前である。

 ここらか、どうするか……。


 危険な状況、この時でさえ、ロベルトは考えに浸る。

 しかし、その時、大怪鳥の脚が動く。


 それにいち早く気づくロベルト。

 しかし、問答無用、大怪鳥は脚を動かし、後ろに引っ掻く。

 間一髪避ける。


 しかし、その時の衝撃でロープから手が、離れてしまった。


 そのまま、落ちる。

 一一しかしここで終わる男ではない。

 なんとか、ロープに、捕まり、持ちこたえる。


 (ふぅ……助かった、本当に焦った)


 心のなかが軽くなる。

 しかし、休む暇もない。

 今度は大怪鳥が急回転し、俺目掛け襲いかかってきた。


 その速度はとても早い。

 そして、大怪鳥の顔……間違いない。

 

 俺を殺しに掛かっている………。


 大怪鳥が嘴を尖らせ、俺を殺そうと向かってくる。

 俺と大怪鳥の嘴が当たる瞬間、風圧を発生させ、上に避ける。

 

 危機一発。

 紙一重で避けられた。


 しかし、まだまだ、大怪鳥の猛攻は続く。

 嘴での突きと噛みつき。

 これによる攻撃を防ぐが、休みなく攻撃してくる。

 これは、対処がしにくい……。


 (防ぐばっかりで、非勢だ……フィオネには悪いが、やっぱりやらせてもらう)


 その瞬間、ロベルトは風圧により、空高く舞う。

 風魔法、爆発魔法を駆使し、宙へと浮く。

 

 上空で土魔法を使い、大きな硬い土の塊を作っていく。

 手のひらサイズにはと留まらず、

体、その2倍、そして岩石サイズ。

 次々に変化。


 その土を5メートル級の隕石へと変えた。


 「これでぇッ……! どうだッ!!」


 ロベルト、力を込め、大きくした隕石を投げつける。

 行き先は大怪鳥ファトラーム。


 大怪鳥は体からエネルギーをだし、風を発生させる。

 そして、それを圧縮し前へ押し出す。


 圧縮された風と、隕石が激突する。

 衝撃波、風の衝撃波があたりに響く。


 (押せ!)


 隕石と風がぶつかる。

 しかしどちらも、互いの押し合い。

 中々進まない。


 しかし、それだけでは止まらない。

 ロベルトはダメ押しに、全力の風魔法で隕石を押し出す!

 それは、隕石に勢いを与える。


 勢いを乗せ、大怪鳥の風圧を、押す。

 しかし、前に進まない……。


 いや……。

 押し抜けたッ!!

 隕石は、風圧を破り、大怪鳥へと接近。


 そのまま、大怪鳥の体に激突。


 大怪鳥が鈍い声を震わせながら、

地上へと、落下していった。


 それは大怪鳥だけではない。

 もちろん、俺も落下する。


 「なっ、不味い!」


 どうする……落下中だ。

 俺は、大怪鳥みたいに空も飛べない。

 風圧や爆発があったとしても、この高さからでは、むずい。

 

 ここは、どうすれば……。

 今は下向きに落下中。

 本当に真下は風の国、このままでは……。

 落ちたら、ミントになってしまう。


 (ミントは嫌だ! このまま生還したい)


 あ、そうだ!


 ロープ型の魔法。

 あれを使って空を飛ぼうしよう。

 この高さじゃぁ……むずいが……。

 上手く、タイミングを合わせれば……なんとか、行けるか?


 失敗した場合、一度空気抵抗で隙ができる。

 その時は、風を使えば良い。


 (よし、人生を賭けた挑戦だ!)


 徐々に国中心へと向かい、落下していく。

 

 そして、地面との距離が多分10メートルに達した瞬間。

 ロベルト、魔法を唱える。

 それは、ロープ型の魔法。


 これを建造物の屋根の煙突部分に絡み付ける。

 そして、体を伸ばすずらす。

 それにより、風と反動に煽られ、ロープを中心に飛ぶ。


 (来たぞ! 成功だ!)


 ロベルト肝一発!

 魔法を駆使し、ターザンのように、国を飛んでいく。

 空から見える景色は素晴らしい。


 ところどころ、壊れた物があるが、関係はない。

 とにかく、優雅な気分だ。

 気持ち良い風に当たりながら、空を飛ぶのは。

 まるで……鳥になった気がした。


 何でもできそうな快感。

 俺が中心となったような体験。

 風が気持ちい、包み込むような自由。

 最高の気分だ!

 心が晴れていく、浄化される!


 しかし、ロベルト一つ気づいてなかった。



 空を飛んでいると言っても、魔法を巻き付けた煙突の家の回り。

 煙突の家は、迷路のような家々の集り。

 ということは。


 建造物に衝突する可能性がある。

 そして、ロベルトは今現在前を見ていない。

 なので……。


 突然現れた、家の壁にすぐ対処できなかった。


 「……!? あ、嘘っ……!」


 喋る間もなく、壁へと激突。

 その瞬間、魔法は消え、ロベルトは下へと真っ逆さまに落ちる。

 落ちたしたは、ゴミ箱。


 しかし、クッションにはならず、激しい音とともに、

ロベルトは地へと伏せた。


 「ぐ……ッ………痛ぇ」


 まだ生きてはいる。

 しかし、どこか怪我をしてしまった。


 体が鈍い。

 地を這いずるばかりで、上手く二足で立てない……。

 どこか怪我しただろう……血も流れている………。

 

 回復魔法が必要だな……。


 「どのみち……怪我するのかよ……」


 どうにか、怪我した部分に手を当てようと試みる。

 駄目だ…上手くいかん。

 体を捻るか……いや、悪化するな。


 ……そうだ。

 バックの中にポーションがあったはずだ……。

 それを使えば……なんとか……。


 ロベルトは腰のバッグを見る。


 しかし、バックは見当たらない。

 きっとどこかで、落としたのだろう。


 「まじか……やっぱり、頑張って怪我した部分に回復を……」

 

 ロベルトが回復を試みた時、足音が近づいてくるのが分かった。

 足音からして、人。


 (!………誰か、来るっ……!)


 力気を瞬時に察知。

 怪我をしてる分、集中しにくい。

 しかし、力気、魔力共に、高いのが分かる……。


 下手したら……兵士の可能性大!

 これは……ピンチ、絶体絶命……!


 そして、足音、走る音が近づき、ついに前に姿を表す。


 「大怪鳥が落ちたと思えば、今度はここで大きな衝撃音……一体何………が…」

 「………嘘だろ」


 ロベルトの前に現れた人、それは女性

 腰に剣差し、特徴的な軽装に身を包んだ、女騎士。

 人目見ただけで、見覚えのある顔。


 それは、あの夜。

 逃亡中、追っかけてきた女騎士。

 そのまま罠に嵌めて、撤収したときと同じ………騎士。


 そして、今合っちゃいけない人物トップに君臨する……。

 最悪な相手。


 風の国騎士団所属

 副団長 女騎士フランセ

          で、あった……。




‐‐‐



 ー少し前ー


 フィオネ、セイランは、国の上層中心へと来ていた。

 そこは沢山の避難民で溢れていた。


 現在二人は、ここらで一度様子を見ているのであった。


 「よし、着いた……ロベルトは戦ってるようだね、うん」

 「無事だと、いいですけど……」


 上層部に向かっている途中、上空から爆発音が聞こえた。

 きっと、ロベルトの爆発移動の音。

 それで、上空に加速して向かっていたんだろう。


 上空でどの様に飛んでるのかは分からないが。

 多分、そこの所はなんとかするはずだ。

 

 (私が思いを、託したからね)


 フィオネとセイランが歩く。

 避難民たちは、早くの間に避難できたので、無事。

 しかし、嵐により多少の怪我、その措置は多く見られる。

 これらは全て、大怪鳥ファトラーム。


 かの大怪鳥がやったことだ……。


 (それを考えると、少し虚しくなっちゃうよ……友達だからね………)


 少し、深い気分になる。

 そのまま、落ち込む、しかしうじうじしてはいられない。


 なんたって。このフィオネは。

 風の国で有名な、かの風浬、本人である。

 人々に信じられている。

 まさに、希望の星なのだ。


 そのプレッシャーが自身を傷つけているとしても……だ。


 もう一度、フィオネは歩みを進める。

 それに応じて、セイランも後ろに続く。


 しかし、その時、上空からまた爆発音が響いた。

 いや、音だけではない。

 今度は、上空が、少し光った気がした。


 その音に避難民は驚き、慌てふためく。


 「今の音は、何だぁ!?」

 「大怪鳥がやったのか!?」

 「落ち着けぇ゙!!」

 「私達、どうなるの…!? ここにいれば、安全よね……!?」

 「私は目がいい、なので上空の光が見えた、これは爆発です」(キリッ)


 一気に避難民は慌て始める。

 一人が慌てれば、次々と伝染し、集団で慌て始める。

 とても、厄介なことである。


 (私が、行かないと……)


 ここで、フィオネのプレッシャーによる、行動が発動。

 皆を落ち着かせるため、向かう。


「あ、風浬様」

 「風浬様だ、良かった! お助けください!」

 「わたしたちは、無事に要られますよね?」


 避難民が風浬の姿を確認した途端、皆が助けを求め始めた。

 勢いはすごく、数々の人々が風浬に迫る。


 少し、だけ気を持ってかれたが、立て直す。


 「お、落ち着いて! みんな、まずは冷静になって! 一回落ち着こう!」


 フィオネは避難民全体に発言する。

 だいぶ落ち着いたほうだが、まだ慌てふためく人は多い。

 どうにかしないと。


 フィオネが止めようとした、その時、肩に手を乗せられる。


 「風浬様、ここはお任せください」

 「えっ?」


 フィオネの肩に手を乗せた人。

 それは、風の国騎士団、団長であった。


 騎士団の団長は人々の前に出る。

 そして、力強く、前に立つ。

 その姿は、遠目でもわかるほど、凄まじいモノを感じた。


 「……すぅ、落ち着けぇぇぇぇぇい!!!」


 そして、出るなり、大きな声を全体に響き渡らせた。

 それに、全員が、驚き。

 一瞬にして、場は静かになる。


 団長は一度、周囲を確認した後、人々に話し始める。

 

 「落ち着いてください、皆さん、ここは安全です、一度お静かに」


 さっきの豪声と裏腹に静かで、どこか威圧的な声で話し始める。 

 みんな、驚く。

 これが、ギャップというものだろう?


 「我々、騎士団、国の兵士総出で、この国の国民の皆さんをお守りするため、日々精進しています」


 「我々は国民の皆さまを安心させるよう、対策を取り、この事件の阻止に取り掛かっています、安心です」


 「故に我々騎士団、兵士がいれば、この国を守れる、国民の皆さまを、危険にさらさないようにする自身があります!」


 怪我はしているけど。

 団長の声はそして話は、人々を謎の凄さで納得させた。

 徐々に安静を取り戻していく。


 「どうか、ご安心を、我々騎士、兵士の皆が、皆さまをお守りします」


 そして、団長が綺麗なお辞儀を披露。

 国民たちは、拍手をして、団長を送り出した。


 一部始終を見ていたフィオネは、感心していた。

 団長の、騎士団トップの力に。

 とても、感心した。

 自分もあの様に、立派で即決できるような人になりたいと。


 それは、セイランも同じである。


 「さて、そろそろ私も、行こうかな……」


 フィオネは、国民の避難、無事を確認できた。

 あとは、ロベルトの協力に移るのみ。

 フィオネは、向かい出す。

 

 「あ、待ってください!」


 そこに、セイランが追いかけてくる。


 「!……セイランも来るのかい?」

 「当たり前です、私も一応仲間なので……!」


 セイランも準備万端。

 いつでも、行ける感じである。


 「仲間というか、旅は紗々羅巍島までって、いったけどねぇ……?」

 「それでも、行きます、延長戦です」


 延長戦………。

 私達に協力してくれる、それも、ここまで。  

 正直嬉しい、感謝する。

 ………でも。


 「家族方は大丈夫かい?」

 「え?」


 突然の家族発言に呆気にとられる。


 「いや、私もロベルトも家族は関係してないけど、君は、いるでしょ? 大事な家族が、ここにさ」

 「うっ……」


 家族。

 家族はとても大事な存在。

 自分を見守ってくれる存在である。

 しかし、今回、セイランはそれが、愚策とかした。



 普段なら帰るべきだよね……。

 帰らないと、怒られるし………。

 習い事も、増やされる、やりたくない事も……増える。

 嫌だ……それは嫌……でも……………。


 セイランは顔を横に振る。


 「それでもっ……私は行きます!」


 強く、フィオネに伝えた。


 「凄い……決意だね」

 「はい、硬いです、本気ですから」


 見る限り、やる気に満ち溢れているね。

 いや~こんな子が知り合いにいてくれて、頼もしいよー。

 

 そう思っていると。

 後ろから、避難民の大衆をかき分け近づいてくるのが人が見えた。

 

 どうやら、見た所老婆のようだ。

 ……あれ? あの人、確か……。

 

 (あ、セイランの使用人の方)

 

 「あれ、君の関係者じゃない?」

 「へ?」


 多分使用人の方で間違いない。

 セイランは、後ろを向く。

 その時、使用人の方と目があった。


 「! 見つけたざます! お嬢様ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 「ひぃあぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 大声で叫ぶ、使用人とセイラン。

 それに周囲もびっくりする。

 ここは、なんとか落ち着かせないと。


 使用人方が、ズカズカこちらに接近してくる。

 それも、全速力で。

 あの人、あんなに体力あるの!?


 「お嬢様!」


 使用人がセイランの肩を両腕で掴む。


 「ひ、ひゃ、ひゃい!」


 対する、セイランは、びっくり。

 呂律が回っていない。


 「お嬢様、やっと見つけたざます! 何故この国にいるのでありますか!」


 使用人の方がすごい勢いで、セイランに問いかける。

 すごい、それだけ大事に……。

 

 ちなみにセイランは、全く答えられていない。


 「紗々羅巍島から帰ったにしては。

 早すぎます! ついたとしても夕方

 そして、船はリザーブの港町で止まっていること。

 なので国へ帰って来るのは不可能

 考える事として、この3日の間、セイランお嬢様……。

 あなたはこの国を出ていない、でなければここにはいないはずなのざます、一体どういうことざます!」


 とてつもない早口で、セイランに話しかける使用人。

 セイランの脳はパンクしている。

 まさに、マシンガンのような人である。


 「えっと、その点は、私が連れて帰りました」

 「あなたは……もしや、風浬様で?」


 フィオネが話しかける。

 どうやら、使用人の方は気づいてくれたようだ。


 「はい、紗々羅巍島から、ここまで飛んで帰ったところです」

 「なんと……」


 使用人はセイランを見る。

 セイランは眼を回して、頭をクラクラさせている。


 「それは、本当で?」

 「そうです、あ、詳しく説明します」


 私は使用人の方に、今までの出来事などを詳しく話した。

 紗々羅巍島のこと。

 大怪鳥ファトラームとのこと。

 そして、旅の目的と仲間。

 それぞれ分かるよう詳しく話した。


 「そんな事が……正直信じられないざます」

 「それが! 事実なんです、なので彼女に同行してもらいました」

 「ふむ……深いざます」


 使用人の方は考える。

 そうして、しばらくして、理解したか、顔をあげる。


 「分かりました、まず、お嬢様の件で御礼を……」


 使用人の方は貴族流のお辞儀をする。

 久しぶりに見たなぁ。


 「いえいえ、それほどでも〜」

 「では、ワタクシはお嬢様を、安全な場所へ避難させます」


 あ、避難させるんだ。

 まぁ、それもそうかお嬢様。

 呼び方からして、貴族の家系。

 それに、使用人としても、大事な存在。

 

 本当は行きたかったけど、今回は無理そうかなぁ。

 ………仕方無いね。

 私とロベルト、騎士の人、でファトラームの所へ向かおう。


 「……では、そろそろ向かいます」

 「はい、お嬢様のこと再度お礼を……」


 またも、お辞儀を披露してくれた。


 「それでは、お気をお長けくださいざます」

 「はいはい〜………ま、今回は任せてよ」


 最後に、セイランに一言言っていく。

 今回は回復役の彼女はいない。

 だから、この私が頼り。


 頑張らないと。

 みんな、国民のためにも………ファトラームのためにも。

 友達として。

 早く、行かないと……。


 いそいそ………。

 フィオネは、大怪鳥の下へと向かっていく向かっていく。

 

 その時、またもや上空で大きな声音が響いた。

 しかし、今度は爆発音と違う。

 それは衝撃音に近かった。


 「一体…何なんだよ……」


 フィオネは、中層へと向かう。

 中層は大怪鳥が暴れている、それにより嵐が吹き起こっている。

 中層部を中心に動いているので、上層下層には、届いていない。


 しかし、今回は違った。

 今まで吹いていた、嵐が、いきなり弱くなった。

 

 不自然だ。

 あの状態をみるに、ファトラームがそんな簡単に嵐をやませるわけない。

 もしかして……何かあって……。


 すると…上空近くで、大きな魔力を感じた。

 それも、近い。

 フィオネは空を見る。




 「……は?」


 空には大きな隕石に押し付けられながら、地上へと落下する、 

大怪鳥の姿があった。

 

 そして、向こう側へと落下。

 地上へと落下し、あたりに衝撃が響き渡る。 

 

 ファトラームが……落下……。

 あの隕石……なに?

 ろ、ロベルトはどこに行ったの……?


 上空を見ても、ロベルトの姿は見えない。

 いや、それよりも。

 落下していった、大怪鳥の方へと集中が向く。


 フィオネにとって、大怪鳥は仲が良い友達同然。

 そんな大怪鳥が、隕石に打ち付けられ……。

 地上へと落下した。

 そんなに見て、悪く思わない訳ない。



 そこからの行動は早かった。


 フィオネは一目散に翼を広げる、大怪鳥の下はと向かっていった。

 この時、落ちるロベルトとすれ違う。




 しかし、そんな事には気がづかなかった。

 

 


 

 

 

 

 

 


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